四日市市の生産高1位「いらこ(煎粉)」とは?特徴をわかりやすく解説!

四日市市といえば、四日市コンビナートや萬古焼、とんてきなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、四日市市には一般的な知名度は高くないものの、全国の菓子づくりを支えてきた地場産業があります。そのひとつが「いらこ(煎粉)」です。

いらこ(煎粉)とは、米などを加工して作られる菓子原料であり、おこしやあられ、フライ菓子などに使われています。完成品としてそのまま販売されるものではないため、日常生活の中で名前を聞く機会は少ないかもしれません。しかし、菓子の食感や仕上がりを支える重要な素材として、食品産業の中で大切な役割を担っています。

四日市市では、天ヶ須賀周辺を中心にいらこの生産が発展してきました。地域の気候や製法の工夫、機械化による生産体制の拡大などによって、いらこは四日市の地場産業として受け継がれてきたのです。

本記事では、いらこ(煎粉)の特徴や用途、四日市市で生産が盛んになった理由、地場産業として重要な理由について詳しく解説します。萬古焼の土鍋や自動販売機関連製品など、四日市市の代表的な生産品についても紹介するため、四日市のものづくりに興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

いらこ(煎粉)とは?

出典:photo ACより

いらこ(煎粉)とは、米などを加工して作られる菓子の原料のひとつです。漢字では「煎粉」と表記され、主におこしやあられ、フライ菓子などに使われています。完成したお菓子としてそのまま店頭に並ぶものではないため、一般の消費者にはあまり聞き慣れない名前かもしれません。しかし、身近なお菓子づくりを支える大切な素材として、食品産業の中で重要な役割を担っています。

いらこは、米を蒸したり乾燥させたりしたあと、熱を加えて膨らませることで作られます。軽い食感や香ばしさを出しやすいため、菓子の材料として利用されてきました。おこしのように蜜や砂糖で固めるお菓子では、いらこの食感が仕上がりの印象を大きく左右します。また、あられやフライ菓子のような軽い口当たりのお菓子にも使われるため、幅広い菓子づくりに関係している素材といえるでしょう。

四日市市では、このいらこの生産が地場産業として発展してきた歴史があります。特に天ヶ須賀周辺では、気候や地域の環境を活かしながら生産が行われてきたとされ、四日市のものづくり文化を語るうえでも注目される存在です。

いらこは単体で目立つ食品ではありませんが、さまざまなお菓子の土台となる重要な原料です。普段何気なく食べているおこしやあられの中にも、四日市で生産されたいらこが使われているかもしれません。いらこは四日市の産業と私たちの身近なお菓子をつなぐ存在といえるでしょう。

四日市市はいらこ(煎粉)の生産高が高い地域

四日市市は、いらこ(煎粉)の生産が盛んな地域として知られています。いらこは一般的な食品として名前が広く知られているわけではありませんが、おこしやあられ、フライ菓子などに使われる菓子原料であり、食品づくりを支える重要な素材です。そのため、表に出る機会は少ないものの、四日市市の地場産業のひとつとして大切に受け継がれてきました。

特に四日市市の天ヶ須賀周辺では、古くからいらこの生産が行われてきたとされています。天ヶ須賀は海に近い地域であり、乾燥や加工に適した環境があったことから、いらこづくりが広がっていったと考えられます。現在でも、四日市市はいらこの生産高が高い地域として紹介されることがあり、地域ならではの産業として注目されています。

いらこの生産は、完成品として販売されるお菓子とは異なり、原料を作る産業です。そのため、一般の人が日常生活の中で「四日市のいらこ」と意識する機会は多くありません。しかし、菓子メーカーや食品加工の現場では、お菓子の食感や品質を支える材料として重要な役割を果たしています。

このように、四日市市はいらこ(煎粉)の生産を通じて、全国のお菓子づくりを支えてきた地域といえます。コンビナートや萬古焼などの印象が強い四日市市ですが、食品原料の分野でも高い生産力を有している点は、四日市のものづくりの幅広さを示す特徴のひとつです。

四日市市でいらこ(煎粉)の生産が盛んになった理由

四日市市でいらこ(煎粉)の生産が盛んになった背景には、地域の産業構造や気候、製法上の工夫が関係しています。いらこは完成品として目立つ食品ではありませんが、おこしやあられ、フライ菓子などの原料として使われる菓子種であり、四日市市の地場産業として発展してきました。ここでは、四日市市でいらこの生産が盛んになった理由を解説します。

天ヶ須賀周辺で生産が広がった

四日市市でいらこの生産が盛んになった大きな理由のひとつが、天ヶ須賀周辺で生産が広がったことです。天ヶ須賀は四日市市北部に位置する地域で、いらこの主な生産地として知られています。

大正末期には、天ヶ須賀を中心に周辺地区でもいらこの生産加工が行われていました。地域内で生産する人が増えたことで、技術や知識が共有され、いらこづくりが地場産業として定着していったと考えられます。

農業などの副業として発展した

いらこは、もともと農業などの副業として生産加工が行われていました。農業だけに頼るのではなく、米などを加工して菓子原料を作ることで、地域の暮らしを支える産業として広がっていったのです。

副業として取り組みやすい加工業であったことは、いらこ生産が地域に根付いた大きな要因です。家庭や小規模な生産者が関わりやすかったことで、天ヶ須賀周辺に広く普及し、四日市市の地場産業として成長していきました。

浜風や鈴鹿おろしを活かせた

いらこの製造では、乾燥の工程が重要です。天ヶ須賀地域では、浜風や鈴鹿おろしが吹く気候を天日乾燥に活かすことができました。乾燥状態は、いらこの見た目や品質に関わるため、風を利用できる環境は生産上の大きな強みとなります。

一定量の原料をどれだけ大きく膨らませ、美しく乾燥させるかが商売のポイントだったため、気候条件を活かせる地域であることは、いらこ生産の発展に直結しました。四日市市の自然環境が、地場産業の成長を支えていたといえるでしょう。

海水を使った製法が研究された

天ヶ須賀地域では、いらこを膨らませる技術として海水に浸す方法が研究されました。海水を使うことで、安価でありながら、同じ量の原料米からより多く生産できる利点がありました。

この製法上の工夫により、天ヶ須賀の業者は他地域よりも有利に生産できるようになりました。単に気候に恵まれていただけでなく、地域の環境を活かした技術改良が行われたことが、いらこ生産を盛んにした重要な理由です。

機械化によって生産体制が拡大した

戦時中はいらこの生産が途絶えましたが、戦後に再開され、原料や製品を変えながら事業の機械化と拡大化が進みました。かつては米を原料としていましたが、時代とともに小麦粉や澱粉へと変化し、生産方法もより効率的なものへと発展していきました。

機械化が進んだことで、安定した生産がしやすくなり、いらこは四日市市の地場産業として継続されてきました。伝統的な製法の背景を持ちながらも、時代に合わせて変化してきたことが、生産の継続につながっています。

いらこ(煎粉)が四日市の地場産業として重要な理由

出典:photo ACより

いらこ(煎粉)は、完成品として店頭で目立つ商品ではありませんが、四日市の地場産業を考えるうえで重要な存在です。これまで四日市市では、萬古焼やコンビナートなどが注目されることが多い一方で、いらこのように食品原料を支える産業も地域のものづくりを形づくってきました。ここでは、既に紹介した生産が盛んな理由とは別の視点から、いらこが四日市の地場産業として重要な理由を解説します。

菓子産業を下支えしている

いらこは、おこしやあられ、フライ菓子などに使われる菓子原料です。消費者が商品を手に取るときに「いらこ」という名前を意識する機会は少ないものの、菓子の食感や仕上がりを支える材料として欠かせない役割を持っています。

地場産業というと、完成品のブランド力に注目されがちですが、原料や中間素材を安定して供給する産業も非常に重要です。いらこは、四日市が表に出にくい部分で食品産業を支えてきたことを示す存在といえるでしょう。

四日市のものづくりの幅広さを示している

四日市市は工業都市として知られていますが、ものづくりの対象は化学製品や機械類だけではありません。いらこのような食品原料の生産も行われてきたことで、四日市の産業が多面的に発展してきたことがわかります。

コンビナートや萬古焼のような有名な産業とは異なり、いらこは知名度こそ高くありません。しかし、こうした産業があることで、四日市市が多様な分野でものづくりを行ってきた地域であることを伝えられます。

地域の暮らしと結びついて発展してきた

いらこは、大規模な工場だけで突然生まれた産業ではなく、地域の暮らしと結びつきながら発展してきた点に価値があります。農業などの生活基盤と関わりながら生産が広がってきた背景があり、地域の人々の働き方や暮らしを支えてきました。

地場産業の重要性は、単に生産量が多いことだけではありません。その地域で人々がどのように働き、どのように産業を育ててきたのかを伝える点にもあります。いらこは、四日市の地域産業の歩みを知るうえで重要な手がかりになるでしょう。

地域の歴史を伝える産業である

いらこは、四日市の一部地域で長く生産されてきた食品原料であり、地域の歴史を伝える産業でもあります。現在は完成品として目立つ存在ではないため、知らない人も多いかもしれませんが、地場産業として見れば、四日市の産業史を語るうえで外せない要素のひとつです。

地域に根づいた産業は、その土地の気候や環境、人々の工夫によって形づくられてきました。いらこの歴史を知ることで、四日市の産業がどのように広がり、受け継がれてきたのかをより深く理解できます。

次世代に伝えたい地域資源である

いらこは、普段の生活で名前を聞く機会が少ないからこそ、地域資源として伝えていく価値があります。生産高が高いものや地元で長く続いてきた産業は、地域の特色を知るきっかけになります。

四日市の魅力は、有名な観光地や大規模な工業地帯だけではありません。いらこのように、身近なお菓子を支える食品原料の産業にも、地域ならではの個性があります。こうした産業を知ることは、四日市の新たな魅力を再発見することにもつながるでしょう。

いらこ(煎粉)とあわせて知りたい四日市の生産高1位のもの

四日市市には、いらこ(煎粉)以外にも全国的に高い生産高やシェアを持つものがあります。工業都市としてのイメージが強い四日市市ですが、食品原料や陶磁器、機械関連製品など、幅広い分野でものづくりが行われている点が特徴です。ここでは、いらことあわせて知っておきたい四日市市の代表的な生産品を紹介します。

萬古焼の土鍋

四日市市の生産品として特に有名なのが、萬古焼の土鍋です。四日市萬古焼は三重県を代表する伝統工芸のひとつであり、中でも土鍋は全国的に高いシェアを誇っています。萬古焼の土鍋は耐熱性に優れており、直火調理に使いやすい点が特徴です。

現在では、一般的な土鍋だけでなく、IH対応の土鍋やごはん鍋、陶板など、暮らしに合わせた商品も作られています。いらこが菓子づくりを支える食品原料であるのに対し、萬古焼の土鍋は家庭の食卓を支える四日市の代表的な地場産業といえるでしょう。

自動販売機関連製品

四日市市では、自動販売機関連製品の生産も盛んです。自動販売機は、冷却機能や商品管理機能、決済機能など、さまざまな技術が組み合わさった製品であり、製造には高い技術力が必要です。

四日市市内には自動販売機を製造する大規模な工場があり、全国で使われる自動販売機の供給を支えています。普段は街中で何気なく目にする自動販売機ですが、その製造拠点のひとつが四日市市にある点は、四日市のものづくりの幅広さを示しています。

シュークリーム

四日市市は、シュークリームの生産でも全国的に大きな存在感を持っています。市内にはシュークリームやプリンなどを製造する食品メーカーの工場があり、単一工場として日本有数の生産量を誇ります。

シュークリームは、スーパーやコンビニなどで購入しやすい身近なお菓子です。四日市市で作られたシュークリームが全国へ出荷されていることから、食品製造の分野でも四日市市が重要な役割を担っていることがわかるでしょう。

紙おむつに使われる不織布

四日市市では、紙おむつに使われる不織布も生産されています。不織布は、紙おむつのほか、衛生用品や医療用品、生活用品などにも使われる重要な素材です。完成品として目立つ存在ではありませんが、日常生活を支える素材として欠かせません。

不織布のような素材産業は、製品そのものよりも裏側で生活を支える役割を持っています。いらこが菓子づくりの土台となる原料であるように、不織布も生活用品の品質や使いやすさを支える素材です。四日市市では、こうした中間素材の生産も重要な産業として根づいています。

かぶせ茶

四日市市は、かぶせ茶の産地としても知られる地域です。かぶせ茶は、茶葉に覆いをかけて育てることで、旨みや香りを引き出すお茶です。渋みが抑えられ、まろやかな味わいを楽しめる点が特徴です。

工業製品や食品加工品の印象が強い四日市市ですが、農産物の分野でも特色があります。かぶせ茶は、四日市の自然環境や農業の魅力を伝える存在であり、いらこやシュークリームとは異なる形で地域の食文化を支えています。

参考:四日市の日本一|四日市市

いらこ(煎粉)は四日市の菓子文化とものづくりを支える地場産業

いらこ(煎粉)は、米などを加工して作られる菓子原料であり、おこしやあられ、フライ菓子などに使われる素材です。完成品として店頭で目立つ商品ではありませんが、菓子の軽い食感や香ばしさを生み出すうえで欠かせない役割を有しています。普段は意識されにくい存在でありながら、全国の菓子づくりを支える重要な原料といえるでしょう。

いらこ(煎粉)を知ることは、四日市の新たな一面を知ることにもつながります。身近なお菓子の裏側にある地場産業として、いらこはこれからも次世代に伝えていく必要があります。

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