三重県に移住して、地域おこし協力隊になろう!

地方に移住して新しい生活を送りたいと思っても

「移住先で働く手段を得られるかどうか」

というのが懸念されるところです。

ただでさえ移住後の住まいや生活環境「地元の人に溶け込めるか」といった不安もあるなか、収入を得る手立てに不安があるのは辛いところ。

移住したくても二の足を踏んでしまう人もいるでしょう。

そんな不安を払拭し、安心して地方移住できる方法のひとつが、地域おこし協力隊の隊員になって移住することです。

地域おこし協力隊は都市部に住む人が過疎地域に移住して地元が抱える課題解決のために働く隊員のことを指します。

地方移住の夢が叶う上、地元の人と協力して町おこしや地方活性化の仕事に従事するので移住への懸念材料の多くが払拭されます。

この記事では、三重県で地域おこし協力隊の隊員になる方法を解説します。

地域おこし協力隊とは

地域おこし協力隊とはどのような制度なのでしょうか? 

まだ制度の開始から10数年なので認知されていないことも多いようです。

ここでは、任期や給料、地域おこし協力隊になる方法、任期終了後の生活などについて解説します。

  1. 地域おこし協力隊とは
  2. 任期・給料
  3. 地域おこし協力隊になる流れ
  4. 任期終了後はどうする?

一つずつみていきましょう。

1.地域おこし協力隊とは

2009年にスタートした地域おこし協力隊の制度は、都市部から過疎地域などの条件不利地域に住民票をうつして移住し、町おこしなどの活動に従事するものです。

仕事内容は自治体によってさまざまですが、主に地域ブランドや地場産品の開発や販売PR、住民支援などをおこないます。

きちんと給料も支払われます。

総務省の調査によると、令和4年度の隊員数は6447人、受け入れ自治体は1118団体となっています。

平成21年度の隊員数は89人だったので、毎年隊員が増えていることがわかります。

同じく総務省によると、隊員の約4割が女性、隊員の約7割が20代〜30代となっています。

参照:総務省|https://www.soumu.go.jp/main_content/000826128.pdf

2.任期・仕事内容・給料・待遇

隊員の任期はおおむね1〜3年です。

仕事内容は自治体が持つ課題によって異なりますが、課題解決や地域活性化、町おこしに従事します。

農林水産業に従事したり、地域のPR活動や特産物を生かした商品開発などもそのひとつです。

ただし、募集要項に記載されている以外のさまざまな仕事が発生することもあるので柔軟に多くのことを受け入れる姿勢が大切です。

報償費として給料や活動費が支払われますが、自治体によって金額が異なります。

3.地域おこし協力隊になる流れ

地域おこし協力隊の募集は地方自治体ごとにするため、ホームページを確認するなどして移住希望の自治体の情報収集をします。

応募要項に従って自治体に直接応募し、面接を経て隊員になります。

隊員は住民票をうつす必要があるため、着任に合わせて速やかに手続きをおこないます。

移住して長期間住めるかどうか自信がない場合は、短期間のおためしやインターン制度などもあります。

4.任期終了後はどうする?

総務省の調査によると、任期終了後も65%の人が同じ地域にすみ続けています。

起業する人も多く、カフェやレストラン、宿泊業などを営んだりしています。

このほか、地域で就職したり自治体職員になったりする人もいます。

任期終了後の生活を自分で考えて行動することも必要ですが、自治体のサポートを受けられるケースも多いので、定住するつもりでまず隊員として移住するのはとてもよい方法です。

参照:総務省|地域おこし協力隊とは

地域おこし協力隊のメリット

地域おこし協力隊として地方移住すると、給料がある状態で新しい生活を始められたり、地域の人との交流が生まれやすかったりと、多くのメリットがあります。

ここでは、主なメリットを4つ紹介します。

  1. 移住先で収入が得られる
  2. 人とのつながりができる
  3. 地域に溶け込みやすい
  4. 起業の夢が叶う

一つずつみていきましょう。

1.移住先で収入が得られる

地方移住を考える人にとって大きな懸念材料となるのが「移住先で収入を得られるのか」ということでしょう。

地域おこし協力隊として移住すれば、収入を確保して安心して生活できます。

自治体によっては住まいを提供してくれることもあるので、その点も大きなメリットといえるでしょう。

2.人とのつながりができる

地方に移住してもなかなか地域になじめず、暮らしづらさを感じる人もいます。

隊員として移住する場合、農林水産業に従事するならそれに携わる地元の人との交流が生まれますし、町おこしに関する仕事に従事するならともに活性化をはかる人たちと一緒に仕事ができます。

こうした中で人と人との交流が生まれ、その土地への愛着心もわいてきます。

人との交流があることは田舎暮らしの醍醐味です。

3.地域に溶け込みやすい

例えば、移住してリモートで今までの仕事を継続できたとしても、地域に溶け込むのはむずかしいもの。

町内会に参加したり町のお祭りなどに参加して交流を深めていくこともできるとはいえ、時間がかかります。

その点、地域に関わる仕事をしていると地元に関する知識を得るのも早く、同じ地域の住民として認めてもらえるのも早くなるでしょう。

4.起業の夢が叶う

地方で起業したい人が、まず地域おこし協力隊になることもあります。

隊員になって暮らしていく中でその土地のことを知り、起業のアイデアをあたためたり、どこに店を構えたらいいかゆっくり考えることができます。

総務省では、任期終了後に起業や事業継承する人に対して助成(1人あたり100万円)を行っているのでそれらを活用して起業できるのもよいところです。

ただし、すべての場合に助成金が出るわけではないので、要件などを必ず確認しましょう。

参照:総務省「地域おこし協力隊について」|地域おこし協力隊について

地域おこし協力隊のデメリット

隊員になってみると想定していなかったことが起こって「こんなはずじゃなかった」と思ってしまうこともあります。

また、任期終了後の生活も不安材料になります。

  1. 任期終了後の生活への不安がある
  2. 自分のやりたい仕事がない可能性がある
  3. さまざまなことを任される可能性がある

一つずつ見ていきましょう。

1.任期終了後の生活への不安がある

地域おこし協力隊としての活動は3年までと決められているため、その後の働き方や住まいに関しての不安が残ります。

任期終了後の就業や起業への支援を行ってくれる自治体もありますが、そうでないことも。

自治体によって大きな差があるのが実情です。

在任中に次の生活を見据えて行動しておく必要があるでしょう。

2.自分のやりたい仕事がない可能性がある

移住したい地域に自分がやりたい仕事があるかどうかは分かりません。

仕事内容を絞りすぎず「地域おこしをする」という広い視野を持って移住するとよいでしょう。

3.さまざまなことを任される可能性がある

募集要項に記載されている仕事内容以外にも、さまざまな仕事を任される可能性があります。

地域が抱える課題は多岐にわたり、隊員として仕事に従事する中でいろいろな分野の仕事が発生することもあるでしょう。

それらを自分の仕事として受け入れる柔軟性が必要です。

地域おこし協力隊に向いている人

地域おこし協力隊は、新しい環境に飛び込んで人とのコミュニケーションを上手にとれる人が向いています。

くわしくみていきましょう。

  1. 新しい環境に馴染める人
  2. 人とのコミュニケーションをとるのが好きな人
  3. 自ら考えて行動できる人

1.新しい環境に馴染める人

隊員になると、新しい家、はじめて出会う地元の人々、地域ならではの風習、土地ならではの気候など、それまでとは違う環境に身を置くことになります。

新しい環境におかれたとき、ストレスに感じるのではなくすぐに馴染める人は隊員としての仕事もスムーズに進むでしょう。

2.人とのコミュニケーションをとるのが好きな人

地方暮らしでは、都会に比べて、ご近所付き合いや町のひととの付き合いが密になります。

こうした人々とのコミュニケーションをポジティブに捉えられる人は、地方移住に向いています。

隊員としての活動も、基本的に地元の人と一緒に地域の課題を解決していくものなので、コミュニケーション能力は必須といえるでしょう。

3.自ら考えて行動できる人

地域おこし協力隊の仕事は、都市部から移住してきた人の視点で町おこしや特産物のブランド化などを推進していくものです。

指示されたことをこなすような感覚ではやり遂げられない仕事です。

自ら考えて行動できる人に向いています。

地域おこし協力隊に向いてない人

隊員の仕事は、地域に溶け込んで課題をみずから解決する行動力が必要です。

自分が隊員に向いているか向いてないか、応募する前に冷静に判断しましょう。

  1. 地域の文化に溶け込めない人
  2. 指示を待ってしまう人

1.地域の文化に溶け込めない人

地方にはそれぞれに文化や風習があります。

そういったものを受け入れてうまく溶け込めない人は地域おこし協力隊には向いていないでしょう。

郷に入っては郷に従う姿勢が大切です。

2.指示を待ってしまう人

「指示待ち」というのは、仕事によってはそれでよいこともありますが、地域おこし協力隊はそうではありません。

むしろ自分で考えて仕事を創出していく力が必要ですし、そういった力を求められています。

また、積極的に教わって自分のスキルを高めていくような姿勢も大切。

受け身で仕事をする人は隊員に向きません。

三重県の地域おこし協力隊情報

  1. 県内の活動自治体
  2. 県内の募集自治体
  3. 県のサポート内容

1.県内の活動自治体

三重県内では、令和5年4月1日現在、以下の18の市町において80名が活動しています。

実施している市町は、伊勢市・松阪市・名張市・尾鷲市・鳥羽市・熊野市・いなべ市・志摩市・伊賀市・明和町・大台町・玉城町・度会町・大紀町・南伊勢町・紀北町・御浜町・紀宝町です。

活動内容の一例をご紹介します。

ー南伊勢町の例ー

  • 「アッパッパ貝の魅力伝道師」育成事業
  • 「さかなのまち・南伊勢町の魚を世界に」事業
  • 漁業・漁村活性化コーディネーター育成事業 など                

ー尾鷲市の例ー

  • 廃業みかん農園の継業と6次産業化
  • You Tubeを活用した尾鷲情報の発信
  • 向井地区の活性化の取り組み・活性化を担う人材の創出 など 

各市町で、隊員がさまざまな仕事をしています。

どこの自治体に移住するか考える際の参考にすると良いでしょう。

引用:三重県|三重県内の地域おこし協力隊活動状況 (R5.4.1現在)

2.県内の募集自治体

地域おこし協力隊の隊員を募集している自治体は、以下の3つから募集情報を確認できます。

なお、2023年11月28日現在、県内で募集している地域おこし協力隊は、8つあります。

3.県のサポート内容

三重県では協力隊員向けに困りごとのヒアリングや隊員同士の交流会、合宿研修、フィールドワーク研修、スキルアップサポートを行っています。

また、地域おこし協力隊のOB、OGの交流が中心となり「三重県地域おこし協力隊ネットワーク」を立ち上げ、隊員へのサポート体制の整備を行っています。

参照:三重県|南部地域活性化:地域おこし協力隊

まとめ

地域おこし協力隊は、働く場所を確保した上で地方に移住できるよい方法です。

隊員になるメリットは多いですが、地域に溶け込む姿勢やコミュニケーション能力などが必要。

自分の特性と隊員という仕事の相性を冷静に見極めましょう。

不安が残る場合は、インターンやおためしとして隊員の仕事を短期間体験できる自治体もあるので、試しに応募してみるとよいでしょう。

三重県では、現在20近い自治体で隊員が活動しており、募集中の自治体もあります。

三重県への移住を検討していて町おこしにも興味のある人は、ぜひトライしてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

今泉 知子

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