三重県といえば伊勢神宮や松阪牛が有名ですが、「えっ、これどう読むの?」と驚くような難読地名が数多く存在します。
筆者自身、大阪から三重に移住してきたとき、まず驚いたのが地名の読み方でした。
地図や道路標識を見て「これは読めない・・・」と戸惑ったこともありましたが、調べていくうちに、難読地名にはその土地の歴史や文化が詰まっていて、とても奥深いものだと気付きました。
今回は、そんな三重県の「一見読めなさそうで、でも読めたらちょっと自慢したくなる地名」をクイズ形式でご紹介します!
旅行前のネタ探しとしても、地元民としての雑談ネタとしても楽しめる内容です。
あなたは何問正解できるでしょうか?読めたらあなたも立派な“みえ通”です!
- 本記事の参考文献/参考サイト:
『角川日本地名大辞典』第24巻「三重県」
三重県立図書館「難読地名一覧」
三重県の地名が難読な理由とは?

歴史的な背景と方言の影響
三重県の地名が難しい読み方になる理由の一つには、昔の人が使っていた漢字の読み方が今とは違っていたり、地元でしか通じない方言が混ざっていたりするなど、歴史的な背景があります。
例えば、忍者の聖地で知られる「伊賀(いが)」という地名は今でこそ有名ですが、古くは「依我(いが)」とも書かれていました。
このように、言葉が時代とともに変わっていく中で、漢字だけが残って読み方が独特になった地名が三重県には多くあります。
そのような背景があり、昔の言葉と現在の言葉が入り混じることで、難読地名が生まれたと言われています。
アイヌ語?大和言葉?語源のミステリー
三重県の一部の地名には、アイヌ語や大和言葉のような古い言葉が元になっているものもあります。
例えば、「志摩(しま)」という名前は、大和言葉の「シマ(島)」から来ていると言われていますが、一説では「神が降り立った場所」を意味する古語が関係しているとも伝えられています。
これが「島」ではなく「志摩」と書かれるのも、神聖なイメージを表すためだったのかもしれません。
つまり、単に読み方が難しいだけではなく、その土地のルーツや歴史が深く関係しているのです。
三重県は地域差が激しいって本当?
三重県は縦に細長く、北中南に分かれていて、それぞれの文化や言葉が違います。
北部の桑名市や四日市市あたりでは名古屋に近く、中部では京都や奈良の影響を受け、南部では熊野古道のような独自の文化が残っています。
例えば、「尾鷲(おわせ)」という地名は、地元では「おわせぇ」と語尾を伸ばすように発音されることがあります。
このように、三重県の中だけでも地名の読み方やイントネーションに違いがあるため、難読地名が多いと言われています。
【三重県民も悩む】難読地名クイズ10選!

ここからは、実際に三重県にある「読みにくい地名」をクイズ形式で紹介していきます。
読み方を当てながら、ぜひ楽しんでください!
問題1|「菰野」の読み方は?

正解は「こもの」です。
菰野(こもの)は、三重県北部に位置する自然豊かな町です。
「菰(こも)」という漢字は、わらやイグサで編んだむしろや敷物のことを意味します。
この地域では昔、湿地帯が多く菰草がよく育ったため、地名に使われたと考えられています。
また、町の西部には鈴鹿国定公園が広がり、御在所岳や湯の山温泉などの観光地があります。
御在所岳は登山やロープウェイでの観光が楽しめ、湯の山温泉は古くからの温泉地は三重県の人気スポットの一つです。
問題2|「嬉野」の読み方は?

正解は「うれしの」です。
嬉野(うれしの)は、三重県の中勢地域にあった町で、現在は松阪市と合併しています。
「嬉」という字はあまり地名には使われませんが、この地域では豊かな水に恵まれていて、農作物がよく育つことから「うれしい土地」と呼ばれるようになったと言われています。
現在は、言わずと知れた世界的に有名なブランド牛「松阪牛」の産地でもあり、そのきめ細かい霜降りと柔らかな肉質は、「肉の芸術品」とも称され、多くの人々に愛されています。
問題3|「安楽島」の読み方は?

正解は「あらしま」です。
安楽島(あらしま)は、三重県鳥羽市の南東部に位置する海沿いの地域です。
「安楽」と書いて「あら」と読むのは非常に珍しく、観光客でも読み間違える人が多い地名です。
このエリアには、安楽島海水浴場や安楽島漁港、安楽島温泉などがあり、観光やレジャーに人気のスポットとなっています。
また、安楽島は、伊勢志摩国立公園内に位置し、美しい海岸線や自然景観を楽しむことができます。
問題4|「贄崎」の読み方は?

正解は「にえざき」です。
贄崎(にえざき)は、三重県鳥羽市安楽島町に位置する岬です。
「贄(にえ)」とは神様にささげる食べ物のことで、古代から漁が盛んだったこの地域では、魚介類を神に供える文化があったとされます。
また、贄崎は伊勢湾に面した風光明媚な場所で、海岸線の美しさや自然の景観で知られています。
問題5|「雲出」の読み方は?

正解は「くもづ」です。
雲出(くもづ)は、三重県津市の南部に位置する地域です。
一見、空の雲と関係がありそうですが、もともとは「熊津(くまづ)」という名前だったとも言われており、語源には諸説あります。
これらの地域は、かつて存在した一志郡雲出村に由来し、1952年に津市へ編入されました。現在では、津市の一部として区分されています。
また、「雲出」という地名は、三重県立図書館の難読地名一覧にも掲載されており、読み方が難しい地名の一つとして知られています。
問題6〜10|上級者向け!あなたは何問正解できる?
ここでは、さらに読みにくい地名を5つ紹介します。いくつか読めるか、チャレンジしてみてください!
問題6│「波木」の読み方は?

正解は「はぎ」です。
波木(はぎ)は、三重県四日市市の南部に位置する地域です。
波木の名称の由来は、現時点、明確な記録はないとされています。
この地域には「波木町」や「波木南台」などの町名があり、住宅地や自然が調和したエリアです。
波木町には、歴史ある神社や温泉施設が点在しており、地域の文化や歴史を感じることができます。
問題7│「十日外面」の読み方は?

正解は「とおかども」です。
十日外面(とおかども)は、三重県桑名市・長島町に位置する地域です。
この地名は、江戸時代の新田開発に由来しており、桑名藩主の松平定政が潮止堤を10日間で完成させたことから「十日新田」と呼ばれ、さらにその東南部に開発された小新田が「十日外面」と名付けられました。
現在の十日外面は、長良川河口堰の西岸に位置し、自然豊かな水辺の風景が広がっています
周辺には「なばなの里」などの観光スポットもあり、四季折々の風景を楽しむことができます。
問題8│「大仰」の読み方は?

正解は「おおのき」です。
大仰(おおのき)は、三重県津市・一志町に位置する地域です。
この地域は、かつて一志郡大井村に属しており、2005年の市町村合併により津市に編入されました。
大仰は、豊かな自然環境に恵まれ、農業が盛んな地域です。
また、周辺には、弥生時代の遺構や遺物が多数出土している「片野遺跡」などの歴史的な名所も点在しています。
問題9│「志登茂川」の読み方は?

正解は「しともがわ」です。
志登茂川(しともがわ)は、三重県津市を流れる全長約14.8kmの河川です。
志登茂川の名称の由来は、現時点、明確な記録はないとされています。
津市街地を流れる代表的な河川の一つであり、河川の周辺には江戸橋や三重大学などの有名な施設があります。
また、志登茂川は過去に経験した2度の洪水被害を踏まえ、現在では防災対策が進められています。
問題10│「神前」の読み方は?

正解は「かんざき」です。
神前(かんざき)は、四日市市のほぼ中心に位置し、豊かな自然と歴史的背景を持つ地域です。
「神前」の語源は、式内社である神前神社に由来しており、この神社は延喜式神名帳に記載されている歴史ある神社です。
また、神前地区には四日市商業高等学校と四日市中央工業高等学校の2つの県立高校があり、文教地区としての側面も持っています。
まとめ|読めたらあなたも“みえ通”!

いかがでしたでしょうか。今回は、三重県の難読地名をクイズ形式で10個ご紹介しました。
三重県の地名は、読みづらい地名が多く不便に感じるかもしれませんが、その分だけ興味深く、知れば知るほど面白く感じられたのではないでしょうか?
今回紹介した難読地名10選に挑戦してみて、少しでも「三重県のことを知れてよかった!」と思っていただければ嬉しいです。
また、今後三重県を訪れるときは、駅の名前や道路標識の漢字をチェックしてみてください。そして「これ読める!」と地名読解を楽しんでいただければ幸いです。
難読地名は、地元愛を深めるきっかけにもなります。読めるようになれば、あなたも立派な“みえ通”です!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。