【いなべ市】関東(埼玉)在住から見たいなべ市の【イメージ】と移住を後押しするための【提案】
※当記事は埼玉在住の方に執筆頂きました。
この記事では、埼玉に住む方からお伺いした、いなべ市へ移住する想定で同市の移住に関するサイトや情報を見た時に感じた、改善のためのアイディアを紹介します。
筆者個人の見解も含まれますが、関東に住む人間が抱く、いなべ市、及び三重に対するリアルな感覚も反映されている思います。
いなべ市のイメージ
埼玉に住んでいる筆者にとっていなべ市は、今回この記事を執筆するにあたり、初めて知った市でした。やはり松阪市の松阪牛や、伊賀市の忍者など、全国的に知名度のある”なにか”がないと、三重県の中の1つの市が関東まで知られるのは難しい気がします。
ただし、個人的には知名度がない、知られていないことは決して移住者を呼ぶ上でネガティブ要素にはならないと思います。知らないからこそ、どんな場所なのか興味も湧くからです。
いなべ市に興味を持ってもらうためには
東京や、関東在住者にいなべ市に興味を持ってもらう方法を、筆者なりの視点やアイディアを入れてお伝えします。
「知られていない」ことを逆手に取る
全国的に知られるブランドなどがないことを逆手に取って、いなべ市にしかないものを積極的にネット、SNSなどを使って発信していくといいと考えます。
自然が豊かなようなので、「映える」景色を載せていくのも手だと思います。
個人的には次のサイト(いなべに行こに。)のトップ画像の1つに出てくる、北勢町の田園風景の背後に工場群のある風景に心惹かれました。
こうした、東京では見られない景色を載せていくことで興味を持ってもらえると思います。
そしてそれは、地元の観光地の風光明媚(ふうこうめいび)な景色とは限らず、むしろそうではない、地元の人しか知らないような風景の中にこそある気がします。まさに、「知られていない」景色だからこそ、価値が出るのです。
そうした情報を吸い上げ、市として発信するためには、市と各自治体が目的意識を共有し、連携することも大切です。
県内2位の住みやすさ
次のサイト(いなべに住もに)によれば、いなべ市は「全国住みよさランキング」において、県内2位のようです。
https://www.city.inabe.mie.jp/res/projects/default_project/_page/001/004/086/sumoni.pdf
もちろん、1位であれば言うことはありませんが、2位でも、三重県を移住先に考えている人にとっては、充分アピールポイントになると思います。
充実の子育て支援
県内2位の住みやすさを誇るだけあり、いなべ市は子育て支援にも力を入れているようです。
https://www.city.inabe.mie.jp/kosoate/kosodate/index.html
補助金といった、経済面の支援だけでなく、子供の成長に合わせて保育士が自宅を訪問したり、親子で参加できるイベントも開かれているようです。
https://www.city.inabe.mie.jp/kosoate/kosodate/kosodateshienjoho/index.html
こうした取り組みは、子育て世代の移住検討者にはアピールポイントになるでしょう。
国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」開催地
いなべ市のことを調べていく中で、同市が国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」の開催地の1つであることを知りました。
https://www.ijyu.pref.mie.lg.jp/html/city.php?no=20160106181647
サイクリングが趣味な人は全国的に増えており、東京でもロードバイクに乗っている人は沢山います。そうした中で、国際的なロードレースが開かれる地であることは、大きなアピールポイントになると思います。
このことは、もっと強くアピールして良いと思います。
三重県にとっても、鈴鹿の鈴鹿8耐と合わせて、バイク、自転車どちらの「二輪」でも大きなイベントを持つ県として、アピール材料になるのではないでしょうか。
さきほど、知られていないことも強みになるということを書きました。
しかし、このロードレースのように、全国的なイベントが開かれているのであれば、積極的に発信していくべきです。
「いなべ市といえば〇〇が開かれる場所」、というように、興味を持ってもらうきっかけになるからです。
そのために、さらにもう一歩踏み込んで提案するなら、前述のロードレースはいなべ市が主催ではないため、開催地が変えられてしまう可能性があります。
ですから、時間はかかりますが、やはり、市や自治体が主催し、コントロールできるイベントを立ち上げ、それを盛り上げ、アピールしていくことも大切です。
若者が活躍できることをアピールする
飲食店や雑貨屋など、自分の店を持ちたい、何か商売をしてみたいと思っている若者は多いです。あるいは、アトリエや、自分が作ったものを展示したり売る場所が欲しいと思っている若手アーティストも沢山います。
しかし東京ではテナント代も高く、他店との競争も激しいため、実現には高い壁があります。
そうした、自分で何かかやりたい、けれど実現できていない若者へ、下記サイトの記事は響くと思います。
このサイトの記事を読めば、自分もいなべ市(阿下喜地区)で何か出来るかもしれないと思えますし、実際に記事ではそのようにして若者がつどってきていることが紹介されています。
ただ、気になるのはこの記事が2019年のものであることです。
コロナ禍もあり、厳しい状況もあるのかもしれませんが、継続的にこうした「移住して夢を叶え、奮闘している若者」を紹介することは大切でしょう。
そうした発信を地道に継続することで、移住や起業に興味を持つ若者達の間に、いなべ市のことが伝わっていくからです。
“よそ者”が街を元気に! 移住する若者が続々 SNS時代の地域活性化とは 三重・いなべ市
いなべ市への移住を後押しするために
次に、いなべ市への移住を後押しするために、足りていないと思われることや情報を考えてみます。
正直なネガティブ情報
移住促進、という立場に立つと、どうしても魅力ばかり伝えがちです。
しかし、移住検討者は良い面だけでなく、悪い面、不便なところも知りたいと思っています。真剣に移住を考えている人ほど、そうした、建前でない、本音の正直な情報が知りたいものです。
「こうしたところは足りてないが、将来的にこうしようと思っている」、といったビジョンや計画、改善のための取り組みと共に伝えれば、ネガティブ情報もそこまでマイナスの印象にはなりません。
もしくは、地理的な条件など、改善しようがない事柄であれば、思い切って、〇〇は不便です、と認めてしまい、その上で、けれど代わりに〇〇があります、といった良い面とセットで伝えるのも手です。
「田舎なので、近くにコンビニはありません、けれど、山や川など自然が近くにあり癒されます」、といった具合です。
あえて正直にネガティブ情報を載せることで、ポジティブな情報の信ぴょう性も上がります。
移住して実現できることや生活を発信する
移住検討者の中には、移住先でやりたいことや、してみたい生活がある人も多いです。そうした人達にとって、移住先選びの指針は、思い描いたことや生活ができそうかどうかです。
ただ、実際にその地に住んだことがないため、なかなかそれを正確に判断するのは難しいです。
しかも、一度移住してしまったら、他に移るのも難しいため、余計慎重になります。
ですから、市の方から、いなべ市に来るとこんなことができます、こんなことがしたい人に向いてます、ということをアピールするのも良いと思います。
市のアピールと合致する思いを抱いている人にとっては移住の後押しとなるでしょう。
また、漠然と地方への移住を考えている人にも、そういう生活ができるなら、と興味を持ってもらえる可能性があります。
移住支援担当部署の職員からのメッセージ
市の移住支援を担当している部署、いなべ市の場合なら「都市整備部 住宅課」になるのでしょうか、そうした部署からの移住検討者へ向けた、あたたかいメッセージがサイトなどに載っていると良いなと思います。
どんなに美味しいお店でも、店員の態度が悪いと入りたくないのと同じで、いなべ市がどんなに素敵な市だとしても、その窓口となる職員がそっけなかったり、冷たかったりすると、一気に気持ちが萎えてしまいます。
移住検討者にとっては、担当部署の職員の態度がそのまま、いなべ市民の移住者に対する態度のように感じられてしまうのです。
逆に、移住を歓迎するような、不安を払拭させてくれるようなメッセージが載っていれば、それだけで安心できますし、ちょっと、疑問に思っていることを聞いてみようかな、という気にもなります。
そこから、移住へ向けて具体的な話が進むかもしれません。結局、最終的に移住の決め手になるのは、「人」な気がします。
少なくとも、環境が同じような土地であれば、担当者や、そこに住む人が優しそうな方を選ぶでしょう。
そういう意味でも、移住検討者が初めに接することになる、担当部署の職員がポジティブなメッセージを発信することは大切だと思います。
まとめ
今回、いなべ市の移住支援の取り組みを調べてみて、同市が、移住検討者に市の魅力を丁寧に伝えようとしているのが伝わってきました。実際、記事本文にも書きましたが、様々な魅力に満ちた市だということもわかりました。
あとは、いなべ市のことを知ってもらうきっかけ作りにより力を入れ、移住検討者が移住後の生活を想像でき、安心できる情報を発信していくことで、より多くの人がいなべ市に興味を持ち、移住する人も増える気がします。