「今の暮らし、毎月ちゃんと回っているけれど、正直この先が少し不安」そんなふうに感じたことはありませんか?
家賃や物価は上がる一方で、収入はなかなか増えない。頑張って働いているのに、思ったほど貯金ができない。
移住を考え始めたきっかけが、そんな家計や将来への不安だったという方も多いはずです。
実は、国のデータを見ると、「どれだけ稼いでいるか」よりも、「生活に必要なお金を差し引いたあと、どれだけ余裕が残るか」が、暮らしやすさを大きく左右していることが分かります。
その指標で全国1位となったのが「三重県」でした。
この記事では、三重県が「お金が貯まりやすい県」と言われる理由を、分かりやすく解説していきます。
これからの暮らしに、少しでも安心を求めている方は、ぜひ最後までご覧ください。
はじめに│「年収が高い県」=「豊かな県」ではない理由

「移住するなら、できるだけ生活に余裕のある地域を選びたい」そう考える方は多いかもしれません。
これまで“豊かな県”というと、年収が高い都市部や大企業が集まるエリアが注目されがちでした。
しかし近年は、単に収入が高いかどうかよりも、実際の生活でどれだけお金が残るのかを重視する考え方が広がっています。
国土交通省が公表した「都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)」では、こうした視点を数値化し、
- 可処分所得(A)から基礎支出(B)を差し引いた差額(A−B)
に注目しています。
そして、このランキングで全国1位となったのが、三重県です。
この記事では、「お金が貯まりやすい」とはどういう状態なのかを整理したうえで、なぜ三重県が1位になったのか、その理由と実態を分かりやすく解説します。
参考:国土交通省「都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)」
経済的豊かさとは?│可処分所得と基礎支出が示す“お金の余裕”

今回のランキングで使われている指標は、大きく分けて3つあります。
まず「可処分所得」とは、給料や事業収入などから税金や社会保険料を差し引いた、実際に自由に使える手取り収入のことです。
一方、「基礎支出」は、生活するうえでほぼ必ずかかる支出を指します。住居費、食費、光熱費、通信費、教育費などが含まれ、外食や旅行、趣味といった支出は含まれていません。
この2つを引き算した差額が示すのは、貯蓄や余暇、将来への備えに回せる“家計の余力”です。
つまりこのランキングは、「稼げる県」を示すものではなく、「暮らしていく中で、どれだけお金と気持ちに余裕が残るか」を可視化した指標だと言えます。
理由① 住居費が抑えやすい│基礎支出を小さくできる暮らしやすさ

三重県が1位になった最大の理由のひとつが、基礎支出、特に住居費を抑えやすい点です。
三重県では、賃貸・購入ともに住宅価格が比較的落ち着いており、都市部のように「住むだけで家計が圧迫される」状況になりにくい傾向があります。
一戸建てを現実的な選択肢として考えられる地域も多く、駐車場代が別途かからないケースも少なくありません。
住宅費は、毎月必ず発生する固定費です。ここを抑えられるかどうかは、年間、さらには生涯単位で見たときの家計に大きな影響を与えます。
また、空き家活用や住宅取得に関する支援制度を設けている自治体もあり、初期費用を抑えて住まいを確保しやすい点も特徴です。
こうした背景から、三重県は生活に最低限必要な支出を小さくしやすい構造を持っており、それが「お金が貯まりやすい」結果に繋がっています。
三重県の住宅費については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
理由② 収入と仕事のバランス│地方でも可処分所得が確保しやすい

地方移住というと、「収入が下がるのではないか?」という不安を抱く方も多いかもしれません。
しかし、三重県は、地方の中でも可処分所得が高い水準(全国2位)にあります。
| 順位 | 都道府県 | 可処分所得 |
| 1位 | 富山県 | 420,262円 |
| 2位 | 三重県 | 416,264円 |
| 3位 | 山形県 | 408,972円 |
| ︙ | ︙ | ︙ |
| 46位 | 大分県 | 317,132円 |
| 47位 | 沖縄県 | 298,701円 |
三重県内には製造業を中心とした企業が多く、安定した雇用が確保されている地域が点在しています。
さらに、名古屋圏との結びつきが強く、地域によっては名古屋方面への通勤も十分可能です。
その結果、極端に高収入でなくても、安定した手取り収入を得やすい環境が整っています。
収入が「そこそこ」あり、生活費が抑えられることで、可処分所得と基礎支出の差額が自然と大きくなりやすいのです。
都市部のように高い収入を維持し続けなければ生活が成り立たない、という構造とは異なり、無理をしなくても家計が安定しやすい点が、三重県の強みと言えるでしょう。
三重県から名古屋への通勤については、以下の記事で詳しく解説しています。
理由③ 生活コストの総合力│毎日の支出がじわじわ膨らまない
三重県は、住宅費だけでなく、生活全体のコスパにも優れています。
食料品や日用品の価格は比較的安定しており、日々の買い物で大きな負担を感じにくいです。
ここは大阪府から三重県に移住した筆者の感覚ですが、三重県の物価は大阪より安く感じます。(特にガソリン代)
車社会ではあるものの、大阪などの都市部の慢性的な渋滞が少なく、通勤や送迎にかかる時間的・金銭的コストも抑えやすい傾向があります。
また、自然と市街地がほどよい距離にあるため、わざわざ遠くまで出かけなくても、日常の中で気軽にリフレッシュできる点も特徴です。
移動距離が短く済むことは、ガソリン代や外出費用の節約にも繋がります。
こうした細かな支出の積み重ねが、結果として家計全体の支出を抑え、差額を残しやすくしているのです。
三重県の交通事情については、以下の記事で詳しく解説しています。
大都市圏との比較│「稼いでも残らない県」との決定的な違い

ここまで見てきたように、三重県は収入と支出のバランスが取りやすく、家計に余裕が生まれやすい県です。
その特徴をより分かりやすくするために、次に東京・愛知・大阪といった大都市圏と比較してみましょう。
| 順位 | 都道府県 | 差額 (AーB) | 可処分所得 (A) | 基礎支出 (B) |
| 1位 | 三重県 | 264,553円 | 416,264円 | 151,711円 |
| 7位 | 愛知県 | 245,453円 | 404,194円 | 158,741円 |
| 42位 | 東京都 | 193,343円 | 392,716円 | 199,372円 |
| 44位 | 大阪府 | 190,569円 | 352,220円 | 161,651円 |
収入が高いイメージのある都市部では、実際の暮らしでどれだけお金が残っているのか?
その違いを見ていくと、「稼げる県」と「お金が貯まりやすい県」の差が、よりはっきりと見えてきます。
東京都との比較│収入は高いが“差額”が残りにくい理由
| 順位 | 都道府県 | 差額 (AーB) | 可処分所得 (A) | 基礎支出 (B) |
| 42位 | 東京都 | 193,343円 | 392,716円 | 199,372円 |
東京都は、全国でもトップクラスの可処分所得を誇る地域です。(可処分所得は全国12位)
平均年収が高く、仕事の選択肢も多いため、「稼ぎやすい県」というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、今回のランキングが示しているのは、収入の多さそのものではなく、生活に必要な支出を引いたあとにどれだけお金が残るかという点です。
その視点で見ると、東京都は必ずしも「お金が貯まりやすい県」とは言えません。
まず大きいのが、住宅費の負担です。
都内では、単身向けのワンルームであっても家賃が高水準になりやすく、ファミリー向け物件ではさらに負担が増します。
住宅費は毎月必ず発生する固定費であるため、家計への影響は非常に大きく、可処分所得の多くがここで消えてしまうケースも少なくありません。
加えて、保育料や教育関連費、外食費、日用品の価格なども、全国平均と比べると高めの傾向があります。
一つひとつは小さな差でも、積み重なることで基礎支出全体が膨らみ、「思っていたより貯金ができない」という状態に繋がりやすくなります。
このように東京都は、「収入は高いが、その分、生活に必要なお金も多くかかる」といえるでしょう。
一方で、三重県は、収入水準こそ東京都ほど高くはないものの、住宅費や生活コストを抑えやすく、可処分所得から基礎支出を引いた“差額”が残りやすいのが特徴です。
その違いが、今回のランキング結果にもはっきりと表れています。
愛知県との比較│高収入エリアのすぐ隣という立ち位置
| 順位 | 都道府県 | 差額 (AーB) | 可処分所得 (A) | 基礎支出 (B) |
| 7位 | 愛知県 | 245,453円 | 404,194円 | 158,741円 |
愛知県は、全国でもトップクラスの可処分所得を誇る県です。(可処分所得は全国6位)
製造業を中心に雇用が安定しており、世帯年収という点だけを見ると、「経済的に恵まれている県」という印象を持つ方も多いでしょう。
しかし、ランキングの指標である「可処分所得 − 基礎支出」という視点で見ると、愛知県も必ずしも“差額が最大化しやすい県”とは言い切れません。
特に名古屋市やその周辺エリアでは、近年、住宅価格や家賃の上昇が続いており、住居費の負担が家計に重くのしかかるケースが増えています。
また、都市部に近付くほど、外食費や日用品価格、教育関連費なども高くなりやすく、「収入はあるのに、思ったほどお金が残らない」という感覚を持つ世帯も少なくありません。
共働き世帯であっても、支出が膨らみやすく、貯蓄に回せる余力が限定される場合があります。
一方で三重県は、愛知県と経済的に繋がりながらも、住宅費や生活コストを抑えやすい地域が多く存在します。
名古屋圏で働く選択肢を残しつつ、日常の暮らしは比較的落ち着いた環境で送れる点が、大きな違いです。
つまり、「愛知県の収入構造」と「三重県の生活費水準」この“いいとこ取り”ができる立ち位置にあることが、三重県の強みと言えるでしょう。
大阪府との比較│都市の便利さと生活コストのトレードオフ
| 順位 | 都道府県 | 差額 (AーB) | 可処分所得 (A) | 基礎支出 (B) |
| 44位 | 大阪府 | 190,569円 | 352,220円 | 161,651円 |
大阪府は、商業・交通・医療などの都市機能が集積した利便性の高い地域です。仕事や娯楽の選択肢が多く、「生活しやすい都市」と感じる人も多いでしょう。
一方で、大阪府も都市部を中心に住宅費や生活費が高く、可処分所得から基礎支出を引いたあとの“差額”が残りにくい傾向があります。
特にファミリー向け物件では、家賃や住宅購入費が家計を圧迫しやすく、毎月の固定費が高止まりしがちです。
また、都市部特有の混雑や移動時間の長さは、時間的・体力的な負担に繋がります。
その結果、外食や中食に頼る頻度が増えたり、休日は疲れを取るだけで終わってしまったりと、支出が増えやすい生活リズムになりがちです。
大阪府は、「便利さと引き換えに、生活コストを受け入れる」という側面を持つ地域だと言えます。
これに対し三重県は、都市機能へのアクセスを確保しつつ、日常生活は比較的静かで落ち着いた環境が整っています。
住宅費や生活コストを抑えやすいため、収入に対して“残るお金”を実感しやすい点が大きな違いです。
大阪府が「刺激や利便性を重視する暮らし」だとすれば、三重県は「無理なく生活を整え、将来に備えやすい暮らし」と言えるでしょう。
世帯タイプ別に見る三重県│「1位」の意味は人によって違う

ここまで見てきたように、三重県は「お金が貯まりやすい県」として全国1位という結果が出ています。
ただし、そのメリットの感じ方は、家族構成や働き方によって少しずつ異なります。
子育て世帯なのか、単身なのか、共働きなのか―—置かれている状況によって、「お金が残る」と実感するポイントは変わってくるものです。
ここからは、世帯タイプ別に、三重県の「1位」がどのように見えるのかを整理していきます。
子育て世帯の場合│住居費の差が将来の安心になる
子育て世帯にとって、家計の安定を左右する大きな要素の一つが住居費です。
三重県では、都市部と比べて住宅価格や家賃を抑えやすく、住まいにかかる固定費を低く保ちやすいという特徴があります。
その結果、毎月の支出に余裕が生まれ、教育費や習い事、将来の学費に向けた貯蓄に回しやすくなります。
「今はなんとかなっているけれど、この先の教育費が不安」という子育て世帯にとって、これは大きな安心材料です。
また、比較的広い住まいを確保しやすいため、子どもが成長しても引っ越しを繰り返す必要が少なく、長期的な生活設計を立てやすい点も三重県ならではだと感じます。
単身世帯の場合│生活費を下げて“可処分所得を増やす”選択
単身世帯の場合、三重県のメリットは非常に分かりやすい形で表れます。
それは、家賃や生活費を下げることで、手取り収入を大きく変えなくても差額を増やせる点です。
都市部では、単身向けのワンルームであっても家賃が高く、収入に対する住居費の割合が大きくなりがちです。
一方、三重県では、同じ収入水準でも住居費を抑えやすく、その分を貯蓄や自己投資に回しやすくなります。
また、近年増えているフルリモートや一部リモートといった働き方とも相性が良く、「収入を大きく下げずに、生活コストだけを下げる」という選択が現実的です。
これは、「地方移住=収入が下がる」というイメージを持つ人にとって、安心材料になるポイントでしょう。
共働き世帯の場合│貯蓄スピードが早まる家計構造
共働き世帯では、三重県の「お金が貯まりやすい」構造が、よりはっきりと実感しやすくなります。
世帯収入をある程度確保しつつ、住宅費や生活費を抑えられるため、可処分所得から基礎支出を引いた差額が大きくなりやすいからです。
都市部では、共働きであっても住宅費や保育関連費用が高く、思ったほど貯蓄が増えないケースも少なくありません。
三重県では、そうした固定費の負担を抑えやすく、毎月の貯蓄額を安定して確保しやすい傾向があります。
その結果、
- 住宅購入の頭金を早めに準備できる
- 教育費や老後資金を計画的に積み立てられる
- 将来の選択肢を広げやすい
といったメリットにつながります。
共働き世帯にとって三重県の1位という結果は、「頑張り続けなければ成り立たない生活」から抜け出し、長期的に安心できる家計を作りやすいことを示していると言えるのではないでしょうか?
まとめ│三重県が示したのは“派手さより、着実に貯まる暮らし”
今回のランキングが示したのは、年収の高さを競う結果ではありません。
「生活に必要な支出を差し引いたあと、どれだけ余裕が残るか?」という、現実的な豊かさです。
三重県は、無理に高収入を目指さなくても、生活が安定し、お金が貯まりやすい構造を持っています。
派手さはなくとも、着実に暮らしを整えたい人にとって、有力な移住先の一つだと言えるでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。



