「15万キロも走ったから、そろそろ買い替えたほうがいい?」
そんなふうに思っている方、けっこう多いのではないでしょうか。
こんにちは。三重県桑名市のノシロオートサービスです。
日々たくさんの車と向き合う中で、私たちがいつも感じているのは、「車の寿命は“走行距離”だけでは決まらない」ということ。
実は、ちょっとした習慣や整備の違いで、車の寿命は大きく変わります。
逆に言えば、「正しい知識をもって、大切に扱えば20万キロだって現役」です。
今回は、車の寿命に影響を与える要素や、長く快調に走らせるためのメンテナンス術を、プロ整備士目線でお話ししていきます。
そもそも“車の寿命”って、どこで決まる?

昔の車は10万キロをひとつの目安として寿命とされてきた時代がありました。しかし、近年の車は設計・性能ともに格段に向上しており、10万キロは“折り返し地点”といっても過言ではありません。
では、実際のところ車の寿命は何で決まるのでしょうか?
結論から言えば、車の寿命は「走行距離」だけでは判断できません。
もっと大切なのは、その車がどのように扱われてきたかという「履歴」と「状態」が重要です。
整備の現場で私たちが重視している“車の寿命を決める5つの指標”について、詳しく解説します。
① メンテナンス履歴が残っているかどうか
寿命の長い車の共通点として、定期的なメンテナンスがきちんと行われているという点があげられます。
たとえば、以下のような記録が残っていれば安心材料になります。
- エンジンオイルとオイルフィルターの交換時期と回数
- タイミングベルトや補機ベルトの交換履歴
- バッテリーや冷却水(LLC)の交換履歴
- ブレーキパッド、ローターなどの消耗品の整備記録
- 車検や法定点検での報告書
これらの記録が残っていると、「この車は大切に乗られてきたんだな」という信頼感が生まれます。
② エンジンのかかり具合・異音・振動がないか
車の心臓ともいえるエンジン。
エンジンのかかり方やアイドリング時の音、走行中の振動は、寿命を見極めるうえで重要なサインになります。
たとえば、以下のような症状があると要注意です。
- 始動時に「キュルキュル」「ギギギ」といった異音がする
- アイドリング中に車体がガタガタと揺れる
- アクセルを踏んだときに息継ぎのような挙動がある
- 排気ガスの色がおかしい(白煙・黒煙・青煙など)
これらはすべて、エンジン内部の部品摩耗や、燃焼系のトラブルが進行しているサインかもしれません。
逆に、かかりが良く、音も静かで、加速もスムーズであれば、たとえ走行距離が多くても問題はありません。
③ 冷却水・ベルト・ブッシュなど“見えにくい消耗部品”
車の寿命を左右するもうひとつの要素が、“消耗品の劣化状態”です。
特に以下のパーツは、見た目では劣化がわかりにくく、気づいたときには故障寸前というケースも少なくありません。
- 冷却水(LLC)…古くなると防錆性能が落ち、ラジエーター詰まりや水漏れの原因に
- ゴム製のブッシュやホース類…硬化・ひび割れでオイル漏れや水漏れにつながる
- 補機ベルト(ファンベルト)…切れると走行不能になる恐れも
「走れている=正常」ではありません。
見えない部分にこそ、寿命の兆候が現れるのです。
④ 使用環境(乗り方・場所)によって大きく変わる
同じ車種・年式・距離数でも、「乗られ方」によって寿命はまったく違ってきます。
たとえば…
- 【ちょこちょこ乗り】短距離を頻繁に走る → オイルが温まりきらず、汚れやすい
- 【山道・坂道が多い】 → ブレーキやエンジンに負荷がかかりやすい
- 【高速道路が多い】 → 回転数が安定し、比較的エンジンにやさしい
- 【アイドリングが多い】 → エンジンは動いてるのに走行距離は伸びない=寿命にカウントされない
このように、走行距離では見えない“内部の使い方”が、車の寿命に直結するのです。
⑤ 修理歴・事故歴の有無
最後に、忘れてはならないのが事故歴や大掛かりな修理歴の有無です。
- フロント部分の事故歴がある → フレーム歪みや配線トラブルのリスク
- 水没や火災歴がある → 電装系に大きなダメージが残ることも
- 板金修理だけでなく、足回りの修正がある → アライメントやハンドリングに悪影響
中古車として購入した場合は、これらの情報がきちんと開示されていないケースもあるため、購入時に整備記録簿や修理履歴の確認がとても重要です。
車の寿命は「あなたが、どう付き合ってきたか」で決まる
こうして見ると、車の寿命を決めるのは「距離」でも「年式」でもなく、
日々の扱い方、そして定期的な整備と点検の積み重ねなのだとわかります。
車は、ただの“道具”ではなく、あなたと日常を共にする“パートナー”です。
パートナーとして長く元気でいてもらうために、ぜひ一度、今の車の状態を見直してみてください。
「うちの車、まだまだ走れる?」チェックポイント

車に乗り続けていると、ふとした瞬間に頭をよぎる疑問――
「この車、あとどれくらい走れるのかな?」
では、自分の車が“まだまだ現役で走れる車”なのかどうか。
その判断のヒントとなるチェックポイントを、整備士目線で詳しくお伝えします。
チェック① エンジンのかかりはスムーズですか?
朝一番、キーを回したときに「エンジンのかかりが悪い」、そんな症状は、見逃せないサインです。
- セルモーターが長く回る(「キュルキュル…ブォン!」と時間がかかる)
- 一発でかからない、何度かトライしないとかからない
- 冬場に限らず、季節を問わず毎回かかりにくい
こういった症状は、バッテリー劣化・点火系トラブル・燃料噴射の異常などが原因の可能性があります。
これらを放置すると、エンジンに余計な負担をかけてしまい、結果として寿命を縮めてしまうリスクがあります。
チェック② アイドリング中に車体が揺れていませんか?
信号待ちなどのアイドリング中に、「ガタガタ」「ブルブル」と車体が不自然に揺れる場合、エンジンマウントの劣化や燃焼系の不具合が疑われます。
アイドリング時のエンジン回転数(タコメーター)をチェックしてみてください。針が上下に不安定に動いている場合、それは「エンジンが安定して回っていない」というサインです。
逆に、振動が少なく、回転数が一定で安定しているなら、まだまだ元気な証拠。
静かにスムーズに回るエンジンは、それだけで信頼度が高いと言えます。
チェック③ 排気ガスに異常はありませんか?
後ろから出てくる排気ガスも、車の健康状態を教えてくれる大切なサインです。
- 白煙 → オイルの燃焼の可能性
- 黒煙 → 燃料の燃え残り(燃料過多)による異常燃焼の可能性
- 青煙 → オイルの燃焼(ピストンリングの摩耗など)の可能性
いずれも「ただの汚れ」では済まされない、エンジン内部の深刻なトラブルの兆候であることが多く、放置は絶対NGです。
排気ガスの“におい”にも注目してください。
ガソリン臭が強い場合や、焦げたような臭いがする場合も、早急な点検が必要です。
チェック④ 冷却水(LLC)の減りが早くないか?
ラジエーターに入っている冷却水(ロングライフクーラント)は、エンジンの温度を一定に保つために欠かせない存在です。
- 冷却水がよく減る
- リザーバータンクの量がいつも最低ライン近い
- 足元に水のようなものがポタポタ落ちている
このような症状があれば、どこかで漏れている可能性が非常に高いです。
水漏れは放置していると、最悪の場合オーバーヒートを起こしてエンジンを一気に壊してしまうこともあります。
逆に、冷却水が安定しており、補充の必要がほとんどない車は、冷却系の状態が非常に良好だと判断できます。
チェック⑤ オイルのにじみや漏れはないか?
車の下を覗いてみたときに、黒っぽいしみがあったり、オイル臭がすることはありませんか?
オイル漏れのサインとして多いのは:
- 駐車場にオイルのしみがある
- エンジンルームが汚れてきた
- オイル量が頻繁に減る
- 下回りから“焼けたオイル臭”がする
これらは、オイルシールやパッキン類の劣化が進んでいる可能性があり、早期対応が必要です。
ただし、「にじみレベル」で止まっている間に対応すれば、大きな修理にはつながらず、安価で済むケースが多いのも事実。
見つけたときが、点検の“チャンス”でもあります。
チェック⑥ 整備履歴は残っていますか?
最後に、整備記録がしっかり残っているかどうかも、車の将来を占う大きなヒントになります。
- どこで・いつ・何を交換したのか
- オイル・フィルターの交換時期
- 車検や点検で指摘された内容と、それへの対応履歴
これらが明確に記録されていれば、次に整備士が見たときも判断がしやすくなり、“予防整備”が可能になります。
それが、結果的に寿命を延ばすことにつながっていくのです。
1つでも不安があれば、それは“点検のサイン”かもしれません
これら6つのチェックポイントをすべてクリアできていて、さらに整備履歴も残っているなら、たとえ15万キロを超えていても、まだまだ走れる可能性は大いにあります。
でも、もし1つでも「うちの車はどうかな…」と気になる点があれば、それは車が発している“SOSのサイン”かもしれません。
寿命を縮める“NGな使い方”とは?

大切な愛車をできるだけ長く、快適に乗り続けたい。
そう願っている方こそ、ぜひ知っておいてほしいのが「寿命を縮めるNGな使い方」です。
車というのは、単なる移動手段ではなく、走れば走るほど“使い方のクセ”がそのまま車体に反映されていく繊細な機械です。
長く乗る人ほど、ちょっとした習慣が寿命を大きく左右するもの。
もし、以下のどれか一つでも当てはまったら…それは今すぐ見直すべき“合図”かもしれません。
1. 「ちょこちょこ乗り」ばかりしていませんか?
まずは、多くの方に当てはまるかもしれない “ちょい乗り”の習慣。
たとえば、
- 近所のスーパーまでの往復5分
- 子どもの送り迎えで、朝夕10分ずつだけ走る
- 毎回エンジンをかけては、すぐに止めてしまう
こういった乗り方は、エンジンが十分に温まる前にOFFになるため、
・エンジン内部の汚れ(スラッジ)がたまりやすい
・オイルや燃料の燃え残りが排出されず蓄積する
・水分が蒸発せず、錆やカビの原因になる
という複数のリスクを抱えます。
たとえ走行距離が少なくても、ちょこ乗りばかりだとエンジンのダメージは蓄積していく一方。
エンジンにとっては「走らないよりも走った方がつらい」状況にもなりかねません。
2. メンテナンスを怠っていませんか?
オイル交換、冷却水、ベルト、バッテリー、タイヤの空気圧――
どれも「ちょっとのことだから」「まだ平気」と、つい後回しにしてしまいがちな項目です。
でも実際には、
- オイル交換を怠る → エンジン内部が摩耗・焼き付き
- 冷却水が減る → オーバーヒートの原因
- ベルトが劣化 → 発電・冷却・エアコンなどに支障
- タイヤの空気圧不足 → 燃費悪化・バーストの危険
と、すべてが車の命に直結する重要な要素ばかり。
メンテナンスを怠ることは、例えるなら「風邪をこじらせて肺炎になる」ようなもの。
日々の小さなチェックを積み重ねておけば、防げたはずのトラブルが大ごとになってしまうのです。
3. 急発進・急ブレーキを繰り返していませんか?
アクセルをガンッと踏み込んで一気にスピードを上げる。
信号でギリギリまで走ってから、グッとブレーキを踏んで止まる――
こういった運転を無意識に繰り返していると、
- エンジンやミッションへの負荷が増える
- ブレーキパッドやディスクの摩耗が早まる
- タイヤの偏摩耗が進む
- サスペンション(足回り)に歪みが生じる
など、車体全体に“目に見えない疲労”が蓄積されていきます。
とくにハイブリッド車やCVT車は、繊細な制御をしているぶん、こうした急操作に対してダメージを受けやすい傾向があります。
「優しい運転」が結果的に車の寿命を伸ばす一番の近道です。
4. 長期間放置していませんか?
車は「動かしていない=傷まない」わけではありません。
動かさないことが一番の“劣化要因”になることもあるのです。
たとえば、
- バッテリーが自然放電して上がる
- タイヤの空気が抜け、変形やヒビ割れを起こす
- ブレーキディスクにサビが発生
- ガソリンが劣化し、エンジン不調に
など、走らせていない間にどんどんコンディションが悪化していくのが現実。
「1ヶ月以上乗っていない」「車検以来エンジンをかけてない」なんて状況の方は、
まずは点検だけでも受けておくのが安心です。
5. チェックランプ、無視していませんか?
「エンジンチェックランプ」や「ABSランプ」などの警告灯が点灯したままなのに、そのまま乗り続けている――
これ、意外と多いんです。
チェックランプは、いわば車からの“悲鳴”。
そのまま乗り続けると、
- トラブルの原因が広がる
- センサー異常なのか、本体異常なのか特定しにくくなる
- 保証修理の対象外になるケースもある
といったデメリットが山積みです。
しかも、「点いたり消えたりするランプ」ほど要注意。
センサーの接触不良か、断続的に不具合が起きている証拠かもしれません。
“車への思いやり”が寿命を延ばす
- ちょこ乗りの繰り返し
- メンテナンスの後回し
- 荒い運転操作
- 放置状態
- 警告灯の無視
これらはすべて、「一発で壊れる」わけではないけれど、“確実に寿命を縮める”使い方です。
でも逆に言えば、これらをきちんと見直すだけで、
あなたの車は、あと5年、あと5万キロ…もっと元気に走れる可能性があるということでもあります。
実際にあった“寿命を延ばした事例”|車との付き合い方ひとつで未来は変わる

実は、“車を長持ちさせる人の共通点”があります。
私たちノシロオートサービスにも、そんな“車との上手な付き合い方”を実践されているお客様がいます。
今回は、実際にあったエピソードを2つご紹介します。そこには、寿命を左右する“分かれ道”がはっきりと存在していました。
Case 1|走行距離17万km。それでも快調な車の秘密
桑名市にお住まいのMさんは、ノシロオートに6年以上通ってくださっている常連のお客様です。
乗っているのは、トヨタ・ハイラックス。
すでに走行距離は17万キロを超えていますが、今もエンジンは快調。エアコンも元気に動き、通勤にも遠出にも何の問題もなく使っていただいています。
Mさんが特別なことをしているかというと、実はそうではありません。
- オイル交換は必ず3,000〜5,000kmごとに実施
- 車検時には、整備士の提案をきちんと聞いて、必要な消耗品はきちんと交換
- 1年に1回は「調子どうかな?」と定期点検に来店
という、“基本のメンテナンスをずっと続けている”だけなんです。
たとえば、エンジンオイルについても「そろそろじゃない?」とご自身で距離を見ながら来店されます。
冷却水やブレーキオイルなども、すべて記録を残しながらこまめに確認していく。
その積み重ねが、10年以上を超えても快調な愛車を支えているのです。
実はこのMさん、車に対して特別に詳しいわけではありません。
でも、「車は命を乗せて走るものだから」と、“大切に付き合う”という意識を持ってくださっています。
弊社とお付き合い頂いてから10万キロ以上走っていますが、大きな故障もなく絶好調な理由です。
Case 2|「走ってるから大丈夫」が命取りに
一方で、ある日こんなお電話がありました。
「最近、ちょっと音が大きい気がして…でもまだ走るから大丈夫だと思うんだけど、点検お願いできます?」
点検に来られたのは、四日市内の30代の男性。
車は6年目の軽自動車で、走行距離はまだ7万キロほど。
ところが、エンジンルームを開けて驚きました。オイルが真っ黒に変質し、ほとんど量も残っていない状態だったのです。
さらに詳しく調べてみると、エンジン内部にオイルの焼き付きがあり、すでにエンジンそのものが深刻なダメージを受けていることが判明。
「オイル交換って1年くらいしてないかも…でも、ずっと動いてたから大丈夫かと思って…」
というお話を聞き、胸が痛みました。
最終的には、エンジン載せ替えが必要となり、数十万円の修理費がかかることに。
しかも車の年式的にも価値が下がっており、「この際、乗り換えるしかないですね…」という決断をせざるを得ませんでした。
もし、半年前にオイル交換だけでもしていれば――
そう思うと、とても悔やまれるケースでした。
ほんの少しの「気づき」が、10年後の結果を変える
Hさんの事例も、30代の男性のケースも、スタート地点では「普通の車の持ち主」でした。
違いが出たのは、たった数千円のオイル交換や点検をどう捉えるか、という意識の差です。
- 「今は走ってるし、また今度でいいか」
- 「ちょっと気になるけど、まあ様子見で」
その“また今度”が、次のトラブルに直結することもあります。
反対に、
- 「最近ちょっと音が変かも」
- 「そろそろオイル替えとこうかな」
という小さな行動が、10年後の愛車の姿を守ってくれるのです。
ノシロオートが目指すのは、“かかりつけ整備士”という存在
私たちノシロオートサービスは、「困ったときだけ頼られる整備工場」ではなく、
「ふと気になったときに相談できる存在」でありたいと考えています。
- 車検のついでにオイルも見てほしい
- 今日は何も異常ないけど、長距離前にちょっと点検を
- 「音が変」と言われたから一応チェックしてもらいたい
そんな、“なんでもない日の点検”こそ、寿命を延ばす一番のチャンスです。
あなたの車が「まだまだ元気に走ってくれる存在」であるために、
私たちも日々、全力でサポートさせていただきます。
整備士が伝えたい「これだけは守って」|車を長く安心して乗るために

「車を長持ちさせたい」「できれば故障なんて一生避けたい」
そう思っていても、何から手をつけていいのか分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。
私たちノシロオートサービスには、毎日のように整備や点検のご依頼があります。
その中でわかってきたのは、車の寿命を左右するのは、高度な知識でも最新の機能でもないということ。
結論からお伝えすると、車を長く、安全に、快適に使うために守ってほしいことは、驚くほどシンプルです。
私たち整備士が「これだけは本当に大事」と考える基本中の基本を、理由と一緒にお伝えしていきます。
半年ごとのオイル交換(または5,000km以内)
エンジンオイルは、エンジンを動かす上で欠かせない“血液”のような存在です。
エンジン内部の金属同士がぶつかり合うのを防ぎ、熱を逃し、汚れを洗い流し、湿気や酸化から守ってくれる。
まさに、車の命を守る多機能な潤滑剤です。
オイルは時間とともに劣化し、走行距離が短くても、数ヶ月で性能が低下します。
よくある誤解のひとつに、「うちはあまり乗らないからオイルは減ってないはず」という声がありますが、
実際には“走らなくても劣化する”のがエンジンオイルの怖いところ。
ノシロオートでは、半年または3,000〜5,000km以内のオイル交換を推奨しています。
これを守るだけで、エンジン寿命は大きく変わるのです。
冷却水の残量・劣化のチェック
もうひとつ見落とされがちなのが、冷却水(クーラント)の管理です。
冷却水の役割は、エンジンの熱を吸収し、ラジエーターへと運ぶこと。
冷却水が足りなくなったり、劣化してくると、エンジンが過熱し「オーバーヒート」を起こします。
これが続くと、エンジンが焼き付き、最悪の場合エンジン交換という事態にもなりかねません。
冷却水は減りにくいと思われがちですが、微細な漏れや蒸発で確実に減っていくものです。
さらに、古くなった冷却水は冷却性能も下がり、内部を腐食させる可能性もあります。
点検では、量だけでなく、色やにおいなどの劣化の兆候も見ています。
最低でも車検ごとに、できれば1年に1度の点検時にチェックを受けることをおすすめします。
異音・振動・においなど、五感で気づいた違和感を放置しない
車に長く乗っていると、たまにこんなことはありませんか?
- アイドリング中にガタガタとした揺れを感じる
- エンジンをかけたとき、いつもより音が大きい気がする
- 走行中、焦げたようなにおいがする
- ブレーキを踏むと、キーッという音がする
これらは、車が「何かおかしいよ」と発しているサインです。
「でも、動いてるから大丈夫だろう」と見過ごしてしまう方も少なくありません。
しかし、この“気のせいかも”と思ったタイミングが、プロに見てもらう最も理想的な瞬間なのです。
早めに発見すれば、数千円の部品交換や簡単な調整で済むことも、
気づかずに乗り続けることで数十万円の修理費用になることもあります。
日々の運転で感じた“いつもと違う”を、大切にしてください。
整備士は、その感覚を頼りに不調の原因を探ります。
年に1度の点検を習慣に
車検は2年または3年ごとですが、それとは別に年1回の点検をおすすめしています。
理由はとてもシンプルで、車の状態は日々変化するから。
オイル、冷却水、バッテリー、ブレーキ、タイヤ、ベルト類など、時間とともに劣化する消耗品は多岐にわたります。
車検で問題がなかったからといって、1年後も同じ状態とは限りません。むしろ、1年あれば充分にトラブルが起き得る時間です。
半年ごとのオイル交換とあわせて、点検を“習慣化”することが、トラブルの予防、寿命の延長、そして安心なカーライフにつながっていきます。
信頼できる整備工場と“かかりつけ”関係を築く
最後にお伝えしたいのが、「どこで整備を受けるか」の重要性です。
整備というのは、たった一度の修理や部品交換で終わるものではありません。
定期的な点検やメンテナンスを通して、車の状態を見守る必要があります。
そのためには、「毎回別の店に行く」のではなく、“かかりつけ整備士”を持つことが理想的です。
かかりつけ整備士には、以下のようなメリットがあります。
- 過去の整備履歴を把握しているため、無駄な部品交換が減る
- あなたの乗り方に合わせたアドバイスができる
- 車のちょっとした変化にも気づきやすい
- 緊急時の対応もスムーズ
病院や歯医者と同じように、信頼できる整備士と長く付き合うことで、車との関係も良好に保たれるのです。
大切なのでもう一度
ここまでお伝えしてきたことをもう一度まとめます。
- エンジンオイルは半年または5,000kmで交換
- 冷却水のチェックは定期的に
- 異音・異臭・振動など、五感での違和感は見逃さない
- 点検は1年に1度の習慣に
- 整備は“信頼関係”の中でこそ、真価を発揮する
車は、単なる移動手段ではありません。
日常生活を支える存在であり、ときには家族や大切な人を乗せるパートナーです。
だからこそ、ただ動けばいいではなく、「安心して使い続けられる状態を守る」ことが大切です。
ノシロオートサービスは、あなたのカーライフを守る“整備のプロ”として、これからも丁寧に向き合い続けます。
「あなたの車を“壊させない”ために、私たちができること」

「車の寿命を少しでも延ばしたい」「今の車を、できるだけ長く、大切に乗り続けたい」
そんな想いを持つすべての方に、私たちノシロオートサービスができることがあります。
私たちは、車をただの“モノ”として扱っていません。
それは、整備工場に車を預けに来るお客様一人ひとりの背景を知っているからです。
通勤で毎日使っている人、週末に家族とドライブを楽しむ人、遠方の実家に帰るために愛用している人。
どの車にも、その人の暮らしや想いが詰まっています。
だからこそ、私たちはいつもこう自問しています。
「この車、あと何年乗れるだろうか?」
「もし今、見逃したら――半年後、大きなトラブルにならないか?」
「この車に、まだ“寿命”を迎えさせるわけにはいかない」
そんな気持ちで、車検や整備のたびに1台1台と真剣に向き合っています。
「まだ走るから大丈夫」を、鵜呑みにしない
多くの人が、「車は10万キロで寿命」と信じていた時代がありました。
けれど、今は15万キロでも20万キロでも走り続けている車は珍しくありません。
それも、きちんと整備された車ならば、の話です。
逆に言えば、「まだ走るから大丈夫」と何年も放置された車は、突然の故障やトラブルを引き起こします。
エンジンの異音、オイル漏れ、冷却水不足、タイヤのひび割れ…。
それらの“声なきサイン”を見逃してしまうと、本当はまだまだ乗れる車を早々に手放さなければならなくなるかもしれません。
ノシロオートが“目に見えない安心”を届ける理由
例えば、たかが「オイル交換」と思うかもしれません。
けれど私たちは、その1回のご来店を「大きなチャンス」と捉えています。
オイルを抜いて、新しいものを入れる。その作業だけで終わらせることはありません。
- エンジンルームの状態を目視で確認する
- 下回りにオイル漏れやにじみがないかチェックする
- タイヤの空気圧が基準値かどうかを点検する
- バッテリーの状態を専用機器で測定する
たとえ数分の作業であっても、「この車が安全に走れるか?」という目線を絶対に忘れません。
その積み重ねこそが、お客様の信頼と、車の長寿命に直結していると信じているからです。
最後に、伝えたいこと
今乗っている車。調子はどうですか?
- 朝のエンジンのかかり具合はどうか
- アイドリング中に、妙な振動や音はないか
- 排気ガスのにおいや色に、変化はないか
その小さな変化が、車からのサインかもしれません。
そしてそのサインに、私たち整備士は敏感でありたいと常に思っています。
「なんとなく調子が悪い」「しばらく点検していない」
そんなときは、遠慮なくお声かけください。
“動いているから大丈夫”ではなく、“見てもらったから安心”へ。
それが、あなたとあなたの愛車にとっての、新しい安心のかたちです。
ノシロオートサービスは、これからも“かかりつけ整備士”として、いつでもあなたのそばにいます。
どんな小さな相談でも構いません。「車と一緒に、長く暮らす」という選択肢を、私たちと一緒に守っていきましょう。