東海圏で生活がしやすい街といえば、名古屋市を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際に名古屋市には新幹線が通っており、大阪や福岡などの主要都市と並んで発展している街となっています。
しかし、東海圏には他にも住みやすい街があります。特に三重県の四日市市は、駅付近が発展しており、住みやすい街となっています。本記事では、名古屋市と四日市市を比較して、どちらの方が住みやすいかを徹底解説します。東海圏への移住をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
名古屋市の基本情報
名古屋市は愛知県の県庁所在地であり、人口約230万人を抱える日本有数の大都市です。東京・大阪に次ぐ規模を誇る都市となっており、東海地方の政治・経済・文化の拠点として発展してきました。新幹線が停車する名古屋駅を中心に、中部国際空港(セントレア)や高速道路網とも直結しており、全国各地や海外へのアクセスも優れています。
名古屋市内には、名古屋城や熱田神宮といった歴史的な観光地から、名古屋港水族館、レゴランドなどのレジャー施設まで幅広く点在しており、観光都市としても人気があります。また、栄・名駅周辺は百貨店やオフィスビルが立ち並ぶ大規模な繁華街で、ショッピングや飲食を楽しめるスポットも充実しているのが特徴です。
一方で、名古屋市は自動車産業を中心とした工業都市としての側面も持っています。トヨタ自動車をはじめとする多くの関連企業が集積しているため、働き先が多いというのも魅力の1つといえるでしょう。実際に転勤や就職で移住してくる人も多いです。
四日市市の基本情報

四日市市は三重県北部に位置し、人口約30万人を抱える県内最大規模の都市です。名古屋市まで電車で30分前後とアクセスが良好で、近鉄線やJR線が利用できるため、通勤・通学の利便性が高いのが特徴です。
四日市市内の中心部である近鉄四日市駅周辺には百貨店や大型商業施設が立ち並び、買い物や飲食に困ることはありません。ショッピングや娯楽施設が集まっている一方で、少し郊外に出れば自然豊かな環境が広がっています。都会らしさと自然のバランスが取れた住みやすい街といえるでしょう。
また、四日市市といえば、日本有数の工業都市としても知られています。石油化学コンビナートを中心に工場地帯が発展しています。そのため、就職や転勤で移住する方も多いです。
このように名古屋市と四日市市には、共通点が数多くあります。どちらに住むべきか迷っている方は、それぞれの違いについて正しく理解しておく必要があるといえるでしょう。
名古屋市と四日市市は住むならどっちがおすすめ?
名古屋市と四日市市を住む場所として比較する際は、いくつかのポイントに目を向ける必要があります。それぞれの魅力や特徴を総合的に判断した上で、どちらに住むべきか判断しましょう。
基本的には職場に近いエリアに住むべき
前提としてですが、基本的には職場に近いエリアに住むのがおすすめです。例えば、名古屋市内に職場がある場合、四日市市からでも通勤することは可能です。しかし、名古屋市で生活する場合と比べると、どうしても通勤時間は長くなってしまいます。
最初は良いかもしれませんが、後から通勤時間がハードルになるかもしれません。そのため、基本的には職場に近いエリアに住んだ方が良いと考えておきましょう。
家賃を重視するなら四日市市がおすすめ
なるべく家賃を抑えたいと考えているのであれば、四日市市がおすすめです。四日市市は三重県の中では家賃が高めですが、名古屋市と比べると安いです。そのため、家賃の安い物件を探している方にとっては、四日市市がおすすめといえるでしょう。
しかし、名古屋市も最寄駅次第では、家賃が安めの物件が見つかる場合もあります。そのため、家賃を重視したいと考えている方は、複数の不動産会社に相談して理想の物件を探してみてください。
生活のしやすさは名古屋市と四日市市で大きく変わらない
四日市市よりも名古屋市の方が商業施設や飲食店が多いため、生活がしやすいというイメージがある方もいるでしょう。確かに名古屋市は四日市市と比べると、各種施設が充実しています。しかし、四日市市でも生活に必要な商業施設や飲食店は数多く存在しています。
そのため、生活のしやすさにおいては、名古屋市と四日市市でそれほど変わらないといえるでしょう。もちろん「おしゃれなテナントがたくさん入っている商業ビルの近くに住みたい」「休日は色々な飲食店を巡りたい」と考えているのであれば、施設が充実している名古屋市に住むのがおすすめです。
しかし、必要最低限の生活をする上で、名古屋市と四日市市で生活のしやすさはそれほど変わりません。ただ、四日市市で生活するのであれば、近鉄四日市駅周辺に住まない限り、車が必要になる可能性が高いことは理解しておきましょう。
家賃が安いからという理由で四日市市に住んだとしても、車の維持費を含めると名古屋よりもコストが高くなってしまうケースは少なくありません。四日市市で生活するのであれば、近鉄四日市駅付近を中心に考えるのがおすすめです。
自然との触れ合いを重視するなら四日市市がおすすめ
自然環境を重視する方にとっては、名古屋市よりも四日市市の方が魅力的といえるでしょう。四日市市は伊勢湾に面しているだけでなく、背後には鈴鹿山脈が広がり、山と海の両方を楽しめる立地です。市内から少し足を伸ばせば御在所岳や湯の山温泉といった観光地があり、登山やハイキング、温泉巡りを気軽に楽しめます。
また、近鉄四日市駅周辺の市街地から車で20〜30分も走れば、自然豊かな環境にアクセスできるのも大きな魅力です。休日に自然と触れ合える環境があると、リフレッシュできるだけでなく、子育て世帯にとっては子供と一緒に自然を体験をする良い機会になります。
一方で、名古屋市は都市機能が充実している分、自然と触れ合える場所は郊外や隣県に出向く必要があります。そのため「便利さよりも自然の多さを優先したい」という方には、四日市市の方が住みやすいと感じられるでしょう。
新幹線を頻繁に利用するなら名古屋市がおすすめ
出張や旅行などで新幹線を頻繁に利用する方にとっては、名古屋市に住む方が便利です。名古屋駅は東海道新幹線の主要駅であり、東京・大阪方面へはもちろん、福岡や広島といった西日本へのアクセスも抜群です。1日に何本も新幹線が発着しているため、時間を気にせず移動できるのは大きなメリットといえるでしょう。
一方、四日市市から新幹線を利用する場合は、近鉄やJRを使って名古屋駅まで移動する必要があります。所要時間は30分前後と決して長くはありませんが、通勤ラッシュや乗り換えの手間を考えると、頻繁に新幹線を利用する人にはやや不便に感じられるかもしれません。
特に「毎月出張がある」「週に何度も新幹線を使う」といったビジネスパーソンにとっては、移動時間が日常生活の快適さに直結します。新幹線の利便性を最優先するのであれば、名古屋市に住む方が効率的といえるでしょう。
名古屋市で暮らす際の注意点

名古屋市と四日市市にはそれぞれ異なる魅力があります。しかし、生活をする上で注意しなければいけないポイントもあります。ここでは、名古屋市で暮らす際の注意点について解説するので、ぜひ確認しておきましょう。
家賃がエリアによって大きく異なる
名古屋市は中心部と郊外で家賃の差が大きいのが特徴です。特に名古屋駅や栄などの繁華街に近いエリアは利便性が高い分、家賃も高めに設定されています。一方で、地下鉄沿線から少し外れた地域では比較的リーズナブルな物件も見つけやすいです。
家賃を抑えたい方は、通勤・通学の交通手段を考慮しつつ、中心部から少し離れた場所を選ぶと良いでしょう。
交通渋滞が発生しやすい
名古屋市は車社会でもあるため、主要道路では通勤・帰宅ラッシュ時や週末に渋滞が発生しやすいです。特に名古屋高速や国道22号線などは混雑の多い区間として知られています。
公共交通機関を活用すれば渋滞を避けられますが、車をメインに生活する予定の方は、混雑時間帯や道路事情を把握しておく必要があります。
夏の暑さと冬の寒さに注意
名古屋市は夏は猛暑日が続き、冬は激しい寒さに襲われる寒暖差が激しい街となっています。特に夏は湿度が高く蒸し暑いため、エアコンの使用が欠かせません。光熱費がかさむ可能性があるので、生活コストとして見込んでおきましょう。
四日市市で暮らす際の注意点
名古屋市だけではなく、四日市市にも暮らす上で注意するべきポイントはあります。詳しく解説するので、しっかりと理解した上で四日市市への移住を検討してみてください。
車が必須になる地域が多い
四日市市は市街地の近鉄四日市駅周辺を除けば、鉄道やバスの本数がそれほど多くないため、車移動が基本になります。スーパーや病院、学校が徒歩圏に揃っていない住宅地もあり、車を所有していないと日常生活に不便を感じやすいでしょう。
家賃の安さを理由に郊外を選んでも、維持費を含めれば名古屋市と生活コストが変わらないケースもあるので注意が必要です。
工場地帯に近いエリアはにおいが気になることもある
四日市市は工業都市として発展してきた歴史があり、現在も石油化学コンビナートをはじめとする工場群が立ち並んでいます。公害対策は進んでいるため健康被害の心配はほとんどありませんが、風向きや立地によっては独特のにおいを感じることがあります。
特に工場地帯の近くで物件を探す場合は、実際に現地を訪れて確認しておくのがおすすめです。
夜間の繁華街の治安には注意
近鉄四日市駅周辺は商業施設や飲食店が多く、便利で住みやすいエリアです。しかし、繁華街に近い場所では、夜間に酔客の声や騒音が気になることもあります。住環境を重視するなら、駅周辺の中でも住宅街寄りの静かなエリアを選ぶと安心です。
移住先を決める際に重要な不動産会社の選び方
移住先を決める上で欠かせないのが不動産会社選びです。ここでは、移住先を決める上で重要になる不動産会社の選び方について紹介します。これから移住先を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
地元に密着した不動産会社を選ぶ
移住を検討するなら、その地域に根ざした不動産会社を選ぶことが大切です。地元の不動産会社は、大手には出ていない物件情報や、地域特有の暮らしやすさ・治安・交通事情といった細かな情報に精通しています。
名古屋や四日市のようにエリアの特色がはっきりしている地域では、地元に強い業者を頼ることで、生活に合った物件を紹介してもらえる可能性が高まります。
担当者の対応や相性を確認する
移住は人生の大きな転機となるため、不動産会社の担当者との信頼関係はとても重要です。質問に対して丁寧に説明してくれるか、物件のメリット・デメリットを隠さず伝えてくれるかをチェックしましょう。押し売りのような対応をしてくる担当者よりも、こちらの希望をきちんと聞き取って提案してくれる担当者の方が、安心して相談できます。
口コミや評判を事前にチェックする
実際にその不動産会社を利用した人の口コミは、サービスの良し悪しを判断するうえで貴重な情報です。Googleマップや不動産ポータルサイト、SNSでの評判を確認しておくと安心です。特に「対応が遅い」「説明不足で不安だった」といった声が目立つ会社は避けた方がよいでしょう。
名古屋市と四日市市はそれぞれに異なる魅力がある!
名古屋市と四日市市は、いずれも東海圏で暮らしやすい街として多くの人に選ばれています。名古屋市は新幹線や空港といった交通網が整っており、都市機能や就業機会が充実しているため、利便性を最優先したい人に向いている街です。一方で、家賃や生活費がやや高めになる傾向があり、生活コストを重視する場合は注意が必要です。
それに対して四日市市は、名古屋市よりも家賃相場が低く、自然が身近にあることから、落ち着いた暮らしを望む人に適しています。ただし、市街地を離れると車が不可欠となり、生活スタイルによっては維持費を含めて名古屋市と大きな差が出ないこともあります。
最終的には、自分や家族がどのような生活を送りたいのかを基準に考えることが重要です。実際に両方の街を訪れた上で移住先を選んでみてください。

