三重県は、豊かな自然と歴史的な背景を持つ土地柄から、多くのアニメや漫画の舞台として描かれてきました。伊勢神宮や熊野古道などの観光名所を有する一方で、海や山、街並みといった多彩な風景が作品の世界観を彩る重要な舞台背景として活用されています。
特にアニメファンの間では、物語に登場する実在の場所を巡る「聖地巡礼」が人気を集めており、三重県でも数多くの聖地が巡礼の対象となっています。本記事では、三重県が舞台となったアニメ・漫画10作品を厳選して紹介するとともに、聖地巡礼を行う際のポイントや注意点についても詳しく解説します。
作品の世界観をより深く味わいたい方や、旅の新たな楽しみを見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
三重県が舞台のアニメ・漫画10選

三重県が舞台のアニメや漫画は数多くあります。ここでは、三重県が舞台のアニメや漫画について詳しく解説します。ぜひ、チェックしてみてください
凪のあすから
『凪のあすから』は、架空の海村「汐鹿生」を舞台としたファンタジー作品で、実在の三重県熊野市がモデルとなっています。透き通るような海と自然あふれる風景描写が特徴で、物語の情緒的な雰囲気と相まって、舞台となった熊野の美しさが印象深い作品です。
作品中では、海の民と陸の民という対立構造が描かれ、少年少女たちの成長や恋愛模様が繊細に綴られています。聖地巡礼地として熊野市周辺を訪れるファンも多く、地域振興にも一役買っている作品です。
バジリスク 〜甲賀忍法帖〜
『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』は、山田風太郎の小説を原作とした忍者アクション作品です。舞台は伊賀と甲賀の両忍者の対立が中心で、三重県伊賀市がその舞台となっています。伊賀市はかつて伊賀忍者の里として知られ、作品の背景にある歴史や地理的特徴も伊賀の魅力を再発見させてくれます。
実在の「伊賀流忍者博物館」も作品ファンから注目を集めており、歴史とアニメの融合による新たな観光の形が生まれています。
半分の月がのぼる空
『半分の月がのぼる空』は、三重県伊勢市を舞台にした青春恋愛ストーリーです。伊勢赤十字病院がモデルとされ、入院生活を送る主人公と難病を抱えるヒロインの心の交流が描かれます。
静かで穏やかな伊勢の街並みが物語の繊細な雰囲気を支え、視聴者に深い余韻を与えます。伊勢神宮やおはらい町通りなど、作品に登場する地域も多く、聖地巡礼スポットとして知られる場所が多数存在します。
つうかあ
『つうかあ』は、サイドカーレースに挑む女子高生たちを描いた異色のモータースポーツアニメで、三重県鈴鹿市が舞台になっています。世界的に有名な鈴鹿サーキットを彷彿とさせる描写が随所にあり、レース文化に親しんだ地域ならではの空気感がリアルに表現されています。
アニメを通じてサイドカーの魅力を伝えるだけでなく、地域のレース文化の啓蒙にも一役買った作品です。
capeta
『capeta(カペタ)』は、カートからF1を目指す少年の成長を描いたモータースポーツ漫画で、主人公・カペタがレースに挑む舞台の一つとして三重県鈴鹿サーキットが登場します。日本屈指のレースの聖地である鈴鹿サーキットは、リアルなレース描写と相まって作品の臨場感を高める役割を果たしています。
漫画の中で登場する細かなレーステクニックや鈴鹿の地形描写は、モータースポーツファンからも高く評価されています。
激走!ルーベンカイザー
1970年代に放送されたアニメ『激走!ルーベンカイザー』は、レースを題材にした作品で、作品内には三重県鈴鹿サーキットをモデルとしたような場所が登場します。
当時としては珍しいモータースポーツ中心の物語で、現代のアニメと比べると荒削りな部分もありますが、モータースポーツ文化をアニメで広める先駆け的な存在です。レトロアニメファンには根強い人気を誇る作品の一つです。
よろしくメカドック
車改造とレースをテーマにした『よろしくメカドック』では、三重県の鈴鹿サーキットが実名で登場し、主人公たちがレースに挑む重要な舞台として描かれています。
作品自体は関東が主な舞台ですが、鈴鹿でのレースシーンは視覚的にも大きなインパクトを残し、実際の鈴鹿サーキットの迫力をアニメで体感できる貴重なシーンとなっています。自動車チューニングとレースの魅力を存分に詰め込んだ作品です。
光が死んだ夏
『光が死んだ夏』は、三重県の山間部を舞台にしたミステリアスな青春ホラー作品です。作中には実在の地名こそ出てきませんが、三重県特有の山々と集落、静かな自然が作品の雰囲気に深みを加えています。
都市部とは異なる閉鎖的な環境と、そこに潜む謎が読者に強い没入感を与える点が特徴で、田舎町の空気感をリアルに表現する筆致が高く評価されています。
うさぎドロップ
『うさぎドロップ』は、30歳の独身男性が親戚の娘を引き取って育てるという物語で、三重県四日市市が舞台の一部となっています。都市部と自然がほどよく融合した四日市の街並みが、作品のあたたかく穏やかな雰囲気にマッチしています。
日常生活を丁寧に描いた作品であり、育児や家族の在り方に考えさせられる内容が多く、多くの読者の共感を呼んでいます。
クアドリフォリオ
『クアドリフォリオ』は、四つ葉のクローバーを意味するタイトルの通り、希望や再生をテーマにしたヒューマンドラマで、三重県の地方都市がモデルとされています。作品では自然豊かな風景や、昔ながらの街並みが繊細に描かれており、地元の人々との交流や心の再生が物語の中心に据えられています。
明確に場所は指定されていませんが、文脈や描写から三重県がモデルとなっていることがファンの間で知られています。
三重県で聖地巡礼する際のポイント

三重県は数多くのアニメや漫画の舞台に使われています。聖地巡礼をしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。ここでは、三重県で聖地巡礼する際のポイントについて紹介します。
事前に聖地の所在地とアクセス方法を確認する
三重県は広範囲にわたって自然や街並みが残る地域が多いため、アニメや漫画の舞台となった場所が交通の便の良いエリアにあるとは限りません。聖地巡礼を計画する際は、まずどの地域に作品の舞台があるかを明確に把握し、最寄駅やバス停、駐車場の有無などアクセス手段を事前に確認しておくことが重要です。
特に地方エリアでは、公共交通機関の本数が少ない場合があるため、レンタカーの利用も視野に入れるとスムーズに巡礼できます。
作品に登場する場所を地図で把握しよう
作品によっては、舞台となった場所が点在していることもあります。効率よく巡るためには、事前に登場シーンと実際の場所を照らし合わせて、巡礼ルートを地図上で整理しておくと安心です。
Googleマップなどのツールを活用して、ルートをカスタマイズしたり、訪問順を決めたりすることで、移動時間や交通費を最小限に抑えることができます。
現地のルールやマナーを守る
聖地巡礼では、一般の住民が生活しているエリアに足を運ぶこともあります。特に住宅街や公共施設を訪れる際には、大声での会話や無断撮影、私有地への立ち入りなどを避け、迷惑をかけないよう配慮が必要です。また、神社仏閣や文化財が登場する場合は、施設側の撮影・参拝ルールを尊重しましょう。
アニメファンのマナーが良いと、地元に受け入れられやすくなり、地域との良好な関係を築くことにもつながります。
地元の観光スポットやグルメと組み合わせて楽しむ
聖地巡礼は、作品の舞台を巡るだけでなく、その地域の観光資源も楽しむ絶好の機会です。例えば伊勢市なら伊勢神宮やおかげ横丁、熊野市なら熊野古道や温泉などがあります。ご当地グルメを味わったり、地元の特産品を購入したりすることで、より充実した巡礼旅行になるでしょう。
地域経済への貢献にもつながり、作品の舞台となった地への感謝を形にすることもできます。
作品のシーンと現地の景色を比較して楽しむ
聖地巡礼の醍醐味の一つは、作品に登場した風景と現地の景色を見比べることです。アニメのワンシーンに登場した橋や坂道、建物などがそのまま残っていると、まるで作品の中に入り込んだような感覚が味わえます。
巡礼の際には、スマートフォンやタブレットに作品の画像を保存しておき、現地で同じアングルから撮影する「聖地再現写真」も楽しみの1つです。
巡礼ノートやSNSで記録を残そう
訪れた聖地の記録をノートやSNSにまとめることで、思い出を形に残すことができます。訪問した日付や感想、撮影した写真を記録するだけでなく、他のファンとの交流にもつながることがあります。ハッシュタグを活用すれば、同じ作品を愛するファン同士で情報を共有することも可能です。
三重県で聖地巡礼する際の注意点

三重県で聖地巡礼する際は、以下のポイントに注意する必要があります。それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
私有地・立入禁止エリアには入らない
アニメや漫画に登場する場所が、実際には私有地であるケースもあります。例えば個人宅や学校、企業の敷地、田畑などは立ち入りが禁止されていることが多く、無断で入ることはトラブルの元になります。
写真撮影をする場合でも、敷地外から望遠で撮るなど、常に敷地の境界を意識することが大切です。
写真撮影時は周囲に配慮する
作品と同じ構図で写真を撮る「聖地再現写真」は巡礼の醍醐味のひとつですが、撮影に夢中になりすぎると他の人の迷惑になる場合があります。
歩道や車道に立ち止まったり、無理なポーズで道路を塞いだりすると、交通の妨げになるだけでなく、事故の原因にもなりかねません。特に通学路や商業エリアでは、周囲の通行人や住民への配慮が不可欠です。
SNS投稿は情報漏洩に注意する
聖地巡礼の様子をSNSで発信する際には、投稿内容に個人情報や他人の姿が映り込んでいないかを確認しましょう。例えば、住宅地や学校が写っている写真には住民の生活が映っている可能性もあります。
位置情報や学校名、ナンバープレートなどの個人特定につながる情報は加工や削除を行うようにしましょう。
地元住民の生活を尊重する
聖地巡礼はファンにとって特別な体験ですが、訪れる場所はあくまでも誰かの日常の一部です。大声で騒いだり、ゴミを放置したり、公共施設を占拠したりする行為は、地域住民の生活に迷惑をかけることになります。挨拶をする、施設のルールに従うなど、小さな気配りが巡礼マナーの基本です。
トラブル時の対応を確認しておく
山間部や海辺、アクセスが難しいエリアを訪れる際には、急な天候変化や交通機関の遅延など不測の事態に備えておくことも大切です。
スマートフォンの充電を十分にしておく、地図アプリやバスの時刻表を事前に保存しておく、現地の観光案内所を把握しておくなど、安心・安全な巡礼のための準備をしておきましょう。
三重県が舞台のアニメや漫画をチェックしよう!
三重県は、情緒ある自然や歴史的風景、そして地元文化に根ざした多様な地域性を背景に、多くのアニメ・漫画作品の舞台として親しまれてきました。『凪のあすから』の海の景色から、『バジリスク』の伊賀忍者文化、『うさぎドロップ』の温かな日常風景まで、三重ならではの魅力が作品に深みを与えています。
聖地巡礼を楽しむには、作品へのリスペクトはもちろん、地域住民への配慮やマナーを守ることが欠かせません。事前準備をしっかり行い、地元のグルメや観光も楽しみながら、充実した巡礼旅を実現しましょう。
アニメの世界と現実の風景が重なる感動を、ぜひ三重県で体験してみてください。


