三重県が日本一の生産量を誇る「かぶせ茶」とは?味わいや魅力を詳しく解説!

三重県の特産品といえば何を思い浮かべるでしょうか。松阪牛や伊勢海老のような全国的に有名な特産品もありますが、実は三重県はかぶせ茶の生産量日本一を誇ります。お茶といえば静岡県や京都府などを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、三重県もお茶の生産には力を入れています。

本記事では、三重県の名産であるかぶせ茶について詳しく解説します。三重県に興味がある方や、お茶が好きな方は、ぜひ最後まで確認してみてください。

かぶせ茶とは?

出典:photo ACより

かぶせ茶という名前そのものに聞き馴染みがないという方も多いのではないでしょうか。かぶせ茶とは、茶葉を収穫する前の一定期間、茶園に覆いをかけて日光を遮りながら育てたお茶のことです。「かぶせ」という名前の通り、茶の木に覆いを「かぶせる」栽培方法が最大の特徴です。

直射日光を遮ることで、茶葉に含まれる成分のバランスが変化し、独特の味わいが生まれます。そのため、かぶせ茶は苦味や渋味が控えめで、まろやかさとコクを感じられる味わいに仕上がります。緑色が濃く、香りにもやさしい甘みを感じやすい点も特徴の1つです。

三重県がかぶせ茶の生産量日本一の理由

日本の中でもなぜ三重県はかぶせ茶の生産量が1位なのでしょうか。ここでは、三重県がかぶせ茶の生産量日本一となった理由について詳しく解説します。

気候と地形がかぶせ茶栽培に適している

三重県は、温暖な気候と適度な降水量に恵まれた地域です。お茶の栽培には、寒すぎず暑すぎない気候と、一定の湿度が欠かせません。三重県の中でも伊勢平野や中南勢地域は、茶葉が安定して育ちやすい環境が整っており、覆いをかけるかぶせ茶栽培とも相性が良いとされています。

また、なだらかな丘陵地が多いことも特徴です。水はけが良く、茶の木の根が健全に育ちやすいため、品質の高い茶葉を安定して生産できます。気候面に恵まれている点が、かぶせ茶の大規模な生産を可能にしているといえるでしょう。

昔から「伊勢茶」の文化が根付いていた

三重県では古くから「伊勢茶」と呼ばれるお茶文化が根付いてきました。その中で、より旨みのあるお茶を作るための工夫として、覆いをかける栽培方法が発展してきた歴史があります。かぶせ茶は、煎茶と玉露の中間的な存在として、味わいと生産効率のバランスが良く、地域の茶農家に受け入れられてきました。

長年にわたって積み重ねられてきた栽培ノウハウが、現在の安定した生産体制を支えています。長い年月をかけてノウハウが蓄積されている点も、日本一の生産量につながっているポイントといえるでしょう。

かぶせ茶の味わいの特徴

かぶせ茶は、煎茶とも玉露とも異なる独自の味わいを持つお茶です。覆いをかけて育てるという栽培方法によって、茶葉の成分バランスが変化し、他のお茶にはない風味が生まれています。ここでは、かぶせ茶ならではの味わいの特徴を詳しく解説します。

強い旨みとまろやかな口当たり

かぶせ茶は、口に含んだときに感じる旨みが強い点が特徴です。日光を遮って育てることで、渋みのもととなる成分の生成が抑えられ、旨み成分が多く残ります。そのため、口当たりが非常にまろやかで、角の取れた優しい味わいになります。

煎茶のような爽快な渋みよりも、やさしく広がるコクを楽しみたい方に向いているお茶といえるでしょう。

渋みが控えめで飲みやすい

かぶせ茶は、渋みや苦味が少ない点も特徴です。煎茶はすっきりとした渋みが魅力ですが、人によっては飲みにくさを感じることもあります。一方で、かぶせ茶は渋みが抑えられているため、お茶が苦手な方や、普段あまり緑茶を飲まない方でも比較的飲みやすい味わいです。食事中のお茶としても使いやすく、料理の味を邪魔しにくい点も魅力の1つです。

香りにほのかな甘みがある

かぶせ茶は、香りにも特徴があります。日光を遮ることで、青々しさが抑えられ、やわらかく甘みを感じる香りが生まれます。強く主張する香りではありませんが、湯気とともに立ち上る穏やかな香りが、飲む前から気持ちを落ち着かせてくれます。香りのやさしさも、かぶせ茶が日常茶として親しまれている理由の1つです。

冷やしても味が崩れにくい

旨みが主体のかぶせ茶は、冷茶にしても味が薄くなりにくいという特徴があります。渋みが少ないため、冷やしてもえぐみが出にくく、すっきりとした中にもコクを感じられます。夏場に冷茶として楽しんだり、水出しでゆっくり抽出したりと、季節に合わせた飲み方ができる点も、かぶせ茶ならではの魅力です。

かぶせ茶は、強い個性で主張するお茶ではありませんが、毎日飲んでも飽きにくい、完成度の高い味わいを持っています。三重県で長く親しまれてきた理由は、こうしたバランスの良さにあるといえるでしょう。

かぶせ茶がおすすめな人の特徴

かぶせ茶は、煎茶や玉露とは異なる魅力を持つお茶です。自分の口に合うか不安な方もいるのではないでしょうか。ここでは、かぶせ茶がおすすめな人の特徴を紹介します。

渋みの強いお茶が苦手な人

緑茶の渋みや苦味が気になって、お茶をあまり飲まなくなってしまった方には、かぶせ茶が向いています。かぶせ茶は渋みが控えめで、口当たりがやさしいため、緑茶特有のえぐみを感じにくいのが特徴です。「お茶は健康に良いと分かっているけれど、味が苦手」という方でも、無理なく飲むことができるでしょう。

毎日飲めるお茶を探している人

玉露のような濃厚なお茶は特別感がありますが、日常的に飲むには重く感じることがあります。一方で、かぶせ茶はコクがありながらも後味がすっきりしており、毎日の食事や休憩時間に自然に取り入れられます。朝から夜まで、シーンを選ばず飲めるお茶を探している人におすすめです。

食事と一緒にお茶を楽しみたい人

かぶせ茶は、料理の味を邪魔しにくいバランスの良さが魅力です。主張しすぎない旨みと香りが、和食はもちろん、洋食や中華とも合わせやすく、食中茶として使いやすいお茶といえます。食事のたびに飲むお茶として、使い勝手の良さを重視する人に向いています。

玉露に興味はあるがハードルを感じている人

玉露の旨みや甘みに興味はあるものの、「淹れ方が難しそう」「価格が高い」と感じている方も多いでしょう。かぶせ茶は、玉露ほど神経質な淹れ方をしなくても美味しく楽しめる点が特徴です。玉露の世界に触れてみたい人の入り口としても、かぶせ茶は適した存在といえます。

冷茶や水出しをよく飲む人

かぶせ茶は、冷やしても味が崩れにくく、水出しでも旨みがしっかり出やすいお茶です。夏場によく冷茶を飲む人や、ボトルに入れて持ち歩くことが多い人にも向いています。渋みが出にくいため、時間が経っても飲みやすさが続きます。

お茶の違いを楽しみたい人

煎茶だけでなく、さまざまなお茶の個性を味わってみたい人にとって、かぶせ茶はおすすめです。煎茶と玉露の中間的な存在であるかぶせ茶を飲むことで、お茶の世界の奥行きを感じられるでしょう。産地や栽培方法による違いを楽しみたい人にもおすすめです。

かぶせ茶と相性が良い食べ物

出典:photo ACより

かぶせ茶は、旨みがありながらも主張しすぎない味わいが特徴のお茶です。そのため、さまざまな食べ物と合わせやすく、食中茶としても優れています。ここでは、かぶせ茶と特に相性の良い食べ物を紹介します。

和食全般

かぶせ茶は、和食との相性が非常に良いお茶です。だしの旨みを活かした料理や、素材の味を大切にした和食と合わせることで、かぶせ茶のまろやかさが引き立ちます。煮物や焼き魚、だし巻き卵などと一緒に飲むと、料理の味を邪魔せず、口の中をすっきりと整えてくれます。

白身魚や刺身

渋みが少ないかぶせ茶は、白身魚や刺身とも好相性です。渋みの強いお茶だと、魚の繊細な味わいを損なってしまうことがありますが、かぶせ茶は旨みが中心のため、素材本来の風味を引き立ててくれます。特に鯛やヒラメなど、淡白な魚と合わせると、双方の良さが際立ちます。

天ぷらや揚げ物

天ぷらや唐揚げなどの揚げ物と一緒に楽しむのもおすすめです。かぶせ茶のやさしい旨みと香りが、油っぽさをほどよくリセットしてくれます。煎茶ほど渋みが強くないため、揚げ物の風味を壊さず、最後まで美味しく食事を楽しめるでしょう。

和菓子

かぶせ茶は、甘さのある和菓子ともよく合います。渋みが控えめなため、甘味とぶつかることなく、口の中で調和しやすいのが特徴です。饅頭や羊羹、大福などと合わせると、和菓子の甘さがより引き立ち、穏やかな余韻を楽しめます。

チーズやナッツ

かぶせ茶はチーズやナッツとも相性が良いお茶です。特にクセの強すぎないチーズや、素焼きのナッツと合わせると、旨み同士が重なり合い、奥行きのある味わいを楽しめます。おやつや軽い晩酌の代わりとしてもおすすめです。

かぶせ茶の美味しい淹れ方

かぶせ茶の旨みをしっかり引き出すためには、お湯の温度と抽出時間が重要なポイントになります。おすすめは、60〜70℃程度のやや低めの温度のお湯を使う方法です。茶葉は少なめにせず、やや多めに急須へ入れ、1分ほどじっくりと蒸らしてから湯のみへ注ぎます。低温で抽出することで、渋みが出にくく、かぶせ茶特有のまろやかな旨みと甘みを感じやすくなります。

お湯の温度が高すぎると、渋みや苦味が強く出てしまい、せっかくのやさしい味わいが損なわれてしまいます。特に一煎目は低温を意識し、丁寧に淹れることが大切です。一煎目では甘みと旨みを中心とした味わいを楽しめ、二煎目、三煎目と進むにつれて、少しずつ渋みが加わっていく変化もかぶせ茶の魅力といえるでしょう。

また、かぶせ茶は冷茶にも向いています。冷水で時間をかけて抽出すると、渋みがほとんど出ず、爽やかな香りとまろやかな甘みが際立ちます。夏場には、水出しでじっくり淹れたかぶせ茶を楽しむのもおすすめです。湯の温度や抽出時間を調整しながら、自分好みの一杯を見つけるのも、かぶせ茶ならではの楽しみ方といえるでしょう。

三重県が誇る「かぶせ茶」を生活に取り入れてみよう

三重県は、松阪牛や伊勢海老だけでなく、かぶせ茶の生産量日本一を誇るお茶の名産地でもあります。かぶせ茶は、収穫前に茶葉へ覆いをかけて育てることで、渋みを抑え、旨みとまろやかさを引き出したお茶です。煎茶と玉露の中間的な存在として、飲みやすさとコクのバランスに優れている点が大きな魅力といえるでしょう。

温暖な気候や地形、古くから続く伊勢茶の文化と栽培技術が、三重県をかぶせ茶の一大産地へと押し上げてきました。その味わいは、渋みが苦手な人や、毎日飲めるお茶を探している人、食事と一緒に楽しみたい人にもぴったりです。和食だけでなく、洋食やチーズ、ナッツなど幅広い食べ物と相性が良く、日常のさまざまなシーンで活躍します。

また、低温で丁寧に淹れることで旨みを最大限に引き出せる点や、冷茶・水出しでも美味しく楽しめる点も、かぶせ茶ならではの魅力です。特別な道具や難しい手順がなくても、自宅で手軽に本格的な味わいを楽しめます。

三重県の特産品として長く親しまれてきたかぶせ茶は、派手さはないものの、毎日の暮らしに寄り添う完成度の高いお茶です。普段飲んでいるお茶を少し変えてみたい方や、三重県ならではの味を楽しみたい方は、ぜひ一度かぶせ茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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