三重県の海と聞くとどのようなイメージがあるでしょうか。あまり良い印象を抱いていない方もいるでしょう。実際に三重県は過去に公害が発生したという歴史があり、環境面で良い印象が定着していないのも事実です。
しかし、三重県が環境面で問題を抱えていたのは過去の話です。現在では様々な取り組みにより、他県に負けないくらいの綺麗な海を数多く抱えています。本記事では、三重県の海の綺麗さについて詳しく解説します。
三重の海は汚いと思われやすい理由

三重県の海は、実際には透明度の高いエリアが数多く存在するにもかかわらず、「あまり綺麗ではない」という印象を持たれやすいです。なぜ三重の海は誤解されやすいのか、その理由を詳しく解説します。
工業地帯のイメージが強く残っている
三重県と聞いて、海よりも工業地帯を思い浮かべる人は少なくありません。特に伊勢湾沿岸は、四日市市を中心とした工業地帯の存在や、高度経済成長期に公害問題が注目された歴史から、「海が汚れているのではないか」という印象が定着しました。現在では水質改善が進み、当時と比べて大きく環境は回復していますが、過去のイメージだけが記憶として残り続けているのが実情です。
伊勢湾全体で判断されてしまう
三重県の海はエリアによって性質が大きく異なりますが、その違いがあまり知られていません。伊勢湾側の印象が県全体の評価として広がり、「三重の海=伊勢湾=濁っている」という短絡的な認識につながっています。実際には、太平洋に面したエリアでは海の色や透明度がまったく異なり、同じ県内とは思えないほど表情が変わります。
伊勢志摩以外の海が知られていない
三重の海といえば伊勢志摩を思い浮かべる人が多く、それ以外の地域の海はほとんど認知されていません。観光地としてのブランド力が高い一方で、「伊勢志摩以外は特筆するほどではないのでは」という誤解が生まれやすくなっています。その結果、実際には美しい海があるにもかかわらず、話題に上がる機会が少なく、評価されにくい状態が続いています。
他県の有名な海と比較されやすい
沖縄や和歌山など、全国的に「海が綺麗な県」として知られる地域と比べられることも、三重の海が過小評価される理由の一つです。写真映えする白砂のビーチや鮮やかな海色が注目されやすい中で、自然そのものの美しさを持つ三重の海は派手さに欠けると見られがちです。この比較が、「特別綺麗ではない」という印象を強めています。
実は綺麗な三重の海
三重県の海は「工業地帯がある」「伊勢湾が濁っている」といった印象から、綺麗ではないと思われがちですが、実際には全国的に見ても高い水質を誇るエリアが数多く存在します。実際に三重県内の多くの海水浴場は、環境省が毎年実施している「水浴場水質調査」において、最も評価の高い「AA」または「A」判定を継続的に受けています。
この評価は、透明度や化学的酸素要求量(COD)、大腸菌群数など、複数の科学的指標を基に判定されるものです。特に熊野灘沿岸や志摩半島南部では、全国平均と比較しても良好な数値が確認されており、数値的にも「綺麗な海」であることが裏付けられています。
三重県で特に海が綺麗といわれるスポット
三重県内には、透明度や景観の美しさで高く評価されている海岸が点在しています。特に太平洋側に位置するエリアでは、環境省の水質調査で高評価を受けている場所も多いです。ここでは、その中でも代表的なスポットを紹介します。
御座白浜海水浴場
御座白浜海水浴場は、三重県内でも特に透明度が高いことで知られる海水浴場です。白い砂浜と澄んだ海水のコントラストが特徴で、晴れた日には海底が見えるほどの透明感があります。環境省の水浴場水質調査でも、例年「AA」または「A」判定を受けており、数値的にも水質の良さが証明されています。伊勢志摩エリアにありながら、比較的落ち着いた雰囲気で楽しめる点も魅力です。
新鹿海水浴場
新鹿海水浴場は、熊野灘に面した外洋性の海水浴場で、三重県南部を代表する透明度の高いスポットです。黒潮の影響を受けやすく、海水の入れ替わりが活発なため、濁りにくい環境が保たれています。波が穏やかな日には、シュノーケリングが楽しめるほど視界が良く、「本州とは思えないほど綺麗」と評価されることも少なくありません。観光地化されすぎていない点も、自然の美しさを感じられる理由の一つです。
大泊海水浴場
大泊海水浴場は、熊野市に位置する自然豊かな海水浴場で、透明度の高さと落ち着いた環境が特徴です。周囲に大規模な観光施設や市街地が少なく、生活排水などの影響を受けにくい立地にあるため、海水の色は非常にクリアです。
波が比較的穏やかな日が多く、海の中の砂地や岩場がはっきり見えることから、地元では「昔から綺麗な海」として親しまれてきました。
三重の海が綺麗に見えるおすすめの時期

三重県の海は、訪れる時期や時間帯によって透明度や海の色の印象が大きく変わります。同じ場所でも条件次第で見え方がまったく異なるため、「いつ行くか」は海の綺麗さを左右する重要なポイントです。ここでは、三重の海が特に美しく見えるおすすめの時期について解説します。
夏でも透明度が高くなりやすいのは「梅雨明け直後」
夏は海水浴シーズンで人が多く集まるため、海が濁りやすいと思われがちですが、実は梅雨明け直後は透明度が高くなりやすい時期です。長雨が終わり、河川からの濁水の流入が落ち着くことで、海のコンディションが一気に回復します。特に太平洋側の海水浴場では、青みがかった澄んだ海が広がり、「三重の海はこんなに綺麗だったのか」と感じやすいタイミングです。
最も透明度が高いのは秋から冬にかけて
三重県の海が最も綺麗に見えるのは、実は秋から冬にかけてのオフシーズンです。この時期は海水温が下がり、プランクトンの発生が抑えられるため、海の透明度が大きく向上します。海水浴は難しくなりますが、晴れた日の海は底まで見えるほど澄むこともあり、景観としての美しさを重視するならベストシーズンといえます。
観光客が少ない時期は海本来の色を楽しめる
夏休み期間や連休中は人の出入りが多く、砂の巻き上がりや船の往来によって一時的に濁りが出ることがあります。一方、観光客が少ない平日やシーズンオフは、海が落ち着いた状態を保ちやすく、本来の透明感を楽しめます。特に地元の人が「綺麗な海」と感じるのは、こうした静かな時期であることが多いのが特徴です。
雨の少ない期間が続いた後は狙い目
海の透明度は天候の影響を強く受けます。雨が続いた直後は、河川から土砂や栄養分が流れ込み、海が濁りやすくなります。そのため、数日間晴天が続いた後は、三重の海が綺麗に見える狙い目のタイミングです。特に熊野灘沿岸では回復が早く、天候が安定すると一気に透明度が上がる傾向があります。
三重県の海は家族連れにもおすすめ
三重県の海は透明度の高さだけでなく、安全面や環境面でも家族連れに向いている点が多くあります。派手なリゾート感は少ないものの、自然の中で落ち着いて過ごせる海岸が多く、小さな子どもがいる家庭でも安心して楽しみやすいのが特徴です。
波が穏やかな海水浴場が多い
三重県内には、外洋に面しながらも入り江状になっている海水浴場が点在しており、日によっては波が非常に穏やかになります。急に深くなる場所が少ないエリアも多く、子どもが水遊びをする際の不安を軽減できます。初めて海に入る子どもでも、比較的安心して楽しめる環境が整っています。
観光地化されすぎていないため落ち着いて過ごせる
三重の海は、全国的な有名ビーチと比べると観光客の数が控えめです。そのため、砂浜が混雑しすぎることが少なく、家族ごとにゆったりとしたスペースを確保しやすいのが魅力です。人が多すぎないことで、保護者の目も行き届きやすく、落ち着いた雰囲気の中で海を楽しめます。
自然体験を通して学びにつながる
三重県の海岸では、砂浜だけでなく岩場や浅瀬が残されている場所も多く、磯遊びを通じて自然と触れ合うことができます。小さな魚やカニ、貝類を観察する体験は、子どもにとって貴重な学びの機会になります。ただ遊ぶだけでなく、「自然を大切にする意識」を育てられる点も、家族連れにおすすめできる理由の一つです。
アクセスと周辺環境のバランスが良い
三重県の海水浴場は、都市部から極端に離れすぎていない場所も多く、日帰りや1泊程度の旅行でも無理なく訪れやすいのが特徴です。近隣に駐車場やトイレが整備されている海岸も多く、長時間の移動や過度な準備が不要な点は、子ども連れの家庭にとって大きなメリットといえます。
三重県の海を守るためにできること
三重県の海が高い透明度と豊かな自然を保っているのは、地形や海流といった自然条件だけでなく、人の関わり方が大きく影響しています。美しい海は「見るもの」ではなく、「守り続けるもの」です。ここでは、観光客や地元住民が日常の中で実践できる、三重の海を未来へ残すための取り組みについて紹介します。
ゴミを出さない・持ち帰る意識を徹底する
海岸に流れ着くゴミの多くは、観光客が意図せず残したものや、内陸部から流れ込んだ生活ゴミです。三重県の海は比較的人の手が入りすぎていない場所が多いため、少量のゴミでも景観や生態系への影響が目立ちやすくなります。海水浴や磯遊びを楽しむ際には、「来たときよりも綺麗にして帰る」という意識を持つことが、海を守る第一歩になります。
環境に配慮した行動を心がける
透明度の高い海では、海底の砂や岩場、海藻まで目に入ります。その分、人の行動による影響も受けやすく、無意識に踏み荒らすことで生態系を傷つけてしまう可能性があります。シュノーケリングや磯遊びの際は、生き物に触れすぎない、岩を動かさないといった配慮が必要です。自然を「体験する」ことと「壊さない」ことを両立させる意識が重要です。
地元の環境保全活動に目を向ける
三重県では、地域ごとに海岸清掃や環境保全活動が行われています。こうした活動は、自治体や漁業関係者、住民が連携して海を守ってきた証でもあります。例えば、国立公園に指定されている伊勢志摩国立公園周辺では、自然環境を維持するためのルールが設けられています。観光で訪れる際も、地域の取り組みを尊重する姿勢が欠かせないといえるでしょう。
日常生活で海への負荷を減らす
海を守る行動は、海岸に行ったときだけに限りません。家庭から出る生活排水やプラスチックごみは、最終的に海へ流れ着く可能性があります。洗剤や日用品を選ぶ際に環境負荷の少ないものを選ぶ、ゴミの分別を徹底するなど、日常の小さな行動の積み重ねが、三重の海の水質維持につながります。
三重県の海はイメージ以上に綺麗
三重県の海は、過去の公害や工業地帯の印象から「汚いのではないか」と思われがちですが、それは現在の姿を正しく反映したものではありません。実際には、環境改善の取り組みが進み、環境省の水質調査でも高評価を受ける海水浴場が数多く存在しています。特に熊野灘沿岸や志摩半島南部では、全国的に見ても遜色のない透明度と美しい景色が広がっています。
また、三重県の海は訪れる時期やタイミングによって、より一層その美しさを実感できる点も特徴です。梅雨明け直後や秋から冬にかけては透明度が高まり、観光客が少ない時期には海本来の穏やかで澄んだ表情を楽しめます。さらに、波が比較的穏やかな場所が多く、家族連れでも安心して過ごしやすい環境が整っていることも魅力です。
三重の海は、派手なリゾート地とは異なり、自然の美しさを静かに感じられる存在です。その価値を正しく知り、楽しみながら守っていくことが大切です。





