「都会の暮らしに疲れ、自然に囲まれた地域で自分らしく働きたい」と感じていませんか？
そんな方は、きっと自分のペースで仕事をしたい、生活費を抑えながら安心して暮らしたいと考えているはずです。
本記事では、三重県での移住と起業に関心がある人に向けて、支援制度や準備のステップを分かりやすく紹介します。
「三重県へ移住・企業を考えている」そんな方は、ぜひ最後までご覧ください。
三重県への移住と起業は相性がいい？その理由とは
三重県で起業する人が増えている背景
三重県は、都市圏からのアクセスが良く、自然と都市機能のバランスが取れていることから、近年移住者と起業家の両方から注目を集めています。
特に名古屋・大阪からのアクセスは良好で、「地方すぎない地方」として注目されています。
実際に、三重県は国が推進する「地方創生起業支援事業」や「移住支援金」などを積極的に導入しており、これらの制度を活用して三重に移住・開業する人が増えています。
都市の喧騒を離れて、新しい生き方をしたいと考えている方にとって、三重県はまさにその第一歩にぴったりの場所です。
三重県移住者は幅広い分野で活躍！
地方での起業というと「農業」や「カフェ」などを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、実際に三重県に移住して起業する人たちは、農業、飲食店、観光サービスのほか、IT系のリモートワーク事業やハンドメイド販売など、幅広い分野で活躍しています。
例えば、志摩市では、移住者と地元観光が連携して地域活性化に貢献している事例があります。
このように、三重県ならではの地域資源と組み合わせることで、他にはないビジネスを展開できるのが三重県の魅力です。
参考：FURUSATO「サーフィンによる移住定住促進及びまちづくり：地域おこし協力隊募集」
移住×起業が選ばれる理由
三重県を選ぶ最大の理由のひとつは、生活コストの安さです。特に住居費は都市部と比べて半額以下になることもあります。
さらに、三重県の豊かな自然は、育児や家族の健康にも良い影響が大きいです。都会では味わえない地域との繋がりや、顔が見えるコミュニティも起業後の信頼づくりに大きな力を発揮します。
大阪から三重に移住してきた筆者が感じる「三重県の魅力」の以下記事もぜひ参考にしてください。
三重県の移住×起業の支援制度を徹底解説
三重県起業支援金とは？最大200万円を受け取れる制度
三重県起業支援金とは、東京23区から地方へ移住し、地域課題の解決につながる社会的事業を新たに始める人に対して、最大200万円の起業支援金を交付する国の制度です。
この制度は、人口減少や地域経済の衰退といった課題を抱える地方に、新たな価値を生み出す人材を呼び込むことを目的としています。
起業支援金の支給対象となるのは、「地域の課題解決型ビジネス」を行うことが条件です。例えば、高齢者支援、観光資源の活用、地域の雇用創出など、地域に根ざした内容であることが求められます。
三重県起業支援金の概要は以下の通りです。
✔️ 支援の対象
【移住・起業タイミング】
令和6年4月1日以降に移住し、個人事業または法人を設立、代表者となること。
またはSociety 5.0関連分野での第二創業も対象。
【居住要件】
申請時に三重県外から転入1年以内で、かつ転入後5年以上継続して居住する意思がある方
【他補助制限】
既に国・自治体の創業補助金等を受けている場合は対象外
✔️ 対象となる事業内容
地域課題の解決を目的としており、地域で不足しているサービスや社会的課題に対応していること
デジタル技術を活用し、自律的に収益を上げられるビジネスモデルであること
✔️ 支給内容と補助率
補助率：対象経費の1/2以内
上限額：200万円まで
対象経費：人件費・店舗賃借料・設備費・備品・広告宣伝費など
また、この支援金は移住支援金（最大100万円）との併用も可能です。つまり、合計最大300万円の支援を受けながら、三重県で新たな事業をスタートできます。
ただし、申請には市町村への事前相談や、事業計画書の提出、認定審査など複数のステップがあるため、余裕をもった準備が必要です。
詳細は＜内閣府地方創生推進事務局＞や＜三重県公式サイト＞で確認できます。
三重県の移住支援金｜東京圏からの移住で最大100万円
起業支援金とセットで使えるのが「移住支援金」です。東京23区内に在住、または23区へ通勤していた人が、三重県へ移住し就業・起業した場合に最大100万円が支給されます（世帯の場合）。
単身でも60万円の支援があり、引っ越しや家財の購入など初期費用の助けになります。
申請には「三重県の移住支援事業に登録された自治体への転入」「対象となる就業・起業の実施」など条件がありますが、該当すればかなり実用的な制度です。
- 対象となる三重県の市町
津市、四日市市、伊勢市、松阪市、桑名市、鈴鹿市、尾鷲市、亀山市、鳥羽市、熊野市、志摩市、伊賀市、東員町、多気町、明和町、大台町、玉城町、度会町、大紀町、南伊勢町、紀北町、御浜町、紀宝町
参考：美し国みえ「移住支援金」
三重県の市町別 起業・移住支援制度比較（津市・伊賀市・松阪市ほか）
三重県内でも市町によって支援内容は異なります。
- 津市：最大10万円の創業支援補助金あり。創業スクール（津市商工会議所主催等）も充実
- 伊賀市：空き家バンク物件の活用で賃料補助。移住者向けの補助金もあり
- 松阪市：事業内容に応じて起業支援金を増額可能。女性・若者向けサポートも手厚い
このように、どこに移住するかによって支援内容が大きく変わるため、「三重県のどの市町に住むかはまだ決めていない」という方は、比較して選ぶことをおすすめします。
上記支援金については、以下の記事でさらに詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
補助金・助成金の注意点｜後払い、審査、必要書類
補助金は基本的に「後払い」が原則です。つまり、いったん自費で支出したあと、証明書類を提出して精算されます。
また、申請には事業計画書や見積書、領収書など多くの書類が必要で、書き方にミスがあると審査で落ちることもあります。
そのため、補助金・助成金を利用する際は、スケジュールに余裕を持って準備しましょう。
三重県への移住×起業のための準備と手続き5ステップ
ステップ1｜なぜ三重県で起業したいのかを明確にする
最初にやるべきことは、「なぜ三重県で起業するのか」という目的をはっきりさせることです。
この動機があいまいだと、事業計画にもブレが生まれ、支援制度の審査で不利になる可能性があるからです。
例えば「自然に囲まれて子育てしたいから」「地域と関わる仕事がしたいから」「東京の生活コストに疲れたから」など、自分の中で起業と移住の動機を言語化してみましょう。
この目的が明確になることで、どの市町村を選ぶか、どの支援制度を活用すべきかといった判断もスムーズになります。
目的を明文化することで、周囲の理解も得やすくなり、面談や書類作成の際にもブレない軸となります。
ステップ2｜事業アイデアと計画を固める
次に、どんな事業をやるか、どのように収益を上げるかを具体的に詰めていきます。
このステップは、単なる思いつきではなく、「誰のどんな課題をどう解決するか」を考えることがポイントです。
例えば、「地域の高齢者が買い物に困っているから移動販売をする」「観光客に向けて地元体験のツアーを作る」など、地域課題と自分のスキルを結びつける視点が大切です。
また、売上見込みや経費、利益率を含めた簡単な事業計画書もこの時点で作っておきましょう。
三重県の支援金を申請する際には、必ず計画書の提出が求められるため、早い段階から整えておくと安心です。
事業計画は一度で完璧にする必要はありません。無料で相談できる「よろず支援拠点」や「商工会議所」などを活用しながら、ブラッシュアップしていくことをおすすめします。
ステップ3｜物件探しと移住候補地を選定する
起業と移住を同時に進める際に悩みやすいのが「どこに住むか」「どこで事業をするか」です。
なぜなら、地域によって支援制度の内容や空き家バンクの使いやすさ、住環境が大きく異なるからです。
例えば、松阪市では若手起業家向けの支援が充実しており、津市には創業スクールや創業補助金制度があります。志摩市では観光資源を活かした起業がしやすく、空き店舗の改装費を助成する制度もあります。
また、物件探しでは「空き家バンク」を活用しましょう。自治体が管理しているため、安心して交渉が進められ、補助金が使えるケースもあります。
店舗兼住居を探す場合は、水道・ガス・電気の引き込みや、建築基準法の制限も事前に確認しておきましょう。候補地は実際に訪れて、地域の雰囲気や人との相性を感じ取ることも大切です。
ステップ4｜支援制度の相談と申請を進める
事業と移住の方向性が固まったら、いよいよ支援制度の相談・申請に移ります。
ここでは「誰に相談するか」「どの制度を申請するか」が大切です。まず相談先として頼れるのは、以下のような機関です。
- 三重県内各市町の移住・定住窓口
- 商工会議所（創業支援や融資相談も可）
- よろず支援拠点（三重県産業支援センター）
- 日本政策金融公庫（創業融資）
制度ごとに、申請期間や必要書類、補助対象経費が異なります。申請書類では、「事業の社会的意義」「実現可能性」「地域への貢献」などが重要な評価ポイントになります。
制度ごとに細かい条件があるため、必ず自治体や担当部署に確認しましょう。
ステップ5｜実際に開業し、地域に根ざす
支援金の申請が通ったら、いよいよ事業のスタートです。
とはいえ、開業後すぐに軌道に乗るとは限りません。だからこそ、地域と良好な関係を築くことが成功への近道になります。
例えば、起業時には地域の人たちにチラシを配ったり、地域イベントに参加したりして、自分の存在を知ってもらいましょう。
また、SNSやブログでの情報発信も効果的です。地元住民や観光客、移住希望者に向けて、自分の活動を継続的に伝えることで、信頼とファンを築くことができます。
開業後の困りごとは、地域の先輩起業家や支援機関に相談してみましょう。商工会や地域団体と繋がることで、新たなチャンスも生まれます。
「地域で暮らし、地域とともに稼ぐ」ことが、三重県での起業成功には大切です。
三重県への移住×起業の成功事例から学ぶ
実際に三重県に移住し、起業を成功させた人たちの体験には、これからの計画に役立つヒントがたくさんあります。ここでは、代表的な2つの事例をご紹介します。
空き家を活用して雑貨屋を開いた女性起業家
三重県松阪市に移住した30代女性は、空き家バンクを利用して古民家を借り、おしゃれな雑貨家「GreenDale」をオープンしました。地元の人との繋がりを大切にし、商品販売を工夫しながら、SNSでの発信も欠かしません。
もともと愛媛県出身の彼女は、小さな子どもがいる中で「働きに出るのは大変」と感じ、開業を決意。移住＋起業によって、自分のやりたいことと生活のバランスを手に入れました。
➤ なぜ大台町を選んだのか
子育て環境を重視し、ご主人の実家がある大台町へ。幼い子どもがいたため、勤めに出るのが難しかったことから「自分で店をやってみれば？」と背中を押されたことが始まりでした。
➤ ネットショップから実店舗へ
最初はネットショップを立ち上げたものの、想いを形にするには実店舗が必要と判断。松阪市周辺や大台町の空き店舗バンクを探し、古い商店街の一角を選びました。
➤ 店舗の改装はDIY
内装はご主人とタッグを組み、週末に少しずつDIYで改装。大家さんからの自由な許可もあって、約3ヶ月かけて自身の理想の空間が完成しました。
➤ 地域と共に育つお店
移住＆開業を実現した女性は「大台町は自然に囲まれ、人が優しい」と語ります。改装中に近所のおばあちゃんが声をかけてくれたことが、その温かさを象徴している出来事として記憶に残っています。地元客やSNSで来る遠方のお客さんも増えており、雑貨・食器・古本など豊富な品ぞろえを誇っています。
➤ お店について
営業日：日曜日 11:00～16:00
商品：季節雑貨、食器、古本など
公式Instagram：＠greendale_store
彼女の移住＆開業の挑戦は、「子育てしながら自分らしく働きたい」という想いや、地域との繋がりを大切にした三重県でのスローライフ実現へのひとつの答えでもあります。
「GreenDale」は、三重県に移住し起業を志す人にとって、まさにロールモデルともいえる存在ではないでしょうか。
参考：大台町観光協会 公式HP「【お店紹介】雑貨屋さん GreenDale」
伊賀へ移住し、ITと農業を両立
次にご紹介するのは「本業を活かしながら新しい挑戦をした」男性の例です。
元エネルギー関連分野のサラリーマンだった村山邦彦さんは、約15年前に三重県伊賀市へ移住し、有機農業に取り組み始めました。これらは都市と地方を繋ぐビジネスモデルとして、注目を集めています。
➤ 起業のきっかけ
当初は単なる有機野菜の生産からスタートしましたが、地域農業の現場での人手不足に課題を感じ、IT技術と農業を融合させる可能性を模索し始めたのが企業のきっかけです。
➤ IT活用の取り組み
村山さんは、小規模の農業者同士が協力して人材を共有するためのオンライン・データベースシステムを開発。これにより、複数の産地で働ける「シェア雇用」の仕組みを実現。
➤ 外国人人材との連携
農林水産省の支援を受け、特定技能をもつ外国人労働者を伊賀市や鈴鹿市など複数の農家に派遣。
人手不足の解消と人材育成を目的にした国際的な仕組みとして注目されています 。
村山さんの活動は、IT×農業で社会課題に挑む「三重県の移住＆起業」の好例と言えます。
幅広い人材と協力しながら、自律的な農業の未来を創ろうとする彼の姿勢は、三重県で新たな一歩を踏み出そうとする方々にとって大きなインスピレーションになるでしょう。
参考：マイナビ農業「日本の地域農業を変える起爆剤に！小規模生産者と外国人人材を繋ぐ仕組みづくりへの挑戦」
三重県への移住×起業のよくあるQ&A
ここからは、三重県での移住×起業に関するよくある質問とその答えを紹介します。
Q. 支援金は必ずもらえる？審査で落ちることもある？
A. 支援金は、条件を満たしていれば誰でも受け取れるわけではありません。
提出書類の不備や、事業計画の実現性に疑問がある場合は、審査で不採択になることもあります。
ポイントは、「なぜその地域で、その事業をするのか」をきちんと説明できるかどうかです。信頼できる事業計画を準備して、相談窓口に早めにアドバイスをもらいましょう。
Q. 副業でも対象になる？どこまでが「起業」？
A. 副業であっても、収益を目的とした活動であり、かつ事業として自立する見込みがあれば、対象となる可能性があります。
起業支援金の対象は主に「地域課題の解決に繋がる事業」や「継続性が見込まれる事業」とされています。この要件に該当していれば、対象になりえます。
ただし、「趣味の延長」や「利益が出ない活動」と判断されると対象外になるため、収益モデルはしっかり構築しましょう。
Q. 起業のアイデアがまだ曖昧でも支援は受けられる？
A. アイデア段階でも支援を受けられる場合はありますが、申請時には具体的な事業計画が必要です。
そのため、早い段階で「よろず支援拠点」や「商工会議所」などの相談窓口を活用し、事業計画をブラッシュアップすることが重要です。
Q. 子育てや教育環境も気になるけど大丈夫？
A. 三重県は子育て支援も充実しています。
例えば、いなべ市は待機児童ゼロを維持しており、津市では教育熱心な校区も多くあります。起業を目指す親世代にとって、子育て環境が整っていることは大きな安心材料です。
まとめ｜三重県での移住×起業で、自分らしい働き方を実現しよう
三重県は、生活コストの安さ、自然の豊かさ、そして手厚い起業支援制度がそろっている、理想的な移住・起業の地といえます。
「自分らしく働きたい」「地域と繋がって暮らしたい」そんな想いを持つ人にとって、三重県はきっとぴったりの選択肢になるでしょう。
成功のポイントは、「早めの情報収集」「地域との信頼関係」「実現可能な事業計画」の3つです。
思い立った今が、人生を変えるチャンス。まずは、移住相談窓口や支援制度のサイトをチェックして、一歩踏み出してみてください。
