自然災害に備えよう!三重県の災害リスクと防災情報も紹介
関東大震災から今年でちょうど100年が経ちました。
地震をはじめとした自然災害は頻繁に日本を襲い、その規模は年を追うごとに大きくなっています。
数十年に一度といった災害が毎年のように起こるようになり「いつ自分の住んでいる地域が被災してもおかしくない」という危機意識を持つようになった人も多いのではないでしょうか。
三重県は、その地形や立地から、地震や津波、大雨による水害、土砂災害などさまざまな災害リスクが起こると考えられています。
これらの災害はいつ起こるか分からないけれど、リスクを知って備えることはできるもの。
家の中の危険を減らす対策や防災リュックの準備、ローリングストックを兼ねた備蓄、ハザードマップのチェックなどできることはたくさんあります。
しっかり備えておけば、災害が起こっても被害を小さくできます。
この記事では、三重県の災害リスクや防災情報を紹介。
ぜひ、参考にしてください。
防災の必要性
日本は、地震や台風など自然災害の多い国です。
地球温暖化にともなって豪雨になる頻度が高くなっているばかりか、一度に降る雨量も増しています。
ここ三重県も、豪雨による被害が数年おきに起きていますし、南海トラフによる巨大地震の影響も懸念されています。
「自分たちは大丈夫」と思わず、備える意識を持つことが大切です。
ここでは、以下の2点について詳しく解説します。
1.すぐに救助が来る?
2.備えが必要
1.すぐに救助が来る?
災害が起きたときのために備えていない人の中には「避難所に行けばすべて揃っているだろう」と考える人がいるかもしれません。
しかし、災害が発生して自宅から出られない状況になることもありえます。
その場合すぐに救助がくるとは限らず、救助がくるまで自分たちで生き延びなくてはいけません。
たとえ避難所に行ける状況だとしても、家族のプライバシーやペットのことなどさまざまなことを考えて「自宅にいられる状況だから在宅避難にしよう」と決めるケースもあります。
このような場合、ライフライン関連の救援物資が届くまでは在宅で生き延びられる備えが必要です。
救助が来るまで、また救援物資が届くまで、自分たちの力で生き延びるために自助努力をしましょう。
2.備えが必要
地震発生後や台風がくる直前にコンビニやスーパーから食品がなくなる光景を目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
このような買い占めは、危機的な状況になったときの心理的不安も重なり、今後も災害発生時には起こることが想定されます。
それ以前に、大災害が起こったために店が機能しなくなる可能性も考えられます。
食料や日用品が手に入らなくなっても困らないように、日頃から食べ物や日用品は多めに備蓄するようにしましょう。
さて、災害が発生してライフラインが止まってしまった場合、復旧までにはどのくらいの日数がかかるかご存知でしょうか?
内閣府によると、首都直下型地震が起きたときの東京の復旧目標として、上下水が30日、電気が6日、ガスが55日、通信が14日となっています。
もっとも早く復旧する電気でも6日かかる想定です。
ライフラインが切れていても生き延びられるよう、最低でも3日分、できれば7日分の家族全員分の備蓄をしましょう。
参考:内閣府防災情報|首都直下地震による被害の概要
三重県の災害リスク
三重県にはさまざまな災害リスクが考えられますが、主に以下の3つが考えられます。
- 水害リスク
- 地震リスク
- 土砂災害リスク
一つずつ解説します。
1.水害リスク
三重県は、全国でも雨量の多い土地です。
台風の通り道になることも多く、短時間で大雨が降ることも多数。
これまでに豪雨災害が何度も起きています。
数年おきに起きる大きな水害を考慮すると、水害対策を行う必要があることが分かります。
2.地震リスク
三重県は北部に断層が集中しているため直下型地震のリスクがあります。
ほかの土地に比べて強い揺れの可能性がある土地は、やや軟弱な地盤の伊勢湾沿岸部です。
南海トラフ地震の影響も強く受ける立地で、地震に伴い発生する津波の被害も大きくなることが予想されています。
南海トラフ地震の30年以内の地震発生確率は70〜80%、マグニチュードは8〜9と予測されています。
平成25年度地震被害想定調査の県内の津波浸水予測図では、南海トラフの理論上最大クラスの地震を想定した場合の浸水の範囲を市町ごとに、こちらのサイトで示しています。
ぜひ、参考にしましょう。三重県|各種防災関連報告書:津波浸水予測図一覧(平成25年度版)
参考:政府 地震調査研究推進本部|三重県の地震活動の特徴
参考:三重県で気をつけるべき災害とは 三重県における災害の特徴と対策方法 | SAIGAI JOURNAL(災害ジャーナル)|防災をもっと身近に
3.土砂災害リスク
豪雨や地震で地盤がゆるむと土砂災害が発生するリスクが高まります。
東京都建設局によると、土砂災害とは「山やがけがくずれたり、くずれた土砂が雨水や川の水と混じって流れてきたりすることによって人命が奪われたり、建物を押しつぶしたりする災害のこと」です。
土砂災害には大きく分けて以下の3つに分類されます。
【土砂災害の分類】
- 土石流・・・山や谷にある土や石、砂などが大雨と混じってドロドロした状態になり、一気に流れ出る。破壊力が大きく速度も早い。大きな被害になりやすい
- 地すべり・・・傾斜がゆるく、滑りやすい斜面に雨や雪解け水がしみこんだことによって、広範囲にわたって起こる。家や田畑も一緒に地すべりする。とてもゆっくり動くので分からない程度のこともあれば、一気にすべることもある
- がけ崩れ・・・急な斜面が突然崩れ落ちる。大雨が斜面に染み込んだり地震によって引き起こされる。崖の下にいると逃げ遅れることもある。
なお、三重県内の土砂災害(特別)警戒区域の指定状況(令和5年7月4日現在)は、以下のサイトに掲載されているので、住んでいる地域についてチェックしましょう。三重県|砂防:土砂災害(特別)警戒区域の指定状況
引用:東京都建設局|土砂災害とは
お家防災
さまざまな災害に対して日頃から備えられることは多くあります。
必要な備蓄や家の防災対策、家族の安全確認の方法やハザードマップのチェックなどが必要です。
ここでは、以下の6つについて解説します。
- 家の対策
- 防災備蓄
- 非常用持ち出しバッグの準備
- ハザードマップを確認する
- 避難場所の確認
- 家族の安否確認方法
一つずつ見ていきましょう。
1.家の対策
1995年に起きた阪神淡路大震災では、家具の下敷きになって亡くなった方が多くいました。
家の中の家具を見渡し、背の高い家具はしっかり固定しましょう。
家具の配置にも工夫が必要です。
就寝中に地震が起きてもすぐに対応できないので、寝室には高い家具は置かないようにしましょう。
また、ドアの近くに家具を置くと地震で倒れたとき部屋に閉じ込められてしまうリスクがあるので、ドア付近には置かないこと。
家族が主に過ごすリビングにも高い家具を置かないようにしましょう。
寝室には懐中電灯を置いて停電になっても光がとれるようにすること。
また、窓ガラスが割れたりモノが散乱していても歩けるようにスリッパもしくはスニーカーを置いておきましょう。
水は飲料としてだけでなく、生活用水として必ず使うので、日頃から風呂の水を張っておくと在宅避難のときに生活用水として利用できます。
2.防災備蓄
ライフラインが止まってしまい、在宅避難をするときに備蓄は不可欠です。
まずもっとも必要なのは、水です。
1日に1人3リットルとして3日×家族分を用意しましょう。
非常食も1日3食3日分を家族の人数分用意します。
ごはんは白米だけでなく混ぜご飯などバラエティ豊富な商品が出ているので、家族の好みに合わせて揃えるとよいでしょう。
このほか、カセットコンロやガスボンベがあればライフラインが止まっても温かい食事が摂れます。
災害が冬に起きても暖かいものを食べられるだけで心が落ち着きます。
トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの日用品は在庫を多く持つようにしてローリングストックしましょう。
なお、大規模災害時には一週間分の備蓄が望ましいとされています。
まずは3日分を確保し、少しずつ増やしていくと家計への負担感が減るのでおすすめです。
※ローリングストックとは・・・日頃から食品や日用品を多めに買い置きして使い、消費した分だけ買い足していつでもストックがあるようにしておく方法
3.非常用持ち出しバッグの準備
在宅避難が困難で避難所に避難するときの非常用持ち出しバッグを準備しましょう。
バッグの中に入れておくものは以下のとおりです。
- 食料
- 生活用品
- 非常時に自分を守るもの
- 衛生品
- 衣類
- 貴重品
- 情報を集める品
- 家族構成によって必要なもの(女性・子供・お年寄り・ペットなど)
具体的な持ち物は、「首相官邸ホームページ」の災害が起きる前にできること | 首相官邸ホームページを参考にしましょう。
また、季節によって必要になるものもあります。
夏は叩くだけで保冷剤になるグッズがあると便利。
冬にはカイロ・防寒グッズが必要です。
半年に一度はバッグの見直しをしましょう。
4.ハザードマップを確認する
住まいの地域のハザードマップは必ず確認しましょう。
自分が住んでいる地域にどんなリスクがあるかも知っておきましょう。
5.避難場所の確認
災害が起きたときにどこに避難するか、避難するときの経路などを家族と話し合って決めておきましょう。
避難所までの道に危険な場所があるかチェックするため、休日に家族で歩いてみるとよいでしょう。
6.家族の安否確認方法
災害が発生すると家族や友達の安否を確認するために電話をかける人が殺到し、つながりづらくなります。
東日本大震災のときには、地震発生後、家族と数時間に渡って連絡がとれない人が続出しました。
家族と連絡がとれなくなってしまったときのために安否確認の方法や家族が集合する避難先などを決めておきましょう。
安否確認には、災害用伝言ダイヤル「171」を利用すると便利です。
「171」は、電話をかけると伝言を録音でき、家族は伝言を再生できるサービスです。
携帯電話からもかけられます。
公衆電話からもかけられますが、若い人は公衆電話の使い方を知らないことが多いので子供には使い方を教えておきましょう。
詳しい利用方法についてはこちらのサイトをチェックしましょう。災害用伝言ダイヤル(171) | 災害対策 | 企業情報 | NTT東日本
参考:首相官邸|災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~ | 首相官邸ホームページ
防災お役立ち情報
防災に関する情報は多くの公的機関から出されています。
特に「防災みえ.jp」では、自然災害のリアルタイムに近い情報や県内で起こりやすい災害についてくわしく掲載しているので、ぜひ参考にしましょう。
また、各市町のホームページには災害ごとのハザードマップが掲載されています。
市役所などでハザードマップをもらえる自治体もあるので問い合わせてみましょう。
ここでは、以下の3つのサイトを紹介します。
- 防災みえ.jp
- 政府広報オンライン
- 首相官邸
1.防災みえ.jp
各地域の気象情報や地震情報、津波情報が掲載されています。
緊急時に役立つ情報として、市町ごとの避難所や防災マップ、ライフラインの情報、災害拠点情報などが掲載されています。
土砂災害や洪水害などの危険度分布も見られるのでチェックしましょう。
地震や津波、土砂災害への備え方についても紹介しています。
2.政府広報オンライン
防災や災害に関して知っておくべきことが掲載されています。
防災対策や食品備蓄のコツ、自然災害から命を守るための自助・共助について、被災したときの対応などを知ることができます。
地震や水害、土砂災害など災害ごとの対策も紹介しているのでぜひ参考にしましょう。
3.首相官邸ホームページ
首相官邸のホームページでは、災害が起きる前の対策や避難するときの目安を示しています。
地震、津波、火山、大雨・台風、土砂災害、竜巻、雪害について、それぞれに関して身を守る方法を紹介。
X(旧twitter)では、災害や危機管理に関する政府活動情報をポストしています。首相官邸(災害・危機管理情報) (@Kantei_Saigai) / X
被災者に必要な情報にアクセスできるようリポストもしているので、いざというとき参考にできます。
まとめ
日本に住んでいる限り、自然災害のリスクからは避けられません。
私たちの暮らしの身近に起こる現象としてとらえ、備えることが必要です。
この記事では、防災の必要性、三重県の災害リスク、お家防災、防災お役立ち情報について解説しています。
三重県はあらゆる自然災害のリスクがあるので、ハザードマップで住んでいる場所のリスクを知り、避難所までの経路などを確認しましょう。
災害が起こることは避けられませんが、リスクを減らすことはできます。
まずは自分でできることから。
関東大震災から100年という節目の年に、防災について考えましょう。