三重県移住で失敗しない!家を借りる・買う前に知るべき5つの注意点

三重県へ移住を考えるとき、多くの人が気にするのが「住まい選び」です。

三重県は都会に比べて家賃や土地の価格は安いものの、それが必ずしも“お得”とは限りません。実際、住んでから「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも少なくありません。

本記事では、三重県ならではの“住まい探しの落とし穴”を5つ紹介します。賃貸・購入のどちらを検討している方にも役立つ内容なので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

注意点①:「家賃が安い=お得」とは限らない!周辺環境に要注意

三重県の郊外エリアでは、家賃が2万円台からの物件も珍しくありません。しかし、単に家賃が安いという理由だけで決めてしまうのは危険です。

例えば、最寄りのスーパーや病院、駅まで車で20分以上かかる地域もあります。車がなければ生活が成り立たないことも多く、ガソリン代や車両維持費がかえって負担になるケースも。

また、夜になると街灯が少なく、人通りがほとんどないエリアもあり、防犯面でも不安を感じることがあります。野生動物が出ることもあるので、事前に“朝・昼・夜”それぞれの時間帯で現地を見に行くのがおすすめです。

加えて、ゴミの収集ルールや自治会の有無など、地域によって生活ルールが大きく異なる点にも注意が必要です。

さらに、公共交通機関の本数が極端に少ない地域では、通勤・通学・通院などに不便を感じることもあります。平日昼間しかバスが走っていない、最寄駅まで徒歩1時間以上かかるといったエリアも存在するため、交通手段の有無は必ず確認しましょう

名古屋へ通勤している方は、以下記事もぜひ参考にしてください。

一見「コスパが良さそう」に見える家賃の安さも、周辺環境や生活のしやすさを無視してしまうと、結果的にストレスや不満を感じやすくなります。

チェックしたいポイント例:

  • 最寄りのスーパー・病院・コンビニまでの所要時間は?
  • 車なしで生活できるか?公共交通は使いやすいか?
  • 夜間の明るさ・治安は問題ないか?
  • 近隣に騒音やにおいの元になる施設(工場・畜舎など)はないか?
  • 地域独自のルール(ゴミ出しや行事)に無理なく対応できるか?

「本当にその家賃の安さは自分たちにとって“得”なのか?」を見極める視点が大切です。

筆者も三重県へ移住を検討していた際、ゴミ出しルールなどを市役所へ電話で確認し、「自分が住んだらどんな生活になるのか?」をイメージしながら探しました。

注意点②:空き家物件の“見えない修繕費”が高額になることも

空き家バンクなどで見つけた中古住宅は、価格が数十万円〜数百万円と破格であることもあります。しかし、その分「修繕費が想定以上にかかる」ケースが非常に多いのが実情です。

見た目はきれいでも、雨漏り、断熱性能の低さ、シロアリ被害、配管の老朽化など、見えない部分に大きな問題を抱えている場合があります。中古物件の場合、「現状渡し」であることが多く、修繕費が100万円を超えることも。

特に、よくある修繕費としては、以下のようなものがあります。

  • 屋根や外壁の傷み
    古い住宅では雨漏りが発生していることが多く、屋根全体の葺き替えが必要なケースも。
  • シロアリ・害虫被害
    木造住宅では床下や柱の腐食が進行していることもあり、修繕費が高額になりがち。
  • 配管や電気系統の老朽化
    見えない部分である水道管や排水管、電気配線が古く、交換が必要になる場合あり。
  • 断熱性能の不備
    窓や壁に断熱材が入っておらず、夏は暑く冬は極寒の住環境になることも

さらに、地方の空き家では長期間空き家だった影響で、室内にカビが繁殖していたり、下水や給湯設備が機能していないこともあります。

購入前には、できるだけインスペクション(住宅診断)を依頼し、事前に建物の状態を把握しておくと安心です。三重県では、四日市市がインスペクション費用を一部補助してくれるケースもあるため、活用を検討しましょう。

四日市市のインスペクション費用助成については、以下の通りです。

🏠 四日市市:空き家流通促進補助金
 ・内容:空き家・空き地バンクを通じた流通促進を目的とし、
  - 建物状況調査(インスペクション):上限8万円まで補助
  - リフォーム・家財処分も対象(リフォームは上限50万円、家財処分10万円)
 ・対象物件:市の空き家バンクに登録されている空き家

また、四日市市に限らず、三重県の空き家バンク一覧は<こちら>から確認できます。

注意点③:賃貸物件の“選択肢が少ない”問題とどう向き合う?

三重県では、都市部を除くと賃貸物件の数が限られており、希望条件に合う物件を見つけるのは簡単ではありません。

特に、ペット可、ネット無料、築浅といった条件が揃った物件はほとんど見つからない場合もあります。また、アパートやマンションの設備が都市部より古いことも多く、冬は寒く、夏は暑いという住宅も少なくありません。

希望する物件が見つからない場合、以下のような対策も検討してみるとよいでしょう。

  • 地元密着型の不動産会社を活用する
    全国展開している不動産よりも地元の不動産のほうが、非公開物件や大家との直接交渉ルートを持っている場合が多く、選択肢が広がる。
  • 空き家バンクで賃貸可能な物件を探す
    購入だけでなく、自治体によっては賃貸利用可の空き家を紹介しているケースも。自治体のHPや窓口で相談するのが早道。
  • 築古物件を“条件緩和”してリフォーム交渉する
    内装リフォーム済やDIY可能な物件を選べば、選択肢が広がる。場合によっては交渉で設備追加や賃料割引をしてもらえることも。
  • エリアを広めに検討する
    1つの市町村に限定せず、隣接エリアや主要道路沿いまで候補を広げると、思わぬ好物件が見つかることもある。
  • 一時的にウィークリーマンションや短期賃貸を活用
    すぐに理想の賃貸が見つからない場合は、短期滞在を活用しながらじっくり探す選択もあり。

物件が少ないからといって焦って選ぶのではなく、「探し方」「交渉の仕方」「妥協点の見つけ方」を工夫することで、より自分に合った住まいにたどり着く可能性が高まります。

注意点④:雨・湿気・雪…エリア特有の気候が住環境に影響する

三重県は北部・中部・南部で気候が大きく異なります。南部の熊野市や尾鷲市は、年間降水量が日本トップクラスで、湿気によるカビ対策が欠かせません。

湿気が多い地域では、室内の換気や除湿が不十分だと壁紙の裏や家具の裏にカビが発生しやすく、健康被害にも繋がることもあります。特に、カビが発生すると喘息やアレルギー性鼻炎などの呼吸器系の疾患を引き起こしやすくなり、小さな子どもや高齢者は重症化してしまうこともあります。

また、カビの胞子が空気中に広がることで、倦怠感や頭痛といった慢性的な体調不良を訴えるケースもあります。特に木造住宅では結露によって構造材が劣化することもあり、建物全体の寿命を縮める原因になります。

一方で、北部のいなべ市や菰野町では冬に雪が降り、路面凍結が起きることもあります。冬季には気温が氷点下になる日もあるため、水道管の凍結や給湯器の故障といったトラブルも発生しやすくなります。暖房器具や断熱材の有無、二重窓かどうかなども住宅選びの重要なチェックポイントです。

大阪から三重に移住してきた筆者の体感だと、三重県は大阪よりも寒く、想像していたよりも大量に雪が降る印象です。

2025年2月に四日市市で撮影した雪(筆者撮影)

また、三重県は台風の通り道になることもあり、沿岸部では強風や高潮対策も必要です。建物の立地や風当たり、雨どいの排水処理能力も、物件選びの際に確認しておくべき要素です。

気候による注意ポイント:

  • 湿気が多いエリアではカビ・結露対策が必須(除湿機・通風・防カビ建材など)
  • 降雪エリアでは断熱・暖房・給湯設備の性能が生活快適度に直結
  • 台風・豪雨への備えとして、ハザードマップの確認や排水経路の確認も重要

賃貸・購入を問わず、物件の断熱性能や通風、雨漏り跡の有無などを必ずチェックし、その地域特有の気候に合った住宅かどうかを見極めることが大切です。

注意点⑤:移住支援制度ありきで選ぶと“住みにくさ”のリスクも

三重県内の多くの自治体では、移住者向けに家賃補助や住宅購入補助などがあります。特に若年層や子育て世帯向けには、引っ越し費用補助や子育て関連支援が手厚い地域もあります。

しかし、これらの支援制度は対象エリアや条件が限定されていることが多く、補助金の金額や内容にばかり目を向けると、生活の利便性や地域との相性に不満を感じてしまうこともあります。

例えば、補助金が出るからといって“山間部の限界集落にある空き家”を選んだ結果、スーパーが遠く、医療体制も脆弱で、車がないと生活が成り立たないといったケースもあります。そんな生活が「合わない」と感じる人にとってはストレスになってしまいます。

そのため、移住支援制度を使う際は、以下のようなポイントをきちんと確認しておきましょう。

確認しておきたいポイント:

  • 補助金の対象条件(年齢・世帯構成・地域・転入日など)
  • 支援制度の内容が「初期費用のみ」か「継続的支援」か
  • 支援対象エリアのインフラや生活環境(交通、医療、買い物など)
  • 地元住民との関係性や地域コミュニティの雰囲気

移住支援制度はあくまで“後押し”として活用するものであり、「自分たちが無理なく暮らせる環境か?」という視点を最優先に考えることが、移住を後悔しないためには大切です。

三重県の移住者支援制度については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

住まい選びに失敗しないためのチェックリスト

住まい選びで失敗しないためには、価格や移住支援制度だけでなく、生活環境や住宅の性能などを多角的にチェックすることが大切です。そのため、以下のポイントを意識してチェックしてみましょう。

  • 最寄りのスーパー・病院・駅までの距離を調べる
     → 日常生活に欠かせない施設が近くにあるかどうかを事前に確認。車が必要なエリアでは、ガソリン代や移動時間も加味しておく。
  • 現地を朝・昼・夜の時間帯で見に行く
     → 同じ物件でも時間帯によって雰囲気は変わる。夜間の治安、騒音、人通りの有無などは実際に現地を歩くことでしか分からない情報。
  • 空き家はインスペクションを検討
     → 見た目がきれいでも内部に問題がある可能性あり。プロによる住宅診断で、隠れた修繕ポイントを事前に把握できる。
  • 断熱性・湿気対策などの住宅性能を確認
     → 気候の影響を受けやすい三重県では、断熱性・通気性・雨漏り跡の有無などをチェック。夏冬の過ごしやすさに直結する大切なポイント。
  • 補助金や制度は“あくまで参考”にする
     → 支援制度を優先して選ぶと、実際の住み心地とズレるリスクがある。制度の条件や制限を理解した上で、“住みやすさ”を軸に判断することが大切。

まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事では、三重県移住で失敗しないために「家を借りる・買う前に知るべき5つの注意点」について解説しました。

「家賃が安い」「支援制度が使える」といった一見魅力的なポイントも、実際に暮らしてみると想定外の不便さやストレスに繋がってしまうことがあります。特に三重県のように地域ごとに気候や生活環境が大きく異なるエリアでは、事前の調査と見極めがとても大切です

住まい選びにおいては、価格や制度だけでなく「生活のしやすさ」「通勤・通学の利便性」「地域コミュニティとの相性」など、色々な視点で検討する必要があります。見えない修繕費や交通アクセスの不便さ、地域の習慣などは、あとから気づいても手遅れになるかもしれません。

本記事で紹介した5つのポイントを意識しながら、気になる物件は実際に足を運んで見学し、できるだけ多くの情報を集めて判断しましょう。

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