三重県は本当に住みやすい気候?四日市・桑名・津・南伊勢・尾鷲を5年分データで徹底比較

「三重県は温暖で住みやすい」とよく言われますが、本当にそうなのでしょうか?

雪はどれくらい降るのか。夏は名古屋より暑いのか。台風や大雨は多いのか――
移住を検討するうえで、気候は生活の安心感に直結する重要なポイントです。

実は三重県は、北から南まで南北に長い地形をしており、地域によって気候の特徴が大きく異なります。

北勢エリアと東紀州エリアでは、年間の降水量や冬の冷え込みに大きな差があります。

そこで本記事では、過去5年間(2021年〜2025年)の気象データをもとに、以下の5市町を比較します。

  • 四日市市
  • 桑名市
  • 津市
  • 南伊勢町(伊勢エリア代表)
  • 尾鷲市

単なる数字の比較ではなく、「実際の暮らしにどう影響するのか」という移住者目線で解説していきます。

三重県は本当に住みやすい気候なのか?北と南でどれほど違うのか?
データから、リアルな姿を見ていきましょう!

三重県は“縦に長い県”だから気候差が大きい

本記事で比較する5市町の位置関係

三重県の気候を語るうえで欠かせないのが、三重県県の地形です。

三重県は南北に約170km以上にわたって広がる細長い県で、北は愛知・岐阜に接し、南は和歌山県へと続いています。

西側には鈴鹿山脈や紀伊山地が連なり、東側は伊勢湾や熊野灘に面しています。この地形が、地域ごとの気候差を生み出しています。

例えば北勢エリアに位置する四日市市や桑名市は、名古屋に近く、内陸の影響も受けやすいため、夏は暑く冬は冷え込みやすい傾向があります。冬場は寒気の影響を受けると雪が舞うこともあります。

一方、南勢エリアの伊勢市は比較的温暖で、冬でも極端な冷え込みは少なめです。

さらに南下した東紀州の尾鷲市は、黒潮の影響を受ける海洋性気候で、年間を通じて降水量が非常に多い地域として知られています。

県庁所在地である津市は、ちょうど中間に位置し、北と南の特徴をあわせ持つバランス型の気候といえるでしょう。

このように、「三重県の気候」と一括りにするのは少し乱暴です。どの地域に住むかによって、体感温度も降水量も大きく変わります。

次の章では、まず年間データを比較し、全体像を整理していきます。

まずは年間データで全体像を比較

三重県の気候差を把握するため、まずは過去5年間(2021〜2025年)の年間平均値をもとに、5市町の傾向を整理します。

比較対象は以下の地域です。

  • 四日市市
  • 桑名市
  • 津市
  • 南伊勢町(伊勢エリア代表)
  • 尾鷲市

※伊勢エリアについては、気象庁観測地点である南伊勢町のデータを使用しています。地理的条件が近いため、南勢地域の傾向を把握する代表値として扱っています。

まずは「年間平均気温」と「年間降水量」という2つの軸から、全体像を見ていきましょう。

年間平均気温の比較|実は年間平均は大きく変わらない

四日市桑名南伊勢尾鷲
2021年15.9℃16.5℃16.9℃16.6℃17.1℃
2022年15.8℃16.8℃16.9℃16.4℃17.0℃
2023年16.4℃17.5℃17.4℃16.9℃17.6℃
2024年16.8℃17.9℃17.8℃17.5℃18.0℃
2025年16.4℃17.5℃17.4℃17.0℃17.4℃
5年平均16.2℃17.2℃17.3℃16.9℃17.4℃
年間平均気温の比較(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

過去5年間(2021〜2025年)の年間平均気温を比較すると、5市町の差はおおよそ1℃前後に収まっています。

最も低い四日市市と、最も高い尾鷲市を比べても、その差は1.2℃程度です。

桑名市や津市、南伊勢町も大きな開きはなく、「三重県内で極端な気温差はない」という印象を受けるかもしれません。

実際、「三重県は温暖」と言われるのは、この年間平均気温が比較的高めで安定していることが理由の一つです。

全国的に見ても、極端な寒冷地ではなく、年間を通して比較的過ごしやすい気候に分類されます。

しかし、ここで注意したいのが“平均値の落とし穴”です。

年間平均気温は、真夏の猛暑日も真冬の冷え込みもすべてならした数値です。つまり、「実際の暮らしの体感」をそのまま表しているわけではありません

移住を考えるうえで重要なのは、

  • 冬はどれくらい冷え込むのか
  • 夏はどれくらい暑くなるのか
  • その振れ幅(寒暖差)はどれくらいあるのか

といった“気温の上下幅”です。

例えば、北勢エリアの四日市市や桑名市は、内陸の影響を受けやすく、夏は気温が上がりやすい一方で、冬は冷え込みやすい傾向があります。年間平均では大きな差が見えなくても、季節ごとの振れ幅は比較的大きめです。

一方、海に近い南伊勢町や尾鷲市は、海洋性気候の影響を受けやすく、冬の冷え込みが比較的穏やかで、寒暖差もやや小さい傾向があります。

津市はその中間に位置し、極端な暑さ・寒さが出にくいバランス型と言えるでしょう。

このように、年間平均気温だけを見ると三重県内の差は大きくありません。しかし、実際の暮らしやすさを左右するのは、季節ごとの気温変動です。

年間降水量の比較|三重県は“雨が多い県”?

四日市桑名南伊勢尾鷲
2021年2,004mm1,726mm1,840mm3,083mm4,486mm
2022年1,953mm1,691mm1,788mm3,043mm4,431mm
2023年1,896mm1,659mm1,726mm2,956mm4,330mm
2024年1,769mm1,545mm1,621mm2,682mm3,940mm
2025年1,710mm1,469mm1,592mm2,641mm3,915mm
5年平均1,866mm1,618mm1,713mm2,881mm4,220mm
年間降水量の比較(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

次に注目したいのが年間降水量です。

ここで最も特徴的なのが尾鷲市です。尾鷲市は全国的にも降水量が多い地域として知られており、他の4市町と比較すると年間降水量に明確な差が出ます。(尾鷲市は、アメダス観測地点の中で第4位の降水量を誇る)

同じ三重県内でも、

  • 北勢(四日市・桑名)、津市は比較的安定型
  • 南伊勢・尾鷲は多雨傾向

という構図になります。

この違いは、単なる数字の差ではありません。

年間降水量が多い地域では、

  • 洗濯物の外干し日数
  • カビ・湿気対策
  • 住宅の通気設計
  • 外構や排水計画

といった“暮らしの工夫”が大切になります。

一方、降水量が比較的安定している北勢エリアは、天候に左右されにくい生活リズムを組みやすいというメリットがあります。

年間データから見える5市のタイプ分類

ここまでの年間平均気温・年間降水量を整理すると、5市町はおおよそ次のように分類できます。

■ 都市型・寒暖差ありタイプ
→ 四日市市
→ 桑名市

■ バランス型
→ 津市

■ 温暖・やや多雨タイプ
→ 南伊勢町

■ 温暖・多雨突出タイプ
→ 尾鷲市

この時点で分かるのは、「三重県は温暖」というイメージは間違いではないものの、すべての地域に当てはまるわけではないということです。

特に移住検討者にとって重要なのは、

  • 冬の冷え込み
  • 夏の体感温度
  • 雨の多さ

この3点です。

次章では、月別データをもとに、より具体的な「暮らしのリアル」を見ていきます。

月別データで見るリアルな暮らし

年間平均では見えにくかった違いも、月別に分解すると地域ごとの個性がはっきりと見えてきます。

同じ三重県内でも、

  • 春の寒暖差
  • 夏の蒸し暑さ
  • 秋の台風影響
  • 冬の冷え込みや雪

には、想像以上の差があります。

ここでは、四日市・桑名・津・南伊勢・尾鷲の5市町を比較しながら、季節ごとの「暮らしのリアル」を整理していきます。

春(3〜5月)|寒暖差と花粉の季節

四日市桑名南伊勢尾鷲
3月10.0℃10.7℃10.6℃11.1℃12.1℃
4月14.9℃15.8℃15.6℃15.4℃16.0℃
5月18.4℃19.4℃19.2℃18.5℃19.1℃
3〜5月平均14.4℃15.3℃15.2℃15.0℃15.7℃
3→5月寒暖差+8.4℃+8.7℃+8.6℃+7.4℃+7.0℃
月別平均気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

春の三重県は、気温が一気に上昇する“変化の大きい季節”です。

3月の平均気温は10〜12℃台ですが、5月には18〜19℃台まで上がります。3か月の間に約7〜9℃も上昇しており、短期間で体感が大きく変わるのが特徴です。

特に北勢エリアでは、3月から5月にかけての寒暖差が8℃台と大きく、春の進み方が急激です。一方、南伊勢や尾鷲は寒暖差がやや小さく、比較的穏やかに春が進みます。

数字だけを見ると大きな違いはありませんが、朝晩の冷え込みや日中との気温差は体感に影響します。春は「暖かくなる季節」であると同時に、「寒暖差に注意が必要な季節」でもあります。

ここからは、月ごとの特徴を詳しく見ていきます。

地域3月
平均気温
3月
最高気温
3月
最低気温
3月
差(最高ー最低)
四日市10.0℃15.5℃4.7℃10.9℃
桑名10.7℃16.0℃6.1℃9.9℃
10.6℃15.1℃6.7℃8.3℃
南伊勢11.1℃16.4℃6.2℃10.2℃
尾鷲12.1℃17.6℃7.1℃10.5℃
3月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

3月の三重県は、数字以上に“寒暖差”を感じやすい時期です。平均気温は10〜12℃台とまだ肌寒さが残りますが、日中は15〜17℃台まで上がり、春らしさを感じる日も増えてきます。

特に尾鷲は平均12.1℃とやや高めで、最高気温も17.6℃まで上がります。一方、四日市は平均10.0℃と低めで、最低気温は4.7℃まで下がります。

北勢エリアでは朝晩の冷え込みがはっきりしており、冬の延長のように感じる日もあります。

寒暖差は、四日市は10.9℃、南伊勢は10.2℃、尾鷲は10.5℃と、10℃前後の差があります。日中はコートが不要でも、朝晩は厚手の上着が必要になるなど、服装選びに悩みやすい月です。

3月は「春の入り口」であると同時に、「冬と春が混在する月」でもあります。移住を考えるなら、日中の暖かさだけでなく、朝晩の冷え込みを前提にした生活イメージを持っておくと安心です。

地域4月
平均気温
4月
最高気温
4月
最低気温
4月
差(最高ー最低)
四日市14.9℃20.3℃9.7℃10.7℃
桑名15.8℃21.1℃11.3℃9.8℃
15.6℃20.0℃11.8℃8.1℃
南伊勢15.4℃20.6℃11.0℃9.6℃
尾鷲16.0℃21.0℃11.3℃9.7℃
4月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

4月になると、三重県は本格的な春の陽気になります。平均気温は14〜16℃台まで上がり、日中は20℃前後と過ごしやすい日が増えます。

最高気温は各地で20〜21℃台まで上昇し、特に桑名(21.1℃)や尾鷲(21.0℃)では、日中は上着がいらないほど暖かくなる日もあります。

一方で、最低気温は9〜11℃台にとどまり、朝晩はまだひんやりと感じる時間帯があります。

注目したいのは、寒暖差です。四日市では10.7℃と差が大きく、日中と朝晩の体感差がはっきりしています。津は8.1℃とやや小さめで、比較的安定した気候と言えます。

4月は「春らしく快適な時期」ではありますが、昼と夜の温度差には注意が必要です。移住を考える場合も、日中の暖かさだけでなく、朝晩の冷え込みを前提にした服装や住環境を意識しておくと安心です。

地域5月
平均気温
5月
最高気温
5月
最低気温
5月
差(最高ー最低)
四日市18.4℃23.5℃13.5℃10.0℃
桑名19.4℃24.5℃15.2℃9.4℃
19.2℃23.4℃15.5℃7.9℃
南伊勢18.5℃23.4℃14.0℃9.4℃
尾鷲19.1℃23.8℃14.7℃9.1℃
5月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

5月になると、三重県は春というより“初夏”に近い気候になります。平均気温は18〜19℃台まで上がり、日中はかなり過ごしやすくなります。

最高気温は各地で23〜24℃台に達し、特に桑名は24.5℃と最も高めです。日中は半袖でも過ごせる日が増え、外出やレジャーには最適な季節と言えるでしょう。

一方で、最低気温は13〜15℃台にとどまり、朝晩はひんやり感じることがあります。四日市は13.5℃、南伊勢は14.0℃とやや低めで、日中との体感差が出やすい地域です。

寒暖差を見ると、四日市は10.0℃と大きく、尾鷲(9.1℃)や桑名(9.4℃)も差があります。反対に津は7.9℃と比較的小さく、気温が安定しやすい傾向です。

5月は「暖かくて快適」な一方で、地域によっては朝晩の冷え込みが残ります。移住を考える場合も、日中の暖かさだけで判断せず、羽織れる服や寝具など、寒暖差への備えをしておくと安心です。

夏(6〜8月)|猛暑と湿度のリアル

四日市桑名南伊勢尾鷲
6月22.6℃23.8℃23.6℃22.5℃22.8℃
7月27.2℃28.3℃28.4℃26.8℃27.2℃
8月27.9℃29.2℃29.0℃27.6℃27.9℃
6〜8月平均25.9℃27.1℃27.0℃25.7℃25.9℃
6→8月寒暖差+5.3℃+5.4℃+5.3℃+5.1℃+5.1℃
月別平均気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

6〜8月の平均気温を見ると、三重県内でも夏の体感には違いがあります。

桑名市や津市は平均気温が高めで、猛暑日が発生しやすい傾向があります。一方、南伊勢町や尾鷲市は気温はやや抑えめですが、湿度が高く蒸し暑さを感じやすい地域です。

三重県の夏は、北勢は「高温型」、南勢・東紀州は「湿度型」と言えます。

ここからは、6月・7月・8月の月別データを詳しく見ていきます。

地域6月
平均気温
6月
最高気温
6月
最低気温
6月
差(最高−最低)
四日市22.6℃27.2℃18.8℃8.4℃
桑名23.8℃28.3℃20.2℃8.1℃
23.6℃27.1℃20.5℃6.6℃
南伊勢22.5℃27.1℃18.8℃8.3℃
尾鷲22.8℃27.0℃19.2℃7.8℃
6月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

6月の平均気温は22〜23℃台で、夏の入口にあたります。

桑名市(23.8℃)や 津市(23.6℃)はやや高めで、最低気温も20℃前後と夜も蒸し暑さを感じやすい傾向があります。

一方、四日市市や南伊勢町は最低気温が18℃台で、朝晩はやや過ごしやすい日もあります。ただし梅雨の影響で湿度が高く、体感温度は実際の気温より高く感じやすいのが特徴です。

6月は猛暑というよりも、「湿気との戦い」がポイントになります。洗濯物の室内干しや除湿対策など、住まいの湿度管理が大切になります。

地域7月
平均気温
7月
最高気温
7月
最低気温
7月
差(最高−最低)
四日市27.2℃31.8℃23.7℃8.1℃
桑名28.3℃33.1℃24.9℃8.2℃
28.4℃32.1℃25.3℃6.8℃
南伊勢26.8℃31.4℃23.5℃7.9℃
尾鷲27.2℃31.6℃23.8℃7.8℃
7月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

7月に入ると、三重県内は一気に真夏モードへ移行します。平均気温は27〜28℃台まで上昇し、最高気温は各地で31〜33℃に達します。

特に桑名市は最高気温33.1℃と最も高く、津市も32.1℃まで上がります。名古屋に近い北勢エリアは、内陸型の暑さの影響を受けやすく、「とにかく日差しが強い」と感じる日が増えていきます

そして、ポイントは最低気温です。桑名は24.9℃、津は25.3℃と、夜でも気温が下がりにくく、熱帯夜になる可能性が高い水準です。エアコンなしでは寝苦しい夜が続く地域と言えるでしょう。

一方、南伊勢町や尾鷲市は平均気温がやや低めですが、湿度が高く、体感温度は実際の数値以上に感じやすい傾向があります。

7月は「気温の高さ」だけでなく、「夜の蒸し暑さ」が生活の快適さを左右します。移住を考えるなら、断熱性能やエアコンの効きやすさといった住宅環境も重要なポイントになります。

地域8月
平均気温
8月
最高気温
8月
最低気温
8月
差(最高−最低)
四日市27.9℃32.8℃24.4℃8.3℃
桑名29.2℃34.0℃25.8℃8.2℃
29.0℃32.7℃26.0℃6.8℃
南伊勢27.6℃32.2℃24.4℃7.8℃
尾鷲27.9℃32.4℃24.6℃7.8℃
8月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

8月は一年で最も暑さが厳しい時期です。平均気温は27〜29℃台まで上がり、最高気温は各地で32〜34℃に達します。

特に桑名市は最高気温34.0℃と最も高く、平均気温も29.2℃と突出しています。津市も平均29.0℃と高く、北勢・中勢エリアでは強い日差しと高温が続きやすい傾向があります。

そして、最低気温が津は26.0℃、桑名は25.8℃と、夜でも25℃を下回らない日が多く、熱帯夜が常態化しやすいのが特徴です。日中の暑さに加え、夜間も気温が下がらないため、体力を消耗しやすいのが8月の特徴です。

一方、南伊勢町や尾鷲市は平均気温がやや低めですが、湿度が高く、体感的には蒸し暑さが続きます。数値以上に「空気が重い」と感じる日も少なくありません。

8月は三重県全域で厳しい暑さとなりますが、北勢は“高温型”、南勢・東紀州は“湿度型”という違いが見えてきます。

秋(9〜11月)|台風と過ごしやすさ

四日市桑名南伊勢尾鷲
9月25.2℃26.5℃26.3℃25.3℃25.5℃
10月18.5℃19.7℃19.7℃19.4℃19.9℃
11月12.8℃13.8℃14.1℃14.1℃14.5℃
9〜11月平均18.8℃20.0℃20.0℃19.6℃20.0℃
9→11月
寒暖差
△12.4℃12.7℃12.2℃11.2℃11.0℃
月別平均気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

秋の三重県は、前半と後半で表情が大きく変わります。

9月は平均気温が25〜26℃台とまだ夏の名残があり、台風の影響を受けやすい時期です。特に南勢・東紀州エリアでは、進路によっては大雨になることもあります。

しかし10月に入ると気温は一気に20℃前後まで下がり、11月には12〜14℃台へと低下します。9月から11月にかけて約11〜13℃も下がるため、秋は“気温の落差”が大きい季節と言えます。

つまり三重県の秋は、

  • 9月=台風と残暑
  • 10月=最も快適な季節
  • 11月=一気に晩秋モード

という流れになります。

移住目線では、台風リスクとあわせて、短い“ベストシーズン”をどう楽しめるかがポイントになります。

地域9月
平均気温
9月
最高気温
9月
最低気温
9月
差(最高−最低)
四日市25.2℃29.8℃21.9℃7.9℃
桑名26.5℃31.1℃23.2℃7.9℃
26.3℃29.8℃23.5℃6.3℃
南伊勢25.3℃29.8℃22.2℃7.6℃
尾鷲25.5℃29.7℃22.5℃7.2℃
9月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

9月の三重県は、まだ夏の延長のような気候です。平均気温は25〜26℃台と高く、最高気温は29〜31℃に達します。特に桑名は31.1℃と高く、真夏日に近い暑さが続く日もあります。

最低気温も21〜23℃台で、夜も蒸し暑さが残ります。寒暖差は6〜8℃程度と比較的安定していますが、日中はまだ暑さを感じやすい時期です。

また、9月は台風シーズンでもあります。南伊勢や尾鷲など太平洋側の地域では、大雨の影響を受ける可能性があります。気温だけでなく、降水量への備えも意識しておきたい季節です。

地域10月
平均気温
10月
最高気温
10月
最低気温
10月
差(最高−最低)
四日市18.5℃23.5℃14.3℃9.1℃
桑名19.7℃24.5℃16.0℃8.5℃
19.7℃23.4℃16.5℃6.9℃
南伊勢19.4℃23.9℃15.9℃8.0℃
尾鷲19.9℃24.6℃16.1℃8.5℃
10月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

10月になると、三重県は一気に秋らしい気候へと移ります。平均気温は18〜19℃台まで下がり、日中の最高気温も23〜24℃前後と快適な水準になります。

特に大きな特徴は、湿度が下がり、空気がカラッとすることです。夏の蒸し暑さは落ち着き、屋外活動がしやすい時期になります。

北勢・中勢・南勢いずれの地域でも、体感差は比較的小さく、「どこに住んでいても快適」と感じやすい季節です。

ただし、朝晩は14〜16℃台まで下がり、寒暖差は7〜9℃程度あります。日中は長袖1枚で過ごせても、夜は羽織り物が必要になる日もあります。

10月は三重県の“ベストシーズン”とも言える時期です。移住を検討するなら、気候面では最も安定し、暮らしやすさを実感しやすいタイミングと言えるでしょう。

地域11月
平均気温
11月
最高気温
11月
最低気温
11月
差(最高−最低)
四日市12.8℃18.2℃8.1℃10.2℃
桑名13.8℃18.9℃9.7℃9.2℃
14.1℃18.2℃10.4℃7.8℃
南伊勢14.1℃19.0℃9.7℃9.3℃
尾鷲14.5℃20.1℃9.9℃10.2℃
11月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

11月になると、三重県は一気に晩秋の気候へと移ります。平均気温は12〜14℃台まで下がり、日中の最高気温も18〜20℃程度と、上着が必要な日が増えてきます。

特に注目したいのは、最低気温です。四日市では8.1℃まで下がり、北勢エリアでは朝晩の冷え込みがはっきりしてきます。寒暖差も7〜10℃程度と大きく、昼間は穏やかでも夜は冷える日が多くなります。

一方、尾鷲や南伊勢はやや気温が高めで、最高気温も19〜20℃台を保ちますが、それでも秋の終わりを感じる涼しさです。

11月は空気が澄み、過ごしやすい日も多い一方で、冬への準備が始まる時期でもあります。

移住を考えるなら、暖房設備や断熱性能など、冬に向けた住環境を意識し始めるタイミングと言えるでしょう。

冬(12〜2月)|雪は降る?寒さは?

四日市桑名南伊勢尾鷲
12月7.0℃7.8℃8.4℃8.2℃9.0℃
1月4.7℃5.3℃6.0℃6.3℃7.0℃
2月5.6℃6.3℃6.6℃7.0℃8.0℃
12〜2月平均5.8℃6.5℃7.0℃7.2℃8.0℃
12→2月
寒暖差
1.4℃1.5℃1.8℃1.2℃1.0℃
月別平均気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

三重県は「比較的温暖」と言われますが、冬の平均気温を見ると、地域によって体感は大きく異なります

1月の平均気温は、四日市で4.7℃、桑名で5.3℃と、北勢エリアでは5℃前後まで下がります。一方、尾鷲は7.0℃とやや高めで、南へ行くほど冷え込みは穏やかです。

12〜2月平均で見ると、北勢は5〜6℃台、南勢・東紀州は7〜8℃台となり、同じ三重県内でも約2℃以上の差があります。数字上は小さく見えても、朝晩の冷え込みや体感温度には違いが出ます。

では、雪はどの程度降るのでしょうか?
次に、最低気温や寒暖差の観点から、冬のリアルな体感を見ていきます。

地域12月
平均気温
12月
最高気温
12月
最低気温
12月
差(最高−最低)
四日市7.0℃12.3℃2.4℃9.9℃
桑名7.8℃12.5℃3.9℃8.6℃
8.4℃12.5℃4.8℃7.8℃
南伊勢8.2℃13.3℃3.5℃9.7℃
尾鷲9.0℃14.6℃4.3℃10.3℃
12月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

12月に入ると、三重県は本格的な冬の気候へと移ります。平均気温は7〜9℃台まで下がり、特に四日市市では7.0℃と冷え込みが目立ちます

最低気温を見ると、四日市は2.4℃まで下がり、北勢エリアでは朝晩の冷え込みがはっきりしてきます。桑名も3.9℃と低く、日中との寒暖差は8〜10℃程度と大きめです。

一方、尾鷲市は平均9.0℃、最高気温14.6℃とやや温暖ですが、それでも朝晩は4℃台まで下がります。南勢・東紀州でも冬の空気を感じる時期です。

12月はまだ積雪の心配は少ないものの、寒暖差が大きく、ヒートショック対策や暖房設備の確認が重要になります。三重県は「雪が少ない」と言われますが、寒さそのものは確実にやってきます

地域1月
平均気温
1月
最高気温
1月
最低気温
1月
差(最高−最低)
四日市4.7℃9.8℃0.2℃9.5℃
桑名5.3℃10.0℃1.6℃8.4℃
6.0℃10.0℃2.7℃7.4℃
南伊勢6.3℃11.0℃1.8℃9.1℃
尾鷲7.0℃12.5℃2.2℃10.3℃
1月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

1月は三重県で最も寒さが厳しい月です。平均気温は4〜7℃台まで下がり、北勢エリアの四日市市では4.7℃と、冬らしい冷え込みになります。

また、最低気温は、四日市は0.2℃と氷点近くまで下がり、桑名でも1.6℃と冷え込みます。寒気の影響を受けると、北勢では積雪することもあります

一方、南勢・東紀州の南伊勢町や尾鷲市は平均気温がやや高めで、最高気温も11〜12℃台まで上がります。ただし朝は2℃前後まで下がり、油断はできません。

1月は日中と朝晩の寒暖差も8〜10℃程度あり、体感的な冷え込みが強まります。

移住を考えるなら、断熱性能や暖房環境、車の凍結対策などを意識しておきたい時期です。

地域2月
平均気温
2月
最高気温
2月
最低気温
2月
差(最高−最低)
四日市5.6℃10.9℃1.0℃9.9℃
桑名6.3℃11.2℃2.4℃8.8℃
6.6℃10.9℃3.2℃7.7℃
南伊勢7.0℃11.9℃2.6℃9.3℃
尾鷲8.0℃13.4℃3.1℃10.2℃
2月気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

2月は依然として寒い時期ですが、1月の底冷えからはわずかに持ち直す傾向があります。平均気温は5〜8℃台で、北勢の四日市市は5.6℃、南の尾鷲市は8.0℃と、南北で約2℃以上の差があります。

最低気温は四日市で1.0℃、桑名で2.4℃と、朝晩は依然として厳しい冷え込みです。寒気の影響次第では、北勢エリアで雪が降る可能性もあります。

一方、尾鷲や南伊勢は比較的穏やかで、最高気温は12〜13℃台まで上がる日もあります。

寒暖差は8〜10℃程度と大きく、日中は日差しで暖かく感じても、朝晩は冷え込みます。

2月は「冬の名残」と「春の気配」が混在する時期であり、暖房はまだ必要ですが、徐々に過ごしやすい日も増えていきます。

移住を考えるなら、北勢では凍結や雪への備え、南勢では寒さ対策をしつつも比較的穏やかな冬を想定できる、といった地域差を意識しておくとよいでしょう。

北と南、ここまで違う|代表的な差をグラフで解説

ここまで月別データを見てきましたが、三重県の気候差をより直感的に理解するには「代表的な地域同士を比較する」とより分かりやすいです。

同じ県内でも、北勢と東紀州では降水量が大きく異なり、冬の冷え込みにも明確な差があります。数字を並べるだけでは見えにくい違いも、グラフで可視化すると一目瞭然です。

ここでは、

  • 多雨地域の代表である尾鷲と北勢の四日市の降水量
  • 南勢(伊勢エリア)と北勢の冬の最低気温

を整理しながら、三重県の“地域差のリアル”を解説していきます。

尾鷲と四日市の降水量比較│尾鷲は四日市の2倍

各月降水量の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

三重県内で最も分かりやすい気候差のひとつが、降水量の違いです。代表例として、東紀州の尾鷲市と、北勢の四日市市を比較してみましょう。

5年平均の年間降水量は、尾鷲が4,220mm、四日市が1,866mmです。その差は2,000mm以上あり、尾鷲は四日市の約2倍以上の雨が降っている計算になります。

月別の降水量を見ると、その違いがさらに明確になります。特に梅雨や台風シーズンでは、尾鷲の降水量が大きく跳ね上がる傾向があり、北勢との開きが広がります。

尾鷲は熊野灘に面し、湿った空気が紀伊山地にぶつかる地形的特徴から、全国的にも有数の多雨地域として知られているのです。

一方、四日市は伊勢湾側に位置し、比較的降水量は安定しています。

この差は、暮らしに直接影響します。

  • 洗濯物を外干しできる日数
  • 湿気・カビ対策の重要度
  • 住宅の通気性や断熱設計
  • 土地選び(排水・ハザードリスク)

尾鷲では「雨が多い前提」で住環境を整える必要がありますが、四日市では天候に左右されにくい生活リズムを組みやすい傾向があります。

「三重県は雨が多い」という印象は間違いではありませんが、それは主に南部・東紀州エリアの特徴です。同じ県内でも、北と南ではここまで差があることを理解しておくことが大切です。

伊勢と四日市の冬の最低気温比較

11~3月最低気温の比較(2021~2025年の5年平均)(出典:気象庁「過去の気象データ検索」

冬の体感差が最も分かりやすく表れるのが「最低気温」です。ここでは、南勢エリアの代表である南伊勢町(伊勢エリア代表)と、北勢の四日市市を比較します。

1月の最低気温を見ると、四日市は0.2℃まで下がるのに対し、南伊勢は1.8℃です。差は1〜2℃程度ですが、氷点近くまで下がるかどうかは体感に大きく影響します。

四日市では放射冷却の影響もあり、霜や路面凍結が発生する日も想定されます。

2月も同様に、四日市は1.0℃、南伊勢は2.6℃と、四日市のほうが低めです。日中の最高気温はどちらも10℃前後まで上がりますが、朝晩の冷え込みの強さには差があります。

この違いは、暖房の使用時間や光熱費、車の凍結対策、ヒートショックへの備えなど、暮らしの準備が変わってくるため、移住を検討する際は留意しておきましょう。

移住者目線で見るおすすめエリア

ここまで、三重県内5地域の気温や降水量をデータで比較してきました。数字を並べると違いは明確ですが、移住を考えるうえで大切なのは「自分の価値観に合うかどうか」です。

雪が心配な人もいれば、猛暑が苦手な人もいます。洗濯物を外干ししたい人もいれば、湿度の低さを重視する人もいるでしょう。

三重県は“温暖な県”と言われますが、実際には地域ごとに個性があります。

ここでは、これまでのデータをもとに、目的別におすすめエリアを整理していきます。自分に合った気候条件を見つけるヒントとして参考にしてください。

雪が不安な人に向いているエリア

「雪道の運転が不安」「スタッドレスタイヤはできれば使いたくない」という人には、南勢・東紀州エリアが向いています

特に、南伊勢町や尾鷲市は、冬の最低気温が比較的高く、積雪の可能性は北勢より低めです。もちろん寒波の影響で冷え込む日はありますが、氷点下近くまで下がる頻度は四日市より少ない傾向があります。

一方、四日市市では寒気の影響を受けると雪が舞うこともあり、路面凍結への備えが必要になる場合があります。雪リスクを最小限にしたいなら、南寄りのエリアを検討すると安心です。

暑さが苦手な人に向いているエリア

真夏の猛暑が苦手な人は、海洋性気候の影響を受けやすい南勢・東紀州エリアを検討するとよいでしょう。

尾鷲市や南伊勢町は、平均最高気温が北勢より低めで、極端な内陸型の暑さになりにくい傾向があります。

一方、四日市市や桑名市は名古屋に近い気候特性を持ち、猛暑日が発生しやすいエリアです。気温重視で選ぶなら、南側の地域が候補になります。

雨が少ないエリアを選びたいなら?

降水量の違いは、三重県内で最もはっきりした地域差のひとつです。

年間降水量が突出して多い尾鷲市と比べると、四日市市は約半分程度の降水量にとどまります。

「洗濯物を外干ししたい」「湿気やカビをできるだけ避けたい」という人には、北勢エリアの方が生活リズムを作りやすいでしょう。

その点、南勢・東紀州は雨の多さを前提にした住まいづくりが必要になります。

バランス重視なら?

「雪はほどほど、暑さも極端でなく、雨もそこまで多くない地域がいい」という人には、津市が有力候補になります。

津は三重県の中央に位置し、北と南の中間的な気候を持っています。寒暖差は比較的穏やかで、降水量も尾鷲ほど多くはありません。

気候だけでなく、交通利便性や生活インフラとのバランスを考えると、「極端さが少ない」という点は大きなメリットです。

まとめ│三重県の気候は「穏やかだが一様ではない」

三重県は「温暖で住みやすい」と言われることが多い県です。実際に年間平均気温を見ると、極端に寒い・暑いという地域は少なく、全国的に見れば比較的穏やかな気候と言えます。

しかし、今回データを詳しく見てきたように、県内の地域差は想像以上に大きいのが特徴です。

東紀州の尾鷲市は全国有数の多雨地域であり、北勢の四日市市は冬に氷点近くまで下がることがあります。南勢の南伊勢町は比較的温暖ですが、湿度が高く蒸し暑さを感じやすい傾向があります。

つまり三重県は、「穏やか」ではあるものの「一様ではない」県です。

  • 雪を避けたいのか
  • 猛暑を避けたいのか
  • 雨の少なさを重視するのか
  • バランスを取りたいのか

重視するポイントによって、選ぶべきエリアは変わります。

移住で後悔しないためには、「三重県」という大きなくくりではなく、「どの地域か」まで具体的に見ていくことが大切です。

気候は、日々の暮らしに直結する要素です。今回のデータが、エリア選びのヒントになれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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