三重のどこかで、今日も誰かが、輝いている。
誰にも気づかれずにすごいことをやってたり、ひっそり誰かの人生を変えていたり・・・。
そんな“ヒト”にじっくり話を聞いてみたら、案外すごかった、そんな気づきが詰まった新企画、はじめます。
「ミエタイマー」。三重の“今”を刻む人たちを、追いかけていきます。
シリーズ第2話目は、名張市の人たちにソッと癒しを与える、BODY CARE sakura.co(サクラコ)の山本亜衣(やまもと・あい)さん。

名張市の一角にあるこのリラクゼーションサロンには、毎日、「誰かにそっと話を聞いてもらいたい」そんな想いを抱えた人たちがやってきます。
この場所に流れているのは、“やわらかさ”と“安心感”。
そしてその空気をつくっているのが、山本さんという人そのものです。
自分の“好き”と“信じたいこと”にまっすぐで、一度話せば、「また会いたい」と思わせるあたたかさがある。
“癒す技術”よりも先に、“癒す人”がいる。今回はそんな山本亜衣さんに、ゆっくりじっくり、お話を聞いてきました。
「sakura.co」の“さくら”は、12歳の家族の名前。
サロンの名前を尋ねたとき、山本さんはちょっと照れたように、でもうれしそうに教えてくれました。

「“さくら”って、うちのワンちゃんの名前なんです。今12歳になります」
サロン名「sakura.co(サクラコ)」は、家族のように寄り添ってきた愛犬“さくら”ちゃんにちなんで名付けたもの。特別な理由や狙いがあったわけではないけれど、直感的に“これがいい”と思えたそうです。
「呼びやすくて、親しみがあって、覚えてもらえる。
なにより、自分の“好き”を詰め込んだ名前にしたかったんです」
その“さくら”ちゃんは、サロンを始めた当時も、今も、毎日山本さんの帰りを待っていてくれる存在。
疲れた日も、うれしかった日も、変わらずそばにいてくれる。
そんな“無条件のやさしさ”を、山本さんはその背中から受け取ってきたのかもしれません。
「さくらを呼ぶたびに、初心に戻れる気がするんです」
そう語る姿からは、この名前が単なるペットの名前以上の“意味”を持っていることが、自然と伝わってきました。
だからこそ、「sakura.co」という名前には、技術以上の“温度”が宿っている気がします。
やさしさがめぐる場所。このサロンには、どこかそんな空気が、静かに流れていました。
「35歳からのスタートだったんです」
「この道に入ったのは、35歳のときだったんです。それまではまったく違う仕事をしていて。経験もなくて…ただ、“やってみたい”という気持ちだけでした」
山本さんは、特別な転職のきっかけがあったわけではないと言います。それでも、自分の心が動いたほうへ一歩を踏み出した。
最初に興味を持ったのは、アロマオイルマッサージやリフレクソロジーといった“癒しの技術”。
勉強を始めるうちに、「もっと知りたい、深めたい」と感じるようになり、民間の資格取得を経て、現場での経験を積み始めました。
その後、日々施術の勉強を重ねながら、少しずつ自信を深めていった山本さんに、ある日こんな声がかかります。

「40歳のとき、“サロンやってみない?”って言ってもらえたんです。ちょうどその頃、“いつか自分の場所を持ちたい”って考え始めていたタイミングで…。“やらせてください!”って、即答でした(笑)」
経験が浅いから、と躊躇してもおかしくない状況だったはず。でも山本さんは、自分の直感と、目の前にあるチャンスを信じました。
「何歳からでも遅くない」
そういう言葉があるけれど、まさにその実践者のような歩み。“やってみたい”という気持ちをちゃんと拾って、自分で育てていく。その芯の強さが、山本さんの魅力のひとつなのかもしれません。
「“あいちゃんに会いに来るね”って言ってもらえる」
「お客様に、“笑顔で帰っていただくこと”がいちばん大事なんです」
山本さんは、そうやって施術の軸をシンプルに語ってくれました。
体を整えることはもちろん大切。でもそれ以上に、“心がほっとする時間”をつくることが、自分の役割だと感じているそうです。
そのために意識しているのは、お客様の小さな変化に気づくこと。言葉にされなくても、声のトーンや表情、姿勢などを見ながら、「今日はちょっと疲れているのかな」「何かあったのかな」と想像しながら、丁寧に接するようにしていると言います。

「“ぐっすり眠れました”“また会いたくて来ました”って言っていただけると、ほんとうにうれしくて…。
“あいちゃんに癒されに来てる”なんて言ってもらえることもあるんです」
サロンを訪れるお客様のうち、なんと9割以上がリピーター。一度来たらまた来たくなる、そんな信頼関係が自然と築かれています。
施術中は、ほとんど会話が尽きないそうです。日常のちょっとした話から、家族のこと、仕事のこと、人生のことまで。「お客さま」というより「話しやすい友人」のような関係で、笑い声の絶えない時間になることも多いのだとか。
「人との関わりが大好きなんです。お客様からいただいてるものの方が、ほんとは多いかもしれません」
そんなふうに謙遜しながらも、相手の気持ちをちゃんと受け取って、真っ直ぐに向き合う。
その姿勢こそが、信頼につながり、「また会いたい」と思ってもらえる理由なのかもしれません。
ストレッチ、リフレ、ヘッド、アロマ…全部“寄り添う”ための手段
BODY CARE sakura.coのメニューは、一言でいえば「やさしい手技のフルコース」。
ストレッチ、リフレクソロジー、ドライヘッドスパ、アロマオイルマッサージ……。
どのメニューも、ふくらはぎや頭の緊張をゆるめ、血流を促し、自律神経のバランスを整えてくれる、心と体への癒しのアプローチです。

「“寝つきが悪くて…”とか、“体がだるくてやる気が出ない”って方、すごく多いんです。でも、よくよくお話を伺ってみると、“ただリラックスしたい”という気持ちが根っこにあることも多くて」
たとえば、仕事や子育て、家族のことなど・・・ストレスの原因がはっきりしているわけではなく、ただ“いつの間にか疲れていた”というケースは意外と多いそう。
山本さんが心がけているのは、そうした“言葉にできない不調”を、ていねいな対話と観察で見つけていくこと。
「カウンセリングをしながら、“この方はいま、何を求めてここに来てくださったのか”を探る時間がとても大事なんです」
場合によっては、最初に希望されたメニューから変更することも。お客様が選んだ内容よりも、“今いちばん必要なケア”を一緒に見つけていく。それは、機械的な施術ではできない、人だからこその寄り添い方です。
「施術より、カウンセリングの方が大事だなって思うこともあるくらいです」
そう笑いながら話す山本さんですが、そこには深い実感と、積み重ねてきた時間があります。
sakura.coのメニューには、確かな技術だけでなく、「あなたの声、ちゃんと聞いてますよ」というやさしさが、そっと込められているのかもしれません。
施術室は“話せる場所”であり、“自分に戻る時間”
「最近どこか行かれましたか?」「今日はどんな感じですか?」
山本さんの施術は、そんなふうに始まるさりげない会話からスタートします。ごく自然に、やさしく投げかけられる言葉たち。それが、心の緊張をほどいてくれる第一歩です。
施術室に流れるのは、静かな音楽と、ゆっくりした時間。
無理に話さなくてもいい、だけど、話したくなったらちゃんと聞いてもらえる。そんな“安心”のなかで、少しずつ自分のことを話してくれる人も多いそうです。

「はじめは何気ない話だったのが、気づいたら悩みごとになっていたり…。ときには涙を流される方もいらっしゃいます」
それでも、山本さんは無理に励ましたり、解決しようとはしません。
ただ、ゆっくりと頷きながら、そっと手を添えて、その人の今に寄り添います。
「“あいちゃんの声に癒される”“ここに来るだけでホッとする”って言ってもらえるのが、ほんとうにありがたくて…。その言葉に、私の方がいつも背中を押してもらっているんです」
このサロンは、ただ“体を整える場所”ではなく、誰かが少しだけ素直になれる“心のよりどころ”のような場所なのかもしれません。
一日のなかのたった60分。でもその60分が、“また明日からがんばれる”という気持ちにつながっていたとしたら、それはもう、特別な時間と言っていいのではないでしょうか。
名張市という場所と、家族という支え
山本さんが暮らすのは、名張市内。自然に囲まれ、ゆったりとした時間が流れるこのまちに住んで、もう10年以上になります。
家では、ご主人と高校生の次男さん、そして愛犬の“さくらちゃん”と一緒に、あたたかな毎日を過ごしています。仕事ではたくさんの人と関わり、エネルギーを注ぐ分、家ではきちんと「OFF」に切り替えて、自分を整えることを大切にしているそうです。

「仕事のことは家にはあまり持ち込まないようにしています。家族との時間は、家族の時間としてちゃんと向き合いたいので」
そんな言葉の端々からも、家族を大切にする想いがじんわりと伝わってきます。
趣味は、ドラマやアニメを観ること、そして神社仏閣めぐり。
最近のお気に入りは「お茶漬けと、きゅうりの漬物」だそうで、「きゅうりって美肌にいいんですよ〜!」と、笑顔で教えてくれる様子がとてもチャーミングでした。
忙しさのなかにも、好きなものを楽しむ時間をちゃんと取っている山本さん。そんな暮らしぶりからも、「自分のバランスを大切にしている人」だということが伝わってきます。
仕事と家庭、ONとOFF。そのどちらにも丁寧に向き合う姿勢が、きっとsakura.coのあたたかい空気感にもつながっているのだと思いました。
夢は「また帰ってきたくなる場所をつくること」
今、sakura.coは多くのお客様に支えられ、日々穏やかな空気のなかで施術を行っています。
でも山本さんは、そこに甘んじることなく、「もっとこうしたい」という未来のビジョンをしっかり描いています。
「もっと睡眠や、整体などの専門的な技術にもチャレンジしていきたいんです。将来的には、“自分のスタイルを詰め込んだサロン”を持てたらと思っていて」
その想いの根底にあるのは、“帰ってこられる場所をつくりたい”という願い。施術の上手さだけでなく、その人らしさに触れられる空間。日常に疲れたときに、「そうだ、あいちゃんのところに行こう」と思い出してもらえるような存在。

「“また会いに来ました”って言ってもらえるような場所。“帰ってきたくなる場所”であり続けたいんです」
お客様が何かに疲れているときも、嬉しいことがあったときも、どんな気持ちでも受けとめてくれる“拠りどころ”のようなサロンでいたい。
sakura.coがめざす未来は、“癒し”や“整える”を超えて、「誰かの心がふっとほどける場所」であり続けること。リラクゼーションは、技術ではなく“人”なんだと、山本さんのそばにいると、自然にそう思えてきます。
最後に、山本さんからひとこと。

お疲れの方、寝つきが悪い方、なんだか最近やる気が出ない…そんな方に、そっと寄り添えるサロンでありたいと思っています。
「マッサージに行くほどではないけど、誰かに話を聞いてほしい」そんな気持ちで来ていただいても大丈夫です。
カラダの不調の原因が、実は心の疲れだったということもよくあります。
「なんだか調子が出ないな」と思ったときに、ふと思い出してもらえるような場所にしたいです。
どんなお悩みでも、一度話してみてくださいね。安心してご来店いただけるよう、笑顔でお待ちしています。
ミエタイマーが活躍する場所
お店名
sakura.co(サクラコ)
住所
三重県名張市鴻之台二番町114番地2 ONEオフィス2F(メンズ脱毛サロンBOSS名張店内)
電話番号
0594-41-0999
ホームページ
https://www.instagram.com/ai_reflexology?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==
営業時間
10:00〜21:00
定休日
不定休
アクセス
編集後記(ミエタイムより)
“癒しのプロ”というより、“空気のプロ”。
山本さんのすごさは、手技のうまさや資格の数ではなくて、「あ、なんか話したいな」って思わせてくれる“空気”にあると思います。
はっきりした理由がなくても、なんとなくしんどい日。
自分でも気づかないうちに、心がカチカチになっているとき。
そんなときに、ふと訪れたくなるのが、sakura.coのような場所。
うまく言葉にできない疲れに対して、「うん、そういうときあるよね」って、やさしく、静かに、でも確かに、受け止めてくれる人がそこにいる。肩の力を抜ける場所って、人生の中でそう多くはないけれど、sakura.coには、それがしっかりとそれがある気がしました。
この人に出会えてよかった。
そう思わせてくれるやさしさが、静かに、でもしっかりと、そこにありました。
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今回の記事はミエタイムの公式Instagramにも掲載されます。
限定的な、お得クーポンもいただいていますので、是非ご覧いただき、応援頂けると嬉しいです。