三重のナローゲージに乗ろう!&おすすめ沿線スポット②
三重は鉄道で有名な県でもあります。
三重北部を走る路線は「ナローゲージ」路線として全国でも珍しい鉄道です。
そこで前回のあすなろう鉄道編に続き、②では三岐鉄道北勢線とその沿線オススメスポットについてご紹介させていただきたいと思います。
北勢線は、三重県北部 桑名市と員弁市を走る鉄道です。
車体は、黄色もしくは黄と緑のツートン、現在では期間限定(2025年3月末予定)サッカーチームのヴィアティン三重仕様の車両が走っています。
まず三岐鉄道北勢線の歴史について簡単に。
江戸時代、政治的にも経済的にも桑名の城下町と強く結びついていた員弁と、桑名を行き来する動脈として、馬車や人力車に代わる手段として鉄道を求める声が高まったのが発端です。
地域の有志によって鉄道路線の要請が政府に出され、ついに明治45年付けで大山田村(現在の桑名駅ですね!)ー阿下喜村区間で軽便鉄道の免許が無事下り、設立されたのが北勢鉄道株式会社というわけです。
北勢線の日本イチ!2つ
日本最長の旅客ナローゲージである
北勢線は、お客さんを運ぶナローゲージ路線としては日本最長の距離を誇ります。
西桑名駅から阿下喜駅まで、20.4kmを50分弱で走り抜けます。
ナローゲージ駅としては日本最「西」端の駅!
ちなみに2位は富山県、黒部渓谷鉄道本線で、20.1kmとのこと。
終点の阿下喜駅は、ナローゲージ路線では日本最西端の駅とされ、構内の柱に表示があります。
日本のほぼ中央に位置する、三重県に日本最西端の駅が存在するのも変な感じですが。
次に、沿線のオススメスポットを紹介させていただきます。
日本唯一の3種類の線路幅が揃う踏切
実は桑名市には日本で唯一、3種類の線路幅が揃う踏切があります。
軌間762mm、1,067mm、1,435mmの3種類の路線がすべて揃う場所は日本でここだけで、
この3つの線路を歩いて渡れる踏切もあります。
跨線橋から見るとこんな感じ。
踏切は狭いですが徒歩か自転車で渡ることができます。
走井山公園
馬道駅を下車、階段を登るとあります。
戦国時代に矢田城があった場所に造られた公園です。
お花見シーズンがおすすめで、
春には100本以上の桜が咲き乱れる花見の名所として市民に知られています。
所在地:三重県桑名市立花町1丁目4
めがね橋 ねじり橋
そして何と言っても北勢線のオススメ撮影スポットがこちら、
めがね橋とねじり橋です。
めがね橋
全国に数多く存在する眼鏡橋。
なかでも、大変めずらしいコンクリートブロック製です。
水面に橋が映るとアーチが円に見え、メガネの様に見えることからめがね橋と言われるそうです。
所在地:〒511-0221 三重県いなべ市員弁町下笠田147
ねじり橋
江戸時代に作られた「六把野井水」に架かる橋で、橋と用水が斜めに交差するため、アーチ下部のブロックがひねりをいれて積まれています。
タイミング良くビアティン車両が通る所を撮れました
思っていたより橋が大きく、そのその存在感に圧倒されます。
めがね橋、ねじり橋どちらも、大正5年に竣工されたもので、その高い技術や価値から「土木学会選奨土木遺産」に選定されています。
所在地: 三重県いなべ市員弁町下笠田
めがね橋、ねじり橋をGoogleマップで見る
両方の橋どちらも徒歩で歩ける距離にあるので、楚原駅で下車し、徒歩で行かれることをオススメします。徒歩15分ほどでねじり橋に行くことができます。
路上駐車、私有地立ち入り禁止、ゴミは持ち帰る…などなど、公共マナーを守って観賞しましょう!
東員駅のコスモス畑
東員駅の南側は、広大な畑になっており、10月中旬~下旬にかけてコスモス畑を楽しむことができます。
ピーク時にはこのような景色が見られます。
桑名宗社
西桑名駅から東に足を伸ばしていただくと、石取り祭で有名な桑名宗社「春日神社」があります。
「春日さん」の名前で地元の方たちに親しまれ、祈祷、七五三、結婚式など多くの人が訪れます。
また 毎年8月第一日曜日に本祭が行われる「石取り祭」は、「日本一やかましい祭り」として知られています。
周辺には商店街もあり、定期市も開催されたりと活気づいていますので、歩いてみるのもオススメです。
阿下喜駅 軽便鉄道博物館
阿下喜駅の隣にある、ナローゲージ唯一の博物館です。
実物の電車とパネルなど貴重な資料を展示しています。
ミニ電車ホクさんに乗車できます。
開館日時:毎月1・3日曜 10~16時(1月のみ第2・3日曜)
公式HP:北勢線 阿下喜駅前 軽便鉄道博物館
パーク&ライドの三岐鉄道
三岐鉄道の多くの駅は通勤・通学の方向けに駐車場・駐輪場がありたくさんの学生や通勤者が利用しています。
大人1,200円、小児600円で乗り放題のお得なチケットもあります。
発売箇所
三岐線 各駅(西野尻除く)
北勢線「阿下喜」「楚原」「東員」「星川」「西桑名」
終わりに
ナローゲージ路線は地域の人々の生活に溶け込みすぎて普段はその魅力に気づかずに利用されています。車両の幅が狭く、高校生くらいの背丈であれば、座って足を伸ばせば向かい合わせの席の椅子に届きます。他路線よりも独特な感じを味わえます。
改めて地元を見直すと、こんなに魅力的な路線が三重にあることを誇りに思います。
三重を訪れた際はぜひ乗ってみてください。
参考文献
・「北勢線沿線ガイドブック」 平成27年
・「北勢線90年小史」2004年
・ 三岐鉄道 パンフレット