データで解説!三重県の市町別出生数から見る子育て世帯に選ばれる街【2020~2024年比較】

三重県への移住を考えている方の中には、「子育てしやすい街はどこだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか?

そのヒントの一つになるのが、三重県の市町別の出生数です。

出生数は人口規模や年齢構成などさまざまな要因に左右されるため、「出生数が多い=子育てしやすい街」とは一概には言えません。

しかし、出生数の推移を比較することで、子育て世帯が集まる地域や、比較的出生数を維持している地域の特徴が見えてきます。

この記事では、2020年から2024年までの三重県29市町の出生数データをもとに、「比較的減少幅が小さい」「減少幅が大きい」の2つに分類し、それぞれの特徴を分かりやすく解説します。

また、出生数の推移から見えてくる街の傾向や、移住先を選ぶ際にチェックしたいポイントについても紹介します。

三重県で子育てしやすい街を探している方や、移住先選びで迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

三重県全体の出生数は5年間で約20%減少

三重県では少子化が進み、出生数は年々減少しています。

2020年には11,141人だった出生数は、2024年には8,896人となり、5年間で約20%減少しました。

まずは、三重県全体の出生数の推移を見てみましょう。

三重県全体の出生数推移

出典元:三重県 公式HP「衛生統計年報 2020年~2024年」
※2020~2024年の市町別出生数を合計した値

2020年と比べると、2024年の出生数は2,245人減少しており、減少率は約20.2%です。

また、2021年から2024年まで4年連続で前年を下回っており、出生数は一時的な減少ではなく、継続的に減少していることが分かります。

なお、2025年の市町別出生数は、記事執筆時点では公表されていません。一方で、三重県全体の2025年の出生数は8,792人となり、過去最少を更新したことが公表されています。

※本記事では、市町ごとの傾向を比較・分析することを目的としているため、市町別データが揃っている2020年から2024年までを対象としています。

三重県でも少子化が進んでいる

出生数の減少は、三重県だけの現象ではありません。全国でも少子化が進んでおり、出生数は年々減少しています。

その背景には、

  • 若い世代の人口減少や未婚率の上昇
  • 晩婚化・晩産化
  • 経済的な不安
  • 共働き世帯の増加による子育てとの両立の難しさ

など、さまざまな要因があると考えられています。

三重県も全国と同様の傾向にあり、今後もしばらくは出生数の減少が続く可能性があります。

一方で、市町別に見ると、出生数の推移には違いがあります。

人口規模や年齢構成、住宅開発、交通アクセス、雇用環境などによって、出生数を比較的維持している自治体や、増加している自治体もあります。

なお、出生数だけで「子育てしやすい街」や「住みやすい街」を判断することはできません。出生数は人口規模や子育て世代の人数に大きく左右されるためです。

そのため、本記事では出生数を移住先選びの一つの参考データとして活用しながら、各市町の特徴や子育て世帯に選ばれている理由について詳しく見ていきます。

市町の特徴│2020~2024年の出生数推移

三重県全体では出生数が約20%減少していますが、市町別に見ると減少幅には大きな違いがあります

三重県全体の減少率を大きく下回り、出生数を比較的維持している自治体がある一方で、減少幅が大きい自治体も見られました。

ここでは、2020年を基準に2024年の出生数の増減率を算出し、「比較的減少幅が小さい市町」と「減少幅が大きい市町」の2つに分けて、その特徴を見ていきます。

比較的減少幅が小さい自治体

2020年と比べて出生数の減少幅が比較的小さかった市町は、次の通りです。

市町2020年2024年増減率
御浜町28人29人+4%
紀北町40人39人▲3%
川越町144人136人▲6%
亀山市337人310人▲8%
四日市市2,106人1,832人▲13%
いなべ市285人247人▲13%
東員町189人163人▲14%
(参考)三重県全体11,141人8,896人▲20%
出典元:三重県 公式HP「衛生統計年報 2020年~2024年」
※2024年出生数が2020年比で増減率が▲15%以内の市町

三重県全体では出生数が約20%減少している中、これらの市町は出生数を比較的維持しています。特に御浜町は、三重県29市町の中で唯一、2020年より出生数が増加しました。

これらの市町には、生活しやすい住環境や子育て支援の充実に加え、地域の雇用環境や交通利便性など、子育て世帯が暮らしやすい条件が揃っている地域が多く見られます。

例えば、亀山市(▲8%)は製造業を中心とした雇用が安定しており、高速道路やJRなど交通アクセスにも恵まれています。また、川越町(▲6%)は名古屋方面への通勤圏として人気があり、住宅地としても注目されています。

四日市市(▲13%)いなべ市(▲13%)も、他の市町よりも減少幅は大きいものの、県全体の減少率(▲20%)を大きく下回っています。

四日市市は県内最大の人口であり、雇用や商業施設、医療機関が充実していることから、子育て世帯にとって暮らしやすい環境が整っています。いなべ市も、自然豊かな住環境と子育て支援の充実に加え、名古屋方面へのアクセスの良さから、移住先として注目されています。

もちろん、出生数は人口規模や子育て世代の人数にも左右されるため、自治体の取り組みだけが結果に繋がっているわけではありません。

しかし、三重県全体で出生数が減少する中でも、減少幅を抑えている点は、移住先を検討する上で一つの参考になるでしょう。

減少幅が大きかった自治体

2020年と比べて出生数の減少幅が大きかった市町は、次の通りです。

市町2020年2024年増減率
大紀町20人9人▲55%
熊野市84人41人▲51%
大台町39人25人▲36%
鳥羽市69人45人▲35%
明和町164人107人▲35%
伊賀市499人341人▲32%
名張市419人295人▲30%
(参考)三重県全体11,141人8,896人▲20%
出典元:三重県 公式HP「衛生統計年報 2020年~2024年」
※2024年出生数が2020年比で増減率が▲30%以上の市町

これらの市町では、2020年から2024年にかけて出生数が約▲30~55%減少していました。特に大紀町(▲55%)や熊野市(▲51%)では、出生数が半数近くまで減少しており、県全体の減少率(▲20%)を大きく上回っています。

こうした背景には、全国的な少子化に加え、人口減少や若年層の流出、高校・大学進学や就職を機に若い世代が都市部へ転出する傾向など、さまざまな要因が考えられます。

特に人口規模が小さい市町では、子育て世代の人数が少ないため、出生数が数人減るだけでも減少率が大きくなるという特徴があります。

また、伊賀市(▲32%)や名張市(▲30%)のように人口規模が比較的大きい自治体でも、30%前後の減少となっており、少子化の影響が幅広い地域で進んでいることが分かります。

一方で、出生数の減少だけで市町の魅力を判断することはできません。今回紹介した自治体の中にも、子育て支援制度の充実や住宅取得支援、自然豊かな住環境など、それぞれに魅力があります。

移住先を選ぶ際は、出生数を一つの参考指標としつつ、子育て支援制度や教育環境、交通アクセス、働きやすさなども含めて総合的に比較することが大切です。

出生数の推移から見える「子育て世帯に選ばれている街」の特徴

出生数は人口規模や年齢構成など、さまざまな要因の影響を受けます。そのため、「出生数が多い」「減少幅が小さい」という理由だけで、子育てしやすい街と断定することはできません。

しかし、今回のデータを見ると、出生数を比較的維持している市町にはいくつかの共通点が見えてきました。ここでは、移住を検討する際にも参考になる5つの特徴を紹介します。

1. 名古屋・四日市方面へ通勤しやすい立地

出生数の減少幅が比較的小さい市町には、名古屋市や四日市市への通勤・通学がしやすい地域が多く見られます。

例えば、川越町や四日市市、いなべ市は、近鉄線やJR、高速道路など交通網が充実しており、名古屋方面へのアクセスも良好です。

都市部で働きながら、住宅価格や自然環境とのバランスが取れた地域で子育てできることは、多くの子育て世帯にとって魅力と言えるでしょう。

「仕事は都市部、暮らしは三重県」というライフスタイルを実現しやすいことが、移住先として選ばれる理由の一つと考えられます。

2. 働く場所が近く、雇用が安定している

安定した仕事があることも、子育て世帯が安心して暮らすための重要な条件です。

四日市市や亀山市、いなべ市には、自動車関連や半導体関連などの製造業をはじめ、多くの企業が立地しています。また、四日市市は商業やサービス業も発展しており、多様な働き方を選びやすい環境です。

通勤時間が短く、地元で働ける環境が整っていることは、子育てと仕事を両立しやすい街づくりに繋がっています。

3. 子育て支援制度が充実している

近年は、多くの自治体が独自の子育て支援制度を充実させています。

例えば、医療費助成や出産祝い金、保育サービスの充実、子育て相談窓口、産後ケアなど、自治体によってさまざまな支援が用意されています。

今回、出生数を比較的維持していた自治体でも、子育て支援に力を入れているケースが多く見られました

こうした制度は、子育て世帯が安心して暮らせる環境づくりに繋がっており、移住先を選ぶ際にも確認しておきたいポイントの一つです。

4. 医療・買い物など生活環境が整っている

子どもを育てるうえでは、日常生活の利便性も欠かせません。

小児科や総合病院が近くにあること、スーパーやドラッグストア、公園などが身近にあることは、子育て中の家庭にとって大きな安心材料になります。

四日市市や川越町、亀山市などは、医療機関や商業施設が充実しており、日常生活で不便を感じにくい環境が整っています。子どもの急な体調不良や日々の買い物にも対応しやすく、安心して子育てできる地域と言えるでしょう。

5. 住宅を購入しやすい環境がある

住宅価格や土地価格も、移住先選びでは重要なポイントです。

三重県は名古屋市と比べて住宅価格や土地価格が比較的抑えられている地域が多く、広い住まいを確保しやすいという魅力があります。

また、自治体によっては住宅取得補助や空き家活用支援などを実施しているところもあります。

住宅にかかる費用を抑えられることで、教育費や子育て費用にゆとりを持ちやすくなることも、子育て世帯に選ばれている理由の一つと考えられます。

もちろん、街選びに正解はありません。しかし、今回の出生数データからは、「交通」「雇用」「子育て支援」「生活利便性」「住まい」の5つが揃っている地域ほど、子育て世帯が暮らしやすい環境を整えている傾向が見えてきました。

移住先を検討する際は、出生数だけでなく、こうした住環境もあわせて比較してみることをおすすめします。

まとめ

2020年から2024年までのデータを見ると、三重県全体の出生数は11,141人から8,896人へと減少し、5年間で約20%減少しました

これは全国的な少子化の流れと同様の傾向であり、若年人口の減少や晩婚化・晩産化など、さまざまな社会的要因が影響していると考えられます。

一方で、市町別に見ると、出生数の推移には大きな違いがありました。

御浜町は29市町の中で唯一、2020年より出生数が増加しており、川越町や亀山市、紀北町、四日市市、いなべ市なども、県全体と比べると減少幅を比較的小さく抑えています。

これらの自治体に共通していたのは、

  • 交通アクセスの良さ
  • 安定した雇用環境
  • 充実した子育て支援
  • 医療・買い物など生活利便性の高さ
  • 住宅を購入しやすい環境

など、子育て世帯が安心して暮らせる条件が揃っている点です。

もちろん、出生数だけで街の魅力を判断することはできませんが、「子育て世帯が暮らしやすい環境がある地域では、出生数も比較的維持されやすい」という傾向が見えてきました。

一方で、出生数の減少幅が大きい自治体にも、それぞれ魅力があります。

豊かな自然環境や独自の子育て支援制度、住宅取得支援など、都市部にはない暮らしやすさを備えた地域も少なくありません。

出生数は人口規模や年齢構成の影響を大きく受けるため、「出生数が少ない」「減少幅が大きい」という理由だけで移住先の候補から外してしまうのはもったいないと筆者は感じます。

三重県への移住を検討する際は、出生数を一つの参考データとして活用しながら、子育て支援制度や教育環境、医療体制、交通アクセス、住宅価格なども含めて総合的に比較することが大切です。

ライフスタイルや働き方、子育てに求める環境は家庭によって異なるため、「自分たち家族に合った街」を見つけることが、後悔しない移住に繋がります。

三重県への移住を検討している方は、ぜひ他の記事も参考にしながら、ご家族にぴったりの移住先を見つけてください。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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