四日市市で行われている再開発工事とは?目的や内容を徹底解説!

現在、近鉄四日市駅の周辺を中心に、大規模な工事が行われています。これは『中心市街地再開発プロジェクト』と呼ばれており、2024年ごろから本格的にスタートしました。元々、四日市市の中心地である近鉄四日市駅周辺は人通りも多く、数多くの飲食店で賑わうエリアでした。そのエリアをより活性化させるために、再開発工事が行われています。

近鉄四日市駅を降りるとすぐに、工事を行なっている様子が見られます。もし、どのような工事が行われているか興味がある方は、この機会にぜひ近鉄四日市駅へ足を運んでみてください。本記事では、四日市市で行われている再開発工事の内容について詳しく解説します。

四日市市の再開発工事の目的

出展:photo ACより

四日市市の再開発工事の目的は多岐にわたりますが、端的に述べると「より住みやすく滞在したくなる街を作ること」にあります。四日市市は三重県の中では人口が多く、商業施設も充実しているため、住みやすい街ではあります。

しかし、同じく東海地方の名古屋市のように、交通網が充実しているわけではありません。近鉄四日市駅周辺は栄えていますが、車がないと生活できない地域があるのも現状です。それらをすべて解決するのは難しいですが、近鉄四日市駅周辺の環境を整備し、新たな交通手段を設けることで生活しやすくすることが、四日市市の再開発工事の目的です。

現在、ある程度の工事は完了しており、街の様子は様変わりしつつあります。興味がある方は、整備された四日市市の姿を見に行ってみるのも良いのではないでしょうか。

四日市市の再開発工事の内容

四日市市の再開発工事は、広範囲にわたって実施されています。その中でも、特に代表的な再開発工事の内容について、詳しく解説します。

バスタ四日市の設置

四日市市の再開発工事において、目玉ともいえるのが「バスタ四日市」の設置です。バスタとは「バスターミナル」の略称であり、既存の分散しているバス停を1つに集めて、利便性の高いバス乗り場を作るのが目的です。

ターミナル内には休憩スペースやカフェなども設けられ、交通機能と生活機能が融合した空間となる予定となっています。駅前ロータリーの整備と一体となって進められており、来訪者や通勤・通学者にとって利便性の高い交通拠点となるでしょう。

中央通りの再整備

四日市市の再開発の中核を成すのが、中央通りの再整備です。近鉄四日市駅からJR四日市駅までの約1.6キロメートルの区間では、従来の車中心の道路構造を見直し、歩行者と自転車が安心して通行できる空間を作ろうと工事が進められています。

車線の一部を削減し、歩道の拡幅と街路樹の整備を進めることで、歩きたくなる街の実現を目指しています。段階的に工事は進められているため、従来とは風景が大きく変わる日も近いでしょう。

次世代交通システムの導入

四日市市の再開発では、次世代の交通システムの導入にも力が入れられています。過去には、自動運転バスや超小型EVの公道走行実験が実施されており、ローカル5Gや信号協調などの先端技術も積極的に活用されています。

将来的に四日市市独自のMaaS(Mobility as a Service)を実現するための土台として、現在工事が進められているのです。移動手段の多様化と効率化により、高齢者や子育て世代を含むすべての市民が安心して移動できる環境を整えることが、新しい交通システムを導入する目的です。

スマートインフラの整備

四日市市では、再開発と並行してスマートインフラの整備も進められています。具体的には、AIカメラや環境センサー、スマート街路灯などを活用し、都市全体の安全性と利便性を高めるインフラ基盤を構築しています。

さらに、3D都市モデルを活用したまちづくり支援や、無料Wi-Fiの整備なども行われており、市民と観光客の双方にとって過ごしやすい環境になりつつあるといえるでしょう。また、公園や駅前空間の運営には、地元団体や事業者が連携するエリアマネジメント体制が導入され、市と市民が一体となった持続可能な都市経営を実現しつつあります。

円形の歩行デッキの設置

バスタ四日市の設置と合わせて進められているのが、円形の歩行デッキの設置です。四日市の中央道路は交通量が多く、横断するのが容易ではありませんでした。信号も細かく設けられているのですが、渋滞の原因にもなっています。

中央道路を横断するように円形の歩行デッキを設置することで、タクシー乗り場やバスターミナルにアクセスしやすくなります。中央通りの移動のしやすさに大きく影響する施設になると考えられるでしょう。

四日市市の再開発工事によって考えられる経済効果

出展:photo ACより

四日市市の再開発工事は非常に大規模であり、大きな経済効果を生むと考えられます。具体的にどのような影響を及ぼすと考えられるか、詳しく解説します。

中心市街地活性化に伴う消費の拡大

バスタ四日市が設置されれば、当然ですが中心市街の人通りは増えます。四日市からは名古屋や東京などに移動するためのバスも出ています。他の地域から訪れる人の多くがバスタ四日市を利用すると考えると、必然と周辺地域の消費は拡大するでしょう。

四日市市全体の経済の発展に大きく影響する可能性もあります。四日市市の明るい未来を作るための第一歩として、バスタ四日市の存在は非常に大きいといえるでしょう。

新たな施設の誕生による雇用の拡大

再開発は建設期に雇用を生み出すだけではなく、完成後には数多くのテナントがバスタ四日市に出展するため、商業・サービス業の雇用を支えることにもつながります。

再整備された駅前空間、バスターミナル、公園などがカフェやイベント施設として活用されれば、新たな雇用機会を生み出すかもしれません。また、AIやローカル5Gといったスマート化の導入はIT関連や運営管理などの仕事にも影響を与えるでしょう。

四日市市の再開発工事の問題

四日市市再開発工事は、多くの市民を幸せにするための工事です。そのため、工事が予定通り行われれば、私たちの生活がより豊かになるのは間違いありません。しかし、問題や課題も存在します。

例えば、四日市市は元々ある市立図書館をスターアイランドの跡地に移設する予定でした。しかし、物価の高騰に伴って、市立図書館の移転計画は断念されてしまいました。このように、社会情勢の変化に伴って、一部の工事が断念される結果になるかもしれません。

現在は世界的な不況であり、物価も高騰し続けています。工事用資材も高くなっており、当初よりもはるかに高額な費用が工事にかかると予想されます。そのため、工事を予定通り進めるというのは難しいかもしれません。これが四日市市の再開発工事における最大の問題といえるでしょう。

四日市市の再開発は未来への第一歩

四日市市の中心市街地再開発は、単なる都市整備にとどまらず、「誰もが暮らしやすく、訪れたくなる街」を目指す大規模なプロジェクトです。近鉄四日市駅周辺を中心に、バスターミナルの新設、中央通りの歩行空間整備、スマートインフラの導入など、多角的なアプローチで街の価値を高めようとしています。

再開発により、人の流れが生まれ、商業施設やカフェの活性化、雇用機会の創出といった経済的効果も期待されています。自動運転バスやローカル5Gといった先進技術の導入も、四日市市を次世代型都市へと導くポイントとなるでしょう。

一方で、図書館の移転断念のように、計画の見直しを余儀なくされる場面もあり、今後の物価変動や予算配分が課題となる可能性もあります。しかし、それでも着実に進められている工事のひとつひとつが、四日市市の暮らしやすさを大きく変えるものとなるはずです。

今後の進捗に注目しつつ、新しく生まれ変わる四日市市の姿を、ぜひ実際に目の当たりにしてみてください。

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